日本のウイスキーの父・竹鶴政孝が自らの夢見た未来を実現するためにつくられたのがこの「シングルモルト宮城峡」。
2015年9月1日発売。スチームによる間接蒸留によりポットスチルの内部にパイプをめぐらせ、約130℃の蒸気を通してじっくり蒸留してつくられている。
1.メーカー
ニッカウヰスキー株式会社
2.蒸留所
宮城峡蒸溜所
所在地 | 〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地 |
操業開始 | 1969年 |
北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年。 「異なる蒸留所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱く竹鶴政孝にとって、第二の蒸留所はどうしても必要でした。 竹鶴が選んだ地は仙台・宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸留所建設を決定したと言われています。 宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸留機」。 導入当時、すでに旧式とされていた蒸留機です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留機を選びました。宮城峡蒸溜所では、今なお竹鶴の情熱を受け継ぐ人々がウイスキーのおいしさを求め、さまざまな試みを続けています。
画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY
宮城峡蒸留の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。
3.商品名と写真
シングルモルト宮城峡
Single Malt MIYAGIKYO
4.特徴
深みを増した、華やかさと軽やかさ。
スチームによる穏やかな蒸留と、原酒に重い成分を残さない構造のポットスチル。この蒸留方法が生み出す華やかでフルーティーな原酒にシェリー樽モルトと新樽モルトを加えたことで、軽快な中にも深みと厚みが生まれました。さらにライトピートタイプの原酒が、穏やかなピートの余韻を感じさせます。すっきりと洗練されたキレがありながら、スイートな味わいが感じられる。「シングルモルト宮城峡」はローランドモルトを思わせるやわらかで繊細な味わい。バニラのような甘い熟成した香りと、バナナやリンゴを思わせる果実のような甘酸っぱいさがエレガントなシングルモルトです。
4-1.テイスティングノート
香り | りんごや洋梨のようなフルーティーさ、甘く華やかな花の香り。樽由来のやわらかいバニラ香。 |
味わい | ドライフルーツのようなスイートさ、なめらかな口当たり。 |
余韻 | 麦の甘さ、ほのかなビター感。穏やかな樽香が優しく広がる。 |
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 45% |
酒別 | シングルモルトウイスキー |
樽種 | ー |
内容量 | 700ml |
販売本数 | ー |
希望小売価格 | 税込4,950円 |
発売日 | 2015年9月1日(火) |
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | シングルモルト宮城峡 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 税込:4,950円 |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、4,000円~5,000円前後となっています。(※2022/6/22時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、最安2,700円、最高4,500円、平均3,485円(※2022/6/22時点より過去180日間の統計情報)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでも、3,980円~5,500円前後で販売されています。 (※2022/6/22時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,540円で提供しております。
7.まとめ
シングルモルト宮城峡の個性を楽しむなら、まずロックか僅かに水を加えた水割りで。きれいに湧きあがる華やかでフルーティーな香り、スムースな口当たりとスイートな味わいが引き立ちます。
シャープなキレは、ハイボールで。微かに効いたピートの余韻が飲みやすさの中に飲みごたえを感じさせます。シングルモルトはクセがあって苦手という方にも、エントリータイプとしておすすめできます。
■宮城峡に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号
【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー
【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス
【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。
【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。
【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。