「あかし」は、清酒をはじめ、ワインやブランデーなどさまざまな酒類の製造を手がける、江井ヶ嶋酒造のウイスキー銘柄です。
「あかし」の銘柄名は、その名のとおり、誕生の地である兵庫県明石市に由来しています。
そのほか清酒「神鷹」の醸造元として知られ、ブレンデッドウイスキー「ホワイトオークウイスキー」や「シャルマンブランデー」「シャルマンワイン」などの洋酒も製造しています。
2011年頃から海外輸出にも力を置いており、特にフランスでは人気が高く、9万本の輸出量を誇る。
このカスクシリーズはコスパも良く、入手しやすいながらも特別感を感じられる、お得なラインナップである。
1.メーカー
設立 | 1888年5月 |
本社所在地 | 〒674-0065 兵庫県明石市大久保町西島919 |
所有蒸留所 | 江井ヶ嶋蒸溜所(旧ホワイトオーク蒸留所) |
2.蒸留所
江井ヶ嶋蒸溜所
所在地 | 〒674-0065 兵庫県明石市大久保町西島919 |
操業開始 | 1919年 |
1891年 焼酎貯蔵庫「二番蔵」完成 ※後にウイスキー貯蔵庫ともなる。
1919年 ウイスキー免許取得、蒸留所設立
同年 地ウイスキー「ホワイトオーク」発売
1984年 新蒸留所竣工
2007年 初のシングルモルトウイスキー「あかし」8年発売
あかしが作られているのは兵庫県明石市の江井ヶ嶋にあるホワイトオーク蒸溜所。
現在は江井ヶ嶋蒸溜所と改名しており、その理由は外国人観光客に分かりやすくする為だそう。
国内において最も海に近い蒸溜所として有名かつ、シングルモルトウイスキーの蒸溜所としては日本最西端に位置している。
小さな漁村である江井ヶ嶋は1年を通して心地よい気候にあり、内海の明石海峡のすぐそばで、温暖な海洋性の気候の恩恵を受けています。
ウイスキーとワインの製造免許を取得したのが1919年。
日本で初めてウイスキーの蒸溜が行われたのは1923年山崎蒸溜所ですが、日本で初めてウイスキー蒸溜の特許を取得したのは1919年江井ヶ嶋蒸溜所(旧 ホワイトオーク蒸留所)でした。
1919年といえばジャパニーズウイスキーの父、竹鶴政孝氏がスコットランドへウイスキー蒸溜を学びに行っていた頃。
早い段階でホワイトオーク蒸溜所が存在したことに驚かされます。
しかし特許は取得したものの、正しいウイスキー造りの製法は伝わってきていなかったため、当時作られていたのはウイスキーを模倣したイミテーション・ウイスキーだったといわれています。
引用元:ホワイトオーク蒸留所公式HP
ホワイトオーク蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。
3.商品名と写真
シングルモルトあかし3年 テキーラカスク
singlemalt AKASHI 3year Tequila cask
4.特徴
※モダンモルトウイスキーマーケットのために特別にボトリングされたシングルカスクの限定品。
テキーラ(ANEJO)カスクに3年間貯蔵。
原料となる麦芽は全て英国産のものを輸入・使用しており、ホグスヘッドのバーボン樽にて3年熟成させた原酒を、※ANEJO(アネホ)規格のテキーラ樽にて2年後熟させたシングルカスク。
野菜を思わせるグリーンな香り、モルトとアガベ、そして樽香がミックスされた絶妙な風味に加え、ノンチルフィルター、ノンカラーなのでかなり濃厚な味わいとなっている。
信濃屋と江井ヶ嶋のコラボした限定ボトル
※「モダンモルトウイスキーマーケット」は、2006年から三陽物産株式会社がお酒のプロ向けに開催してきたウイスキーイベントで、残念ながら一般の方は参加できない。
※1年~3年未満の間熟成させたテキーラの事を言う。
アネホは「熟成した」を意味する言葉であり、樽での長期間熟成により、まるでウイスキーのような、琥珀色とも呼ばれる濃いめのゴールドのテキーラとなるのが特徴。
4-1.テイスティングノート
香り | フレッシュベジタブル、テキーラ、樽香 |
味わい | レモン、ライム、オレンジキュラソー様の爽やかな味わい |
余韻 | テキーラ由来の青々しい香りと苦みが余韻に続く |
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 50% |
酒別 | シングルモルト |
樽種 | テキーラ樽 |
内容量 | 500ml |
販売本数 | ー |
希望小売価格 | 6,380円(税込) |
発売日 | 2018年 |
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
【限定商品】 シングルモルトあかし3年 テキーラカスク 500ml 50°ノンチル、ノンカラ
商品名 | シングルモルトあかし3年 テキーラカスク |
容量 | 500ml |
希望小売価格 | 5,800円(税込:6,380円) |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、8,000円前後となっています。(※2021/3/9時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの価格は、最安6,000円、最高6,000円、平均6,000円(※2021/3/9 時点)
ほぼ出回ることがもうあまり無い様です。
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでも、7,500円前後で販売されています。 (※2021/3/9時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:2,640円 30ml:1,760円、15ml:880円などの少量でも提供しております。
7.まとめ
スコッチタイプのキレとジャパニーズの良さ両方を持たせつつ、テキーラ樽由来の甘味が感じられるブレンダーの手腕が光る一本。
地ウイスキーの走りと言っても差し支えないあかしウイスキーのリミテッドシリーズは、お財布に優しく、それでいてクオリティは高く現行品入手のしやすさ等、非常にコスパの良いウイスキーと言えます。
しかし、ここ最近のジャパニーズウイスキーの人気が更に加速する事を踏まえて海外からも依然として続く、熱い需要とまだまだ課題の多い原酒不足。
加えて、全て英国産麦芽使用のリミテッドウイスキーにも近年力を入れ始めた江井ヶ嶋酒造の需要は、これからも高くなっていく事でしょう。
ジャパニーズウイスキーの定義における日本の酒造の動きもこれから目が離せないと思います。
江井ヶ嶋酒造の今後の動きも含め要チェックですね。
「あかし」に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。