キリンビール株式会社から新たにシングルモルトウイスキーが販売。
2020年に登場した「富士」ブランド。2020年4月に「シングルグレーンウイスキー富士」を、2022年6月に「シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」を発売してきた。
これまでグレーンウイスキーにフォーカスされてきた「富士」がいよいよシングルモルトとしてリリース。
富士御殿場蒸溜所のモルト原酒のみでブレンド、多彩なモルト原酒が織りなす、果実味あふれる芳醇な味わいが特長。
バーボンバレル主体で、ビール熟成樽やワイン熟成樽も使用し甘く華やかな香味の中にフローラルさや果実味、深みが加わっています。
1.メーカー
キリンディスティラリー株式会社
設立 | 1972年8月 |
本社所在地 | 〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地 |
所有蒸留所 | 富士御殿場蒸溜所 |
2.蒸留所
富士御殿場蒸溜所
所在地 | 〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地 |
操業開始 | 1973年11月 |
1972年8月 キリンビール株式会社(日本)、JEシーグラム社(米、当時)、シーバースブラザーズ社(英)3社合弁によりキリン・シーグラム株式会社設立
1973年11月 富士御殿場蒸溜所完成、製造開始
1974年2月 国産ウイスキー「ロバートブラウン」発売
2002年7月 社名を「キリンディスティラリー株式会社」と変更(キリンビール株式会社の100%出資会社化)
2005年9月 国産ウイスキー「キリンウイスキー富士山麓 樽熟50°」「キリンウイスキー富士山麓シングルモルト18年」発売
2016年3月 「キリンウイスキー 富士山麓 ブレンデッド 18年」発売、「キリンウイスキー富士山麓 樽熟原酒50°」発売
2018年8月 「富士山麓 Signature Blend (シグニチャーブレンド)」発売
2020年4月 「キリンシングルグレーンウイスキー富士」発売
富士山のふもとに位置する「キリンディスティラリー(株)富士御殿場蒸溜所」はモルトウイスキーとグレーンウイスキーの仕込みからボトリングまで一貫して行う、世界でも珍しいウイスキー蒸留所です。
豊富な富士の伏流水、冷涼な気候、一年を通して幾度となく発生する霧、恵まれた自然環境の中で、ウイスキーをはじめ、ミネラルウォーターや缶チューハイなど、キリングループの多種多様な製品を製造しています。
2019年2月、将来のさらなるウイスキーの販売数量増加に備えて生産設備を増強、約80億円を投資。
多様なモルトウイスキー原酒を製造するため、小型の発酵タンク4基と蒸留器2系列4基を新設し原酒製造能力を約2倍に、樽熟成庫のリニューアル・大型化等により、樽の保管能力を約2割増強。将来にわたり高品質なウイスキーを安定して供給できる生産体制を目指す。稼働開始時期は2021年6月の予定。
富士御殿場蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。
3.商品名と写真
シングルモルトジャパニーズウイスキー富士
Single Malt Japanese Whisky FUJI
4.特徴
創業時からのこだわりである「クリーン&エステリー」なスタイルとして伝統的につくり続けてきた軽やかで華やかなモルト原酒と、仕込・発酵を進化させた製法でつくるフルーティでクリーミーな味わいのモルト原酒。シングルモルトウイスキー富士はこの2タイプのモルト原酒を使用しています。今回、2010年代に開発した新タイプのモルト原酒が熟成を経て狙い通りフルーティさ溢れる香味になったことから、満を持して使用することにしました。
樽は、富士御殿場蒸溜所こだわりのアメリカンホワイトオークのバーボンバレルを主体に、豊かな味わいづくりのために取り組んでいたビール熟成樽やフレンチオークのワイン熟成樽も使用しました。これらによって、バーボンバレル熟成による甘く華やかな香味の中にビール樽熟成によるフローラルさや、ワイン樽熟成による果実味、深みが加わっています。
伝統ある製法の原酒から新たな製法の原酒まで、富士御殿場蒸溜所でつくられる多彩なモルト原酒の特長を最大限引き出したブレンドにより、シングルモルトウイスキー富士は、雄大な富士の美しさ、生命力をイメージするような果実味豊かで芳醇な味わいに仕上げています。この芳醇な味わいと長く続く余韻が、心を満たし幸せな気持ちにしてくれることを願っています。引用:【グラス付き】キリン シングルモルトジャパニーズウイスキー 富士(700ml)|KIRIN(キリン)公式通販DRINX
4-1.テイスティングノート
香り | ミルキー、バニラクリーム、キャラメリゼした香ばしい香り |
味わい | 焦しキャラメル、完熟パイナップル、芳醇でミディアムボディ |
余韻 |
りんごや桃の甘味で、短めですっきりとした余韻 |
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 46% |
酒別 | モルト |
樽種 | バーボンバレル、ビール熟成樽、ワイン熟成樽 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | ー |
希望小売価格 | 6,600円(税込)→2024年9月1日納品分より価格改定:8,888円(税込) |
発売日 | 2023年5月16日 |
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格 ※2024年9月1日納品分より価格改定
商品名 | シングルモルトジャパニーズウイスキー富士 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 税込:6,600円→【2024/9/1納品分より価格改定】税込:8,888円 |
6-2.メルカリでの転売価格 ※2024年9月13日更新
メルカリでの転売価格は、5,900円〜6,500円前後の価格帯が中心となり入手が可能となっています。メーカー希望小売価格が改定されたばかりななので、現時点では、まだ定価を下回る価格帯での出品が多いようです。(※2024/9/13時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格 ※2024年9月13日更新
ヤフーオークションにて現在出品中の本体落札価格は、5,000円〜7,000円前後となっているようです。(※2024/9/13時点)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon ※2024年9月13日更新
通販サイトでも、送料を含め、5,440円〜6,500円前後で販売されています。発売されてから、まだ1年強で、価格の改定を余儀なくされるメーカー側にとっては、非常に厳しいご時世です。それでも大手国内メーカーが作り出す、ただでさえ手間や時間、人的コストの掛かるシングルモルトをお手頃価格で楽しめるのは、愛好家にとって非常に嬉しい限りですね。 (※2024/9/13時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,980円 30ml:1,320円、15ml:660円で提供しております。
7.まとめ
おすすめの愉しみ方(メーカー参照)
ストレートからスプーン1~3杯の水を加えて、香りの変化を愉しむのがおすすめです。
徐々に水を加えていくことで、クレームブリュレのような複雑で甘い香りから、熟した果実のフルーツタルト、フレッシュさも加わったフルーツケーキ、さらにフローラルさが加わるフルーツフレーバーティまで幅広く香りの変化が楽しめます。
上記のようにスプーン1杯ずつの水を追加していくことで味わいが顕著に変化していくようです。ここまで詳細に香味に対するコメントを出しているのはキリンくらいで、ウイスキーを愉しんでほしいというメーカーの思いやブレンダーの自信が垣間見えてとても好感が持てますね。
■キリンに関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。