【レビュー】シングルモルト三郎丸Ⅲ THE EMPRESS カスクストレングス

ウィスキーレビュー
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三郎丸蒸留所

シングルモルト三郎丸シリーズの第4弾「シングルモルト三郎丸Ⅲ THE EMPRESS」が、三郎丸蒸留所より2023年11月24日発売。カスクストレングス版の特徴や味わい、商品情報など。

三郎丸蒸留所から新商品「三郎丸Ⅲ(サード) THE EMPRESS(ザ エンプレス)」および「三郎丸Ⅲ(サード) THE EMPRESS(ザ エンプレス)カスクストレングス」が発売されました。

タロットカードの名をつけられたこのシリーズも第四弾。今回は、タロットの大アルカナNo.3 THE EMPRESS(女帝)でのリリースとなります。

三郎丸蒸留所初の、アイラピートを使用したシングルモルトウイスキーとなります。

タロットNo. 商品名 発売日
0:愚者 三郎丸0 THE FOOL 2020年11月12日
1:魔術師 三郎丸ⅠTHE MAGICIAN 2021年11月29日
2:女教皇 三郎丸ⅡTHE HIGH PRIESTESS 2022年11月24日
3:女帝 三郎丸ⅢTHE EMPRESS 2022年11月24日

 

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1.メーカー

若鶴酒造株式会社

設立 1862年
本社所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
所有蒸留所 三郎丸蒸留所

2.蒸留所

三郎丸蒸留所

所在地 〒939-1308 富山県砺波市三郎丸208
操業開始 1953年(2016年改修)

1952年創業の北陸で唯一の蒸留所。
戦後の米不足のなか1952年にウイスキー製造免許を取得。以来、冬は日本酒を仕込みそれ以外の期間ウイスキーを蒸留。年間200仕込み。今後は300仕込みを計画中。
操業当初からスモーキーなウイスキーにこだわりアイラピーテッド麦芽と最近では富山県産ピーテッド麦芽で仕込んでいます。 自然の風味を生かすため、冷却濾過や着色は一切していないのが特徴です。

2018年、三宅製作所の最新のマッシュタンを導入。
2019年、地元企業の老子(おいご)製作所と協業して鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を開発。
2020年、木桶の発酵槽を1基導入。

他の蒸留所との大きな違いは世界初の鋳造製のポッドスチル「ZEMON(ゼモン)」を採用。


大きな特徴は3つ。
①鋳物工法により型による成形が可能になり短納期での製造が可能。また、低コストで十分な肉厚をもたせることができ、本体の高寿命化を期待できます。
②鋳造による自由な造形により様々な酒質を実現。また、パーツごとのユニット化により消耗した部品のみの交換や機能の拡張に対応します。
③銅が約90%、錫が約8%含まれる銅錫合金によりつくられています。錫は銅の約3倍の価格で取引される高級な金属です。
錫は古来より酒の味をまろやかにするといわれており、酒器や焼酎の冷却器に用いられてきました。ZEMONは銅と錫の2つの効果により高品質な蒸留酒の製造に貢献します。
引用:若鶴酒造公式HP

三郎丸蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

三郎丸蒸留所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

シングルモルト三郎丸Ⅲ THE EMPRESS カスクストレングス
Single Malt Saburomaru Third THE EMPRESS Cask Strength

4.三郎丸Ⅲ THE EMPRESS カスクストレングスの特徴

2020年、三郎丸蒸留所は初めてアイラ島のピートで燻された麦芽での仕込みを始めました。海の近くで掘り出されたアイラピートは潮気や優しくも長い余韻をもち、従来の内陸のピートと違った多彩な表情をみせます。さらに、この年から導入された木桶により独自の乳酸菌による多様な発酵がおこなわれるようになりました。

長年にわたり積み重ねられてきたピートの大地と何百年もの樹齢を重ねた木桶、そして何十年も磨き抜かれた三郎丸の水が調和し、ウイスキーに豊かな彩りをもたらします。

三郎丸蒸留所 稲垣貴彦


引用:三郎丸蒸留所公式HP

タロットカード(大アルカナ22枚と小アルカナ56枚で構成)がモチーフになっており、大アルカナ22枚の3番「女帝(THE EMPRESS)」を採用しました。アイラピートによる豊穣の大地、長年樹齢を重ねた木桶、そしてじっくりと磨き抜かれた水による三位一体を表します。

キーワード : 豊穣、愛、豊かさ、調和

今回も切り絵作家の加野由希絵氏(富山県氷見市出身)に、この「女帝(THE EMPRESS)」のカードの切り絵を製作いただき、ラベルにいたしました。

4-1.テイスティングノート

香り メンソールのような香り立ち、焦がしたチョコ焼き菓子、柑橘のピール
味わい 焦がした木材、塩漬けのレモン、焼いた金属、土のニュアンス
余韻

アルコールの刺激が唾液と混ざり、甘さと酸味が覗く

下に残るピリっとした塩味とピートフレーバーがゆっくりと消える

4-2.商品スペック

アルコール度数 60%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 バーボン樽等
内容量 700ml
販売本数 限定1,800本
希望小売価格 19,800円(税込)
発売日 2023年11月24日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.三郎丸Ⅲ THE EMPRESSの価格

6-1.メーカー希望小売価格

 

 

商品名 シングルモルト三郎丸Ⅲ THE EMPRESSカスクストレングス
容量 700ml
希望小売価格 税込:19,800円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、33,000円~34,000円前後となっています。(※2023/11/28時点)

 

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの出品は、最安33,000円、最高40,000円となっております。

(※2023/11/28現在、売買記録なし) 

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトは現在販売は確認されていません。(※2023/11/28時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:5,610円 30ml:3,740円、15ml:1,870円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

例年通り、カスクストレングス版と通常版の同時リリースとなりました。

アイラピーテッド麦芽は三郎丸蒸留所初の試みでしたが、富山県産の内陸性のピートとはっきりと違いが感じられます。前回に記事で紹介した通常版

通常版のほうがアイラピートをしっかり感じられ、カスクストレングス版はアルコール感とピート感が同時に感じられ、ロックなどでもしっかりち飲みごたえがあり、時間での変化も楽しめます。

 

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シングルモルト三郎丸Ⅱ THE HIGH PRIESTESSは、三郎丸蒸溜所より2022年11月24日発売。13,750円(税込)。鋳造製ポットスチル「ZEMON(ゼモン)」で蒸留。円やかで舌触りも滑らか、甘酸っぱさを感じるが最後には煙たさが口全体に広がります。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
自身の知識の少なかった日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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