ガイアフロー静岡蒸溜所より、2025年のプライベートカスクの募集開始。初留で選べる蒸留機のスタイルなども併せて紹介。
毎年募集を行っている静岡蒸溜所のプライベートカスク、ここ数年はオクタブ(50L)やクオーターカスク(100L)でしたが、6年ぶりのバレルサイズ(180L)での募集となります。
1.プライベートカスク2025内容
- バレルサイズ(180L)
- 麦芽は国産麦芽を国内製麦場でモルトに仕上げた100%ジャパニーズバーレイのノンピートタイプを使用。
- 初留のタイプが3種類から選べる。
- 樽は ex-SHIZUOKA。アメリカ ケンタッキー州から輸入したバーボン用新樽に、静岡蒸溜所のシングルモルトを詰めて熟成させたものを使用。つまりは、ファーストフィルバーボンの静岡版ともいえるものです。樽に詰めていたウイスキーはどの蒸留機なのか等は不明。
- 熟成期間は最長で7年。3年以降は好きなタイミング、アルコール度数でのボトリングが可能。
2.抽選エントリー概要&フォーム
抽選は8月1日~1週間単位で行われるそうです。
抽選結果は、翌週ご当選者様のみにメールにてお知らせ。
抽選に外れても翌週以降に再度応募可能な形式。
注意事項なども併せてご一読ください。
<プライベートカスク2025 バレル>募集開始! – ガイアフロー株式会社 GAIAFLOW CO. LTD.
3.静岡での初留タイプ『K』&『W』について
カスクオーナー希望の方は下記を参考にご一考ください。
WWA2024では、日本地域 シングルモルト/スモールバッチ部門、ノンエイジステートメントカテゴリーにおいて、静岡蒸溜所の「シングルモルト静岡 ポットスティルW 純日本大麦 初版」が金賞、さらにカテゴリーウイナー(カテゴリー内最優秀賞)を受賞しています。
静岡蒸溜所には「K」と「W」という呼び名の2基の初留用蒸留機が稼働しています。Kは、1950年代に日本で製造された歴史ある軽井沢蒸留所の蒸留機。2011年11月に惜しまれつつ閉鎖した軽井沢蒸留所から静岡蒸溜所に移設され、修理・改修し伝説の蒸留機は復活しました。そのしなやかに伸びた優美なシルエットと、蒸気の間接加熱により、軽やかで華やかな味わいの原酒を生み出しています。
下の写真の左手前がスコットランド・フォーサイス社製のおそらく世界で唯一の「薪直火蒸留機」で、この蒸留機がW。
今回のプロローグWはこの蒸留機で蒸留した原酒を使用しています。直火蒸留の特徴はまさに温度です。一般的な間接加熱蒸留の場合の温度は150℃前後ですが、静岡蒸溜所の薪直火蒸留は800℃とのことで、香ばしく力強いタイプのモルト原酒を作り出すことができます。
発酵槽には地元静岡産の杉を使った木桶を採用。静岡市は林業の街であり、その特色を生かし、静岡らしいウイスキーを造れたらとの思いを込めて、あえて地元静岡産の杉を選んでいるのだそうです。
ウイスキーの原料となるモルト(大麦麦芽)を粉砕する為のモルトミルも、蒸留機”K”と同様に軽井沢蒸留所で使用されていた歴史ある機械を移設して使用しています。
ガイアフロー静岡蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。
4.静岡蒸溜所の過去のシリーズ
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。