【レビュー】イチローズモルト&グレーン ジャパニーズブレンデッドウィスキー リミテッドエディション2021

イチローズモルト

英国の専門誌が主催する国際品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」で、「イチローズモルト&グレーン ジャパニーズブレンデッドウイスキー リミテッドエディション2021」が、生産数の少ない(5千本以下)ブレンドウィスキーを対象にした部門のワールドベスト(世界最高賞)に輝いた。同社の「世界一」は5年連続となります。
ジャパニーズウィスキーで世界最高賞を獲得したのは今回ベンチャーウイスキーだけでした。

「ワールド・ウイスキー・アワード」は2007年から毎年開催をしている他に類を見ないウィスキーのみを対象としたコンペティションで、銘柄を伝えずに行うブラインドテイスティングで審査。2012年からは、テイスト審査に加えてデザインの審査も実施している。

「リミテッドエディション2021」は限定500本製造され、価格は1本税込で198,000円。飲食店を中心に出荷が始まっている様子です。

「イチローズモルト」は埼玉県秩父市にある「ベンチャーウイスキー」からリリースされているウィスキー。「イチローズモルト」は店頭に並べば即日売り切れてしまうほどの人気で入手困難なウィスキーですが、定番品といえるリーフシリーズ(ミズナラウッドリザーブ・ワインウッドリザーブ・ダブルディスティラリーズ)が絶大な人気でウィスキーファンを虜にしています。
ベンチャーウイスキーは肥土伊知郎(あくといちろう)氏が2004年にウィスキー販売会社として設立した会社で、3年後の2008年には秩父市に蒸留所を設立しました。
肥土伊知郎(あくといちろう)氏のウィスキー造りへの思いとこだわりは強く、ポッドスチルはスコットランドから直接輸入したものです。
またウォッシュバックと呼ばれる発酵槽にはミズナラを使用しています。

1.メーカー

株式会社ベンチャーウイスキー

設立2004年
本社所在地〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
所有蒸留所秩父蒸留所、秩父第二蒸留所

2.蒸留所

秩父蒸留所羽生蒸留所のモルト原酒、かつて存在していた川崎蒸留所のグレーン原酒のみがブレンドされている。

ベンチャーウイスキー秩父蒸留所

所在地〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
操業開始2007年

秩父の風土に根ざしたシングルモルトウイスキー造りが行われています。
創業者の肥土伊知郎氏はジャパニーズウイスキーであることに誇りを持ち、小さなミル、マッシュタン、ミズナラ製の発酵槽、スコットランド・フォーサイス社製のポットスチルで手づくりに拘りモルトウイスキーを生産しています。

秩父蒸留所周辺は自然豊かで空気がきれいで質の良い水、夏は高温多湿で朝晩が氷点下にいたる寒さの厳しい環境です。その厳しい気候が織りなす寒暖差がウイスキーの熟成に多大な影響を与え、短い熟成期間にも関わらずフルーティでバランスの取れたウイスキーに仕上がります。

2004年9月創業。
2007年に秩父蒸留所が完成。
2008年2月、ウイスキー作りの免許が交付され秩父蒸留所でウイスキー作りを開始。
2019年10月、第2蒸留所の稼働開始。

1973年設立のサントリー白州蒸留所・キリン富士御殿場蒸留所の次に設立された蒸留所。まさにウィスキー低迷期の終焉とも言えるこの時期に実に日本国内35年ぶりの蒸留所設立となる。
年間のウィスキー生産量はスコットランド・グレンリベット蒸留所のわずか2日分。

2019年秋から稼働している第2蒸留所の生産量は第1蒸留所のなんと5倍。一度に仕込む麦芽は2t。ポットスチルは5倍の量を蒸留できるよう形は同じストレート型だがかなり大きなポットスチルになっている。フォーサイス社製でガス直火蒸留機を使用。

秩父蒸留所の情報はこちら↓もご覧ください。

羽生蒸留所

所在地埼玉県羽生市西4-1-11
操業開始1946年~2004年10月(稼働は2000年まで)

1946年東亜酒造が現在の埼玉県秩父市に当たる地で肥土(あくと)酒造本家として創業。
日本酒の製造を開始。
1941年現在の埼玉県羽生市に当たる地に拠点を移し会社設立。
1946年ウィスキー製造免許を取得。
1948年ウィスキー「ゴールデンホース」の製造開始
2000年羽生蒸留所の稼働停止(ウィスキー原酒の製造停止)

2000年を最後に蒸留を停止し、熟成中の樽はベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏に引き継がれた。羽生蒸留所の原酒は、引き継がれた肥土氏によって『イチローズモルト』というブランド名を与えられ、限定品ながらも辛うじて入手できる閉鎖蒸留所原酒のひとつとなった。

川崎蒸留所

所在地神奈川県川崎市川崎区鈴木町3-1
操業開始1935年~2003年

1934年 昭和酒造株式会社設立
1935年 川崎工場操業開始
1942年 昭和農産化工株式会社に改称
1947年 川崎工場でウィスキーの製造開始「サンラック・ウイスキー(Sun Luck Whisky)」販売
当時はまだ原酒製造は行っていなかったため原酒を購入してブレンドしたものを販売していた。

