BAR新海の15周年記念ボトルの第二弾
「Linkwood 15年 Hogshead for BAR新海 15th Anniversary」をリリース。
東京港区で3店舗のBARを展開するBAR新海が、2010年の創業開始から15周年を記念したプライベートボトルの第二弾を制作しました。
今回は、ジャパニーズウイスキーではなく、スコットランドのシングルモルトウイスキーでは御座いますが、「ジャパニーズウイスキーディクショナリー」の読者へ向けて限定販売を企画させて頂きました。

1.Linkwood 15年 Hogshead for BAR新海 15周年記念ボトル
BAR新海は、2025年1月で開業15周年を迎えました。日頃からの皆様のご愛顧に心より御礼申し上げます。
この度、15周年を記念してBAR新海限定のウイスキー第二弾を制作させて頂きました。
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1-1.商品情報
BAR新海 15周年記念ボトルの「第二弾」は、英国のインディペンデントボトラー「The Single Cask Ltd」の日本法人である「シングルキャスクジャパン」にご協力頂き、15周年に相応しい、『Linkwood 15年』をボトリングさせて頂きました。
リンクウッド蒸留所は、ディアジオ社が所有するスコットランドのスペイサイド地区の蒸留所で、9割以上がブレンデッドウイスキー用に製造されている為、シングルモルトとしてのオフィシャルボトルのリリースは殆どありません。
シングルモルトとしては、ディアジオ社の「花と動物シリーズ」と、各ボトラーズからシングルカスクとしてリリースされるのみで、非常に希少性が高く、近年多くのウイスキー愛好家の注目を浴びています。
今回、BAR新海がボトリングした『Linkwood 15年』は、2010年2月に蒸溜され、Hogshead(ホグスヘッド)の樽で15年間貯蔵し、2025年2月にカスクストレングス(58.7%)でボトリングした15年熟成のシングルモルトウイスキーです。
非常に華やかな香りと味わいに、ギュッと絞まった果実味があり、余韻も強く長く、とても印象に残るウイスキーですので、是非お愉しみ下さい。
リンクウッドは、白鳥がシンボルマークの蒸留所と知られており、蒸溜所内の冷却水を貯めておく池に毎年2羽の白鳥が飛来してくる事が由来となっています。
また、リンクウッドの味わいの特徴としては、スペイサイドらしいフルーティでフローラルで華やか、そして濃厚濃密な色気、そんな美女的要素を兼ね備えたウイスキーと揶揄されており、今回ボトリングした『Linkwood 15年』もまさに上品な美女的要素を兼ね備えております。
今回のラベルのデザインは、上述の2つのエピソードを掛け合わせて、毎年飛来する2羽の白鳥をモチーフとし、ウイスキーの味わいである美女的要素を表現する為に、そのうち1羽を美女に置き換えて描いております。
1-2.商品スペック
アルコール度数 58.7% 酒別 シングルモルトスコッチウイスキー 原材料 モルト 樽種 ホグスヘッド カスクNo 301555 蒸留所 リンクウッド蒸留所 蒸留年月日 2010/2/8 ボトリング日 2025/2/13 内容量 700ml 本数 238本 製造者 The Single Cask Ltd. 販売価格 19,800円(税込)
1-3.購入方法
下記のオンラインストアよりご購入頂けます。
新海ドリンクスストア(https://store.shinkaidrinks.com/)

