【レビュー】イチローズモルト 秩父 ダブルディスティラリー

ウィスキーレビュー
秩父蒸溜所(イチローズモルト)

ついにリニューアルのイチローズモルトDD。秩父の第一蒸溜所と第二蒸溜所原酒を使用したイチローズモルト。

以前のダブルディスティラリーは過去の羽生蒸溜所の原酒を使用していました。ですが、イチローズモルト秩父第二蒸溜所が稼働し、すでにシングルモルトもリリース。
第一蒸溜所とは多くの点で異なっており、なかでも製造規模は約5倍と、クラフトウイスキー蒸留所の中でもかなり生産能力を誇ります。

そんな二つの蒸溜所の原酒を使った新たなダブルディスティラリー、どのような味わいでしょうか?

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1.ボトルとラベルの写真

イチローズモルト 秩父 ダブルディスティラリー
Ichiro’s Malt Chichibu Double Distillery 

2.イチローズモルト 秩父 ダブルディスティラリー

2008年から操業を開始した秩父蒸溜所と、2019年に誕生した第2蒸溜所。異なる個性を湛える二つの原酒が織りなす、唯一無二のブレンデッドモルトウイスキーです。透明感のあるフルーティーさと、やさしく続く心地よい余韻。時間とともに変化する深く繊細なフレーバーを、じっくりとお愉しみください。

引用:ラベル裏面記載

2-1.テイスティングノート

香り 白桃キャンディ、生姜糖、シナモン、バニラエッセンス
味わい ジューシーな桃、わたあめ、フロランタン、甘いスパイス
余韻 コクのある甘さが清涼感を伴って長く残る

2-2.商品スペック

アルコール度数 46%
酒別 ブレンデッドジャパニーズウイスキー
樽種 非公開
内容量 700ml
販売本数 不明
希望小売価格 8,800円(税込)
発売日 2025年11月18日

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.定価とネット上の価格

4-1.メーカー希望小売価格

 

商品名 イチローズモルト秩父 ON THE WAY
容量 700ml
希望小売価格 11,000円(税込)

4-2.メルカリでの転売価格 

メルカリでの転売価格は32,000円での出品がありました。(※2025/11/18時点)

メルカリでの転売価格は45,000円~50,000円前後となっています。(※2024/7/23時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格 

ヤフーオークションは、現在出品確認できませんでした。(※2025/11/18時点)

ヤフーオークションでの落札価格、確認できていません。オークションは現在は最安35,000円~最高43,500円(※2024/7/23時点)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon 

Amazonなどの通販サイトでは、販売確認できませんでした。(※2025/11/18時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯45ml:2,310円、 30ml:1,540円、15ml:770円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.株式会社ベンチャーウイスキーとは?

会社名 株式会社ベンチャーウイスキー
設立 2004年
本社所在地 〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
所有蒸留所 秩父蒸溜所、秩父第二蒸溜所

6.秩父蒸溜所とは?

蒸溜所名 秩父蒸溜所
所在地 〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
操業開始 2007年

秩父の風土に根ざしたシングルモルトウイスキー造りが行われています。
創業者の肥土伊知郎氏はジャパニーズウイスキーであることに誇りを持ち、小さなミル、マッシュタン、ミズナラ製の発酵槽、スコットランド・フォーサイス社製のポットスチルで手づくりに拘りモルトウイスキーを生産しています。

秩父蒸溜所周辺は自然豊かで空気がきれいで質の良い水、夏は高温多湿で朝晩が氷点下にいたる寒さの厳しい環境です。その厳しい気候が織りなす寒暖差がウイスキーの熟成に多大な影響を与え、短い熟成期間にも関わらずフルーティでバランスの取れたウイスキーに仕上がります。

2004年9月創業。
2007年に秩父蒸溜所が完成。
2008年2月、ウイスキー作りの免許が交付され秩父蒸溜所でウイスキー作りを開始。
2019年10月、第2蒸溜所の稼働開始。

