【レビュー】嘉之助 ダブルディスティラリーズ リミテッドエディション2025

ウィスキーレビュー
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嘉之助蒸溜所

年に一度リリースされる嘉之助蒸溜所のリミテッドシリーズ。今回は「ダブルディスティラリーズ」の限定品で発売開始。特徴や味わいをレビュー

 

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1.ボトルとラベルの写真

嘉之助 ダブルディスティラリーズ リミテッドエディション2025
KANOSUKE Double Distilleries Limited Edition 2025 

2.嘉之助 ダブルディスティラリーズ リミテッドエディション2025の特徴

 

焼酎リチャー樽がつなぐ、ブレンドの進化

KANOSUKEの最高峰、DOUBLE DISTILLERYの数量限定商品。
140年にわたって受け継がれてきた家族の伝統。 その象徴である焼酎リチャー樽に、あらためて光を当てました。
DOUBLE DISTILLERYは、嘉之助と日置―ふたつの蒸溜所の原酒と、多様な樽の個性を融合させたブレンデッドウイスキーです。
2025LIMITED EDITIONでは、嘉之助蒸溜所のモルト原酒のみならず、日置蒸溜蔵のポットスチル原酒をも焼酎リチャー樽で熟成。
日本初の樽貯蔵焼酎「メローコヅル」に使われた樽をはじめ、焼酎リチャー樽は、KANOSUKEならではの味わいを形づくる存在です。
本ブレンドでは、シェリー樽で熟成させたシングルモルト原酒を、さらに焼酎リチャー樽で仕上げ、キーモルトとして採用。
そこに、ラムカスク熟成原酒をエッセンスとして加えることで、香りに立体感を与えました。
これらの原酒を丁寧にブレンドすることで、幾重にも重なる豊かなメローの調和が引き出され、温かみのある和のスパイスに包まれた、奥行きある味わいが生まれました。
このジャパニーズブレンデッドウイスキーの新たな進化は、 それぞれの蒸溜所を率いる兄弟の物語であり、祖父の夢と焼酎の伝統を受け継ぐ、挑戦の一杯です。

TASTING NOTE

豊かなメローの調和。幾重にも重なり、和のスパイスが寄り添う
完熟の洋梨、ドライアプリコットのメローな甘やかさと、クリーミーな風味が奥行きを添える。
和のスパイスが静かに広がり、古木を想わせる余韻が続く。

COLOUR
べっこう色
AROMA
ドライアプリコット、梅コンポート、カヌレ、カスタードクリーム、ニッキ
PALATE
完熟の洋梨、すりおろしりんご、白桃、レーズン、生姜、クレームブリュレ
FINISH
塩キャラメル、古木の余韻がゆったりと続く

引用:嘉之助蒸溜所公式HP

2-1.テイスティングノート

香り 梅ジャム、クリームドーナッツ、シナモンロール
味わい 桃、塩クラッカー、マーマレードジャムトースト
余韻 酒精と塩味が強く現れ、香ばしさと甘さが長く残る

2-2.商品スペック

アルコール度数 59%
酒別 ブレンデッドジャパニーズウイスキー
樽種 焼酎リチャー樽・シェリー樽、ラム樽など
内容量 700ml
販売本数
希望小売価格 18,700円(税込)
発売日 2024年9月25日

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.定価とネット上の価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 嘉之助 DOUBLE DISTILLERY 2025 LIMITED EDITION
容量 700ml
希望小売価格 18,700円(税込)

4-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、定価と同じ金額で出品されています。(※2025/9/30時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格 

ヤフーオークションでの落札価格は、定価での出品が確認できました(※2025/9/30時点)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon 

Amazonなどの通販サイトでは、定価での販売が確認できました(※2025/9/30時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯45ml:4,950円、30ml:3,300円、15ml:1,650円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.嘉之助蒸溜所について

嘉之助蒸溜所は2017年に操業を開始。
鹿児島県の西岸、吹上浜沿いの約9,000㎡の広々とした敷地に建っており各施設が点在します。コの字形2階建ての本棟には蒸留設備のほか、眺めのいいバーやオリジナルグッズの揃うショップなどを設け、訪れた方々に身近にウイスキーづくりを体感いただける蒸留所になっています。

嘉之助蒸溜所の大きな特徴は3基のポットスチル(蒸留器)を備えていること。それぞれの容量は6000ℓ・3000ℓ・1600ℓ。世界的にみても、クラフト・ディスティラリー(小規模蒸留所)では2基が一般的です。ウイスキーは通常2度の蒸留を行いますが、嘉之助蒸溜所では2回目の蒸留(再留)の際にネックの形状や上部のラインアームの角度の異なるポットスチルを使用することで、原酒の香りや味わいに変化を持たせた原酒の作り分けを実現しています。

嘉之助蒸溜所
「嘉之助蒸溜所」の記事一覧です。

6.日置蒸溜蔵について

所在地 〒899-3101鹿児島県日置市日吉町日置3309
操業開始 1883年

もともとは、日置八幡神社のお神酒造りから始まり、本格焼酎を蒸留していました。現在ではリキュール、スピリッツ、ウイスキーの製造販売を行っています。代表銘柄は芋焼酎「小鶴」シリーズ。

中でも「メローコヅル」はシングルモルト嘉之助でリチャーして使用されるなど、独自の製法、独自のノウハウがあります。これを再度樽の内側を焼き直して使用しているのが、現在の嘉之助のウイスキーに使用されている【焼酎リチャー樽】です。

蒸留器は焼酎に使われるステンレス製のストレート縦型の蒸留器。

画像出展:嘉之助蒸溜所公式HP

日置で作られるウイスキーは「グレーンウイスキー」ですが、通常グレーンウイスキーで使用される連続式蒸留器とは異なります。

日置では単式蒸留器で減圧蒸留を行うことで、蒸留度数を抑えながら蒸留。それにより原料由来の味わいがしっかり残る力強い酒質になります。

長く焼酎製造を営んできた小正酒造ならではの、まさに「ジャパニーズポットスチル」

7.最後に

定番品とは言えども、嘉之助蒸溜所の生産量はそれほど多いわけでもないので、店頭などでは入手がしずらい状況が続くかもしれません。

嘉之助の2023年リミテッドを想起させる、嘉之助の甘さと塩味のあるピーテッド。
価格1万円程のピーテッドシングルモルトは国内でもかなり限られるので、気になる方はぜひ、購入を検討してみてください。

その他の嘉之助製品はコチラもご覧ください。

【レビュー】嘉之助 DOUBLE DISTILLERY
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.51 2025年8月号

【巻頭特集】
スコッチ蒸留所名鑑 第2弾 ペルノリカール[前編]」
フランスのペルノリカール社が所有するモルト蒸留所について解説し。今号では計6つの蒸留所を掲載。
【特集】
「国家級中国威士忌最新事情 ダイキン編」
土屋守編集長が中国を訪れ、目覚ましい成長を遂げるチャイニーズウイスキー最新事情をリポート。
「韓国ウイスキー」
モルトウイスキー蒸留所が相次いで誕生している韓国を訪問。
【特別対談】
7年ぶりに誕生した新定番 ジョニーウォーカー ブラックルビー
土屋守×金子亜矢人ベンツェ氏
【イベントリポート】
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2025 受賞結果

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
土地それぞれの風土から様々な味わいが作り出される日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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