2.リンクウッド蒸溜所について
リンクウッド蒸留所は、1821年にピーター・ブラウンによって建設され、1825年に年間4,500リットルの生産能力で生産を開始した歴史の深い蒸留所です。
リンクウッドという名前は、スペイサイドのエルギン地区のシーフィールド領にあった貴族の邸宅(荘園屋敷:リンクウッド)から名付けられています。
1872年から1873年にかけて蒸留所の改修が行われ、生産量は年間227,000リットルまで増加。
1962年、蒸溜所の全面的な改修が行われ、蒸溜所の動力源であった蒸気機関と水車に代わり、蒸溜所は電化され、ポットスチルは以前のスチルの正確なレプリカに取り替えられました。
1971年、蒸気加熱式のスチルを備えた第2蒸溜所が設立されました。また、第1蒸溜所のポットスチルも蒸気加熱式に改修され、2つの蒸溜所は合計で年間250万リットルの生産能力を持つようになりました。
生産量の99%がジョニーウォーカーやホワイトホースの原酒用(ブレンデッドウイスキーのキーモルト)で、シングルモルトとして出回る量はごく僅か。オフィシャルでは、レアモルトシリーズ「花と動物シリーズ」のみで、ほとんど市場に出回らず、非常に希少価値の高い銘柄となっています。

[画像出典:Wikipedia]
3.The Single Cask Ltd.について
今回、『Linkwood 15年』のボトリングは、シングルキャスクジャパン様の協力により実現されました。
シングルキャスクジャパンは、英国法人のThe Single Cask Ltd.の日本法人であり、日本におけるThe Single Cask Ltd.ブランドのボトル販売や、プライベートボトル用オーナーズカスクの販売などを行っております。
The Single Cask Ltd.は、2016年に英国で設立された、新興のシングルカスクウイスキーのインディペンデントボトラーです。
自社の貯蔵庫やボトリング設備を備えており、代表のベン・カーティスのウイスキー業界での様々な経験により辿り着いた揺るがない使命のもと、日々新しいボトルがリリースされています。
私たちシングルキャスクジャパンの使命は、「最高のウイスキーに出会うための探究は決して終わらない」という創業者ベン・カーティスの信念のもと、スコットランドの各蒸留所の個性が詰まったシングルモルトウイスキーを、ノンカラーリング(無着色)・ノンチルフィルター(冷却濾過なし)で、樽で熟成されている状態のままボトリングし、「シングルカスクウイスキー」として多くの皆様にお届けすることです。
[出典:The Single Cask Japan公式HP]
4.最後に
2020年に「シングルキャスクジャパン」が設立してから、日本のリカーショップでもThe Single Caskのボトルを見かける事が増えました。
昨年からは、日本全国で開催されるウイスキーフェスへの出展も勢力的に行っており、The Single Cask製品を取り扱うBARや酒販店が瞬く間に増えた印象があります。
The Single Caskのボトルは、世界の品評会でも高い評価を得ており、その品質の高さにも定評があります。今後も日本市場でThe Single Caskのボトルを見かける機会は増えてくる事は間違いないでしょう。

最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.50 2025年6月号
『ウイスキーガロア』6月号、巻頭特集はシングルモルトを世界に知らしめたディアジオ特集・後編。
メーカー別に蒸留所を集成・徹底解説する新シリーズ「スコッチ蒸留所名鑑」を始動。
第1弾ではスコットランドに30の蒸留所を擁するディアジオ社が登場!
最新号ではスペイサイド・アイラの20蒸留所を一挙掲載します。
[巻頭特集]
スコッチ蒸留所名鑑 [第1弾 ディアジオ 後編]
ディアジオ社の蒸留所を一挙紹介 <スペイサイド・アイラ編>
カードゥ/モートラック/クラガンモア/グレンエルギン/ローズアイル/カリラ/ラガヴーリン/ポートエレン/オスロスク/ベンリネス/ダルユーイン/ダフタウン/グレンダラン/グレンロッシー/マノックモア/リンクウッド/インチガワー/ストラスミル/グレンスペイ/ノッカンドオ
◆Chinese Whisky ――国家級 中国威士忌 最新事情
叠川(チュアン)蒸留所/沃林(オーリン)クーパレッジ/青島(チンタオ)蒸留所
◆日本のクラフト蒸留所最前線
新道蒸溜所/朝倉蒸溜所
◆ジャパニーズクラフトの開拓者たち[第6回] 小正嘉之助蒸溜所 小正芳嗣氏
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。