1973年設立のサントリー白州蒸溜所・キリン富士御殿場蒸溜所の次に設立された蒸溜所。まさにウイスキー低迷期の終焉とも言えるこの時期に実に日本国内35年ぶりの蒸溜所設立となる。
年間のウイスキー生産量はスコットランド・グレンリベット蒸溜所のわずか2日分。

2019年秋から稼働している第2蒸溜所の生産量は第1蒸溜所のなんと5倍。一度に仕込む麦芽は2t。ポットスチルは5倍の量を蒸溜できるよう形は同じストレート型だがかなり大きなポットスチルになっている。フォーサイス社製でガス直火蒸溜機を使用。

7.秩父蒸第二蒸溜所とは?

蒸溜所名 秩父第二蒸溜所
所在地 〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘79
操業開始 2019年

名品が多いと言われている『スコッチの1950年代~1960年の味わい』を求め”ウイスキー造りの原点回帰”をテーマにより多くの方に届けられるように、生産数を5倍に。
造りのこだわりはそのままに、生産量、仕込み量、ポットスチルの大きさ、その全てにおいて第一蒸溜所よりもスケールアップされています。製造量だけでみても5倍を誇ります。

”ウイスキー造りの原点回帰”をテーマに、複雑で力強い香味が引き出されるガス直火蒸留を採用。
生み出されるニューポットは、プロダクションチーフ第2蒸留所スチルマン 門間麻菜美氏によると、第1よりもぬめっとした重さを感じるそう。
スチルを直火にすることで重さを失わずフルーティーさを保っています。
第1蒸溜所よりも、更にヘビーさを前面に押し出した酒質が作られています。
発酵槽は第1蒸溜所は世界初のミズナラ樽発酵槽に対し、第2蒸溜所はタランソー社製のフレンチオークの巨大な発酵槽を採用。

秩父蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

秩父蒸溜所(イチローズモルト)
「秩父蒸溜所(イチローズモルト)」の記事一覧です。

7.まとめ

イチローズモルトを生んだベンチャーウイスキーは、昨年で創業20周年という大きな節目を迎えました。
常に前を向き、「挑戦」をし続けています。
第二蒸溜所のシングルモルト発売、そして新たなダブルディスティラリーが発売し、まもなく苫小牧蒸溜所が稼働を開始します。20年を経てもなお、新たな風を吹き込み続ける国内屈指の蒸溜所となりました。

そして、新たなダブルディスティラリーは、単なる新商品ではなく、過去の味わいを受け継ぎながらも、今のベンチャーウイスキーだからこそ表現できる最高のものに仕上がっていると感じます。

「イチローズモルト」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】イチローズモルト&グレーン 20th Anniver...
イチローズモルト&グレーン 20th Anniversary Edition。日本国内だけでなく、海外からも高い評価を受けている日本のクラフトウイスキーの正に代表。㈱ベンチャーウイスキーが創業20周年を記念ボトルともいえる製品。価格は18,150円(税込)。
【レビュー】イチローズモルト 秩父 ディスティラリーⅡ
ついに発売となった一般販売向けの秩父第二蒸溜所原酒を使用したイチローズモルト。第一蒸溜所との違いと合わせて紹介。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.52 2025年10月号

【巻頭特集】
日本のクラフト蒸留所最前線2025
計画段階も含めるとついに130ヵ所近くになった国内クラフト蒸留所から、今回は7ヵ所をピックアップ。
ベンチャーウイスキーの苫小牧グレーンウイスキー蒸留所のほか、ガロア初公開となる蒸留所も紹介。
●掲載蒸留所
玉野アセンド蒸留所/高藏蒸留所/伊勢蒸留所/泉州蒸溜所/久住蒸溜所/サワマチ蒸溜所/馬追蒸溜所/苫小牧蒸溜所

サントリーの伝統が息づく「工房」へ

The Tasting 話題の30本
飲んで謎解き!? 土屋守の今、飲むべきボトル

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

 

この記事を書いた人
大石 竜平

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
土地それぞれの風土から様々な味わいが作り出される日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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