1949年 三楽酒造株式会社と改称
1958年 ウィスキー生産増強を図りモルトウィスキーの原酒の製造を開始
1962年 オーシャン株式会社と合併し三楽オーシャン株式会社となる
1969年 川崎工場でグレーンウィスキーの原酒の製造を開始
1980年 川崎工場にグレーンウィスキーの貯蔵庫建設
1985年 三楽株式会社に社名変更
1990年 メルシャン株式会社に社名変更
2003年 川崎工場の生産機能が終了。工場閉鎖となる
2007年 キリンホールディングスの事業会社となり、キリングループとなる

現在は埼玉県にあるベンチャーウイスキーの秩父蒸留所で当時の川崎工場の原酒を保管。2009年に三楽オーシャン時代の川崎工場で蒸留した原酒を使ったウィスキーで、シングルグレーン川崎の「1982カワサキ」「1981カワサキ」「1976カワサキ」を発売していた。
今現在でどれほどの原酒が残っているのかは不明。

3.商品名と写真

イチローズモルト&グレーン ジャパニーズブレンデッドウィスキー リミテッドエディション2021
Ichiro’s Malt&Grain Japanese Blended Whisky Limited Edition 2021

4.特徴

秩父蒸留所と羽生蒸留所のモルト原酒、かつて存在していた川崎蒸留所のグレーン原酒のみがブレンドされている。
2008年設立の秩父蒸留所と、前身の旧羽生蒸留所で造られたモルトウィスキー、さらに川崎市にあった蒸留所で約40年前にとうもろこしなどを原料に造られたグレーンウィスキーと、それぞれ個性の強い原酒を使用。熟成に使用した樽もバーボン樽やシェリー樽などを使い分けた。

2008年に製造を開始した秩父蒸留所では、伝統的なダンネージスタイルの貯蔵庫でウィスキーの熟成を行っています。それらの中からブレンドで力を発揮する原酒をキーモルトとして、秩父で熟成された個性豊かな国産の原酒のみをバランスよくブレンド。
黒糖のような重みのある甘さに溶け込む爽やかな酸味、熟成庫の記憶を孕んだ樽香は、余韻となって口の中でいつまでも心地よく続きます。
この商品は原酒のままの個性を楽しんでいただくために、ノンチルフィルター、ナチュラルカラーでボトリングしました。原酒との対話で生まれた複雑なフレーバーをぜひお楽しみください。

4-1.テイスティングノート

香りカラメル、メイプルシロップのようにほろ苦く甘く複雑。

ハーブのようなさわやかな酸味、スパイシーな刺激や、ドライフルーツも感じられる。

味わいスムースでマイルドな舌当たりドライフルーツ。甘くピートフレーバー。ビターな黒蜜とバニラ、シリアル。
余韻熟成感が広がり、ハーブのような清涼感、オイリーな口残り。樽の香りが長く続く。

4-2.商品スペック

アルコール度数48.5%
酒別ジャパニーズブレンデッドウィスキー
樽種バーボン樽、シェリー樽ほか
内容量700ml
販売本数限定500本
希望小売価格198,000円(税込)
発売日2021年4月

5.受賞歴

2021年 WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)「ブレンデッドウイスキー・リミテッドリリース」部門にて世界最高賞を受賞。

2018年から4年連続で「同部門での世界最高賞」を受賞。2017年の「シングルカスク・シングルモルト」部門での初受賞以来、5年連続となる世界最高賞を獲得した。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名イチローズモルト&グレーン ジャパニーズブレンデッドウィスキー リミテッドエディション2021
容量700ml
希望小売価格198,000円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

現時点でメルカリでの出品は無いようです。(※2021/4/26時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでは過去のジャパニーズブレンデッドリミテッドエディションの出品が多いようです。
落札価格は、最安191,999円、最高300,000円、平均234,269円 (※2021/4/26時点より過去120日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、過去のジャパニーズブレンデッドリミテッドエディションの出品が確認できました。昨年のジャパニーズリミテッドエディションで、楽天で250,000円で販売されています。 (※2021/4/26時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1、45ml:66,000円 30ml:44,000円、15ml:22,000円などの少量でも提供しております。

7.まとめ

限定500本と超レアなウィスキーですが、BAR新海では各店でご用意しております。

羽生蒸留所のモルト原酒、川崎蒸留所のグレーン原酒のブレンドもいつまで続けられるのかわかりません。
超貴重なウィスキーですが、この先一度は飲んでおきたいウィスキーの候補にしてみてはいかがでしょうか。

余談ですが、ボトルが入っている木箱の材質は「ミズナラ」で、職人さんが一つひとつ丁寧に仕上げているそうです。
2019年のリミテッドエディション発売時は木箱の製造が間に合わなくてウィスキーの発売が1か月以上遅れた、、、なんて話もあります。

「イチローズモルト」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

最後に:ジャパニーズウィスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウィスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウィスキー

世界的にも有名なウィスキー評論家で、ウィスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウィスキー」です。
ウィスキーの基礎知識、日本へのウィスキーの伝来、ジャパニーズウィスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウィスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウィスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(2).ウィスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

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(3).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

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(4).ウィスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

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