福岡県朝倉市の蒸溜所『新道蒸溜所』より、コアシリーズの三作目が登場。商品レビューと共に紹介。
江戸時代より続く福岡県の老舗酒造『篠崎』。同社が2021年8月に稼働を開始したのが『新道蒸溜所』です。
今回紹介するコアシリーズはその名の通りコアで深いテーマを持ってこだわりを注いだ、ウイスキーファンへ向けた新道蒸留所の挑戦の軌跡です。
1.ボトルとラベルの写真
SHINDO EXPERIMENTAL FOR CORES.03




2.SHINDO EXPERIMENTAL FOR CORES.03の特徴

1.「EXPERIMENTAL FOR CORES」について
私たちの理念である「THE QUEST FOR THE ORIGINAL(独創性の追求)」にもとづき、あくまでも挑戦者として現在できる最高のご提案をさせていただこうと2025年に開発したシングルモルト・ジャパニーズウイスキー「SHINDO EXPERIMENTAL 01」。
それをベースに、さらに深いテーマをもってこだわりを注ぎ昇華させたのが「SHINDO EXPERIMENTAL FOR CORES」です。その名のとおり、よりコアなウイスキー愛好家の方々に向けて、私たちならではの挑戦の足跡をお届けします。2.「EXPERIMENTAL FOR CORES.03」について
- 新たな表現の探究
- AWO新樽と向き合う
- 奥深き熟成やヴァッティングの世界
上記3つをテーマに掲げ、「CORES.03」の開発を行いました。当シリーズで大切にしているのは、「ウイスキーをもっと楽しく」という考え方。ウイスキーを通して、新鮮な驚きや喜びを提供することを目指しています。今回開発した第3弾では、EXシリーズ / CORESシリーズでは初めてとなるアメリカンホワイトオーク(以下、AWO)の新樽をキーに据えました。AWO新樽のフレッシュなグリーンさを表現のひとつとして用いることで、ヴァッティングの幅を広げていく。そんな想いを込めています。
AWOはウイスキー熟成用の樽の樹種として比較的に馴染みのあるものです。特にバーボンに使用された後の樽は穏やかな熟成が期待でき、AWO特有のバニラ様の香りを獲得できる樽として重宝されます。ただ私たちは今回、AWOの別の魅力に注目しました。それはテルペン類による、フレッシュな針葉樹のような心地よいグリーンの香りで、ヴァッティングの際の表現の幅がより広がるのではないかと期待したのです。ただ注意が必要なのは、テルペン類(αピネン、カジネン等)は、奥深くのリグニン分解層に存在するバニリンに比して、樹脂層から早々にアルコールに溶出するため、新樽では樽出しのタイミングを見極めなければ過度な木香を有するバランスの崩れた原酒となり、ヴァッティングに際する使い勝手も良くない状態になりがちです。
そのため、バニリンやタンニンの溶出も適度になされ、かつニューメイクに含まれる未熟臭消失のタイミングを待つことが必要となります。当蒸留所でもその時期を見計らっていましたが、3年が経過した頃に変化の兆しが見られました。森の香りを思わせるグリーンな香りとバニラ様の甘い香りのバランスが適度にとれ、DMS由来の未熟な香りが次第におさまっていくのを感じられる段階が来たのです。こうして熟成を待つこと4年。いよいよ、AWO新樽の熟成原酒を使用するに至りました。
ヴァッティングにおいては、AWO新樽熟成ノンピート原酒(4年熟成)24%をはじめ、バーボン樽熟成ピーテッド原酒を36%、(以下はすべてノンピート原酒)シーズニングシェリー樽熟成原酒(4年熟成)14%、バーボン樽12%、ミズナラ新樽6%、オロロソシェリー樽4%、コニャック樽4%で構成。
グリーンなAWO新樽は、やや控えめに抑えたピートと絶妙に掛け合わせることで若さを感じさせないどころか、土や苔のニュアンスを強調し、あたかもスコットランドの深い渓谷や丘陵に佇んでいるような香味を表現。
一方で、少量のミズナラをヴァッティングすることで付与された伽羅を思わせるラクトン由来の香木様の香りや、新道の原酒の甘い香りは味わいに温かみをプラス。馥郁としたバニラ香やシェリー樽の果実味とも相まって、甘やかさを中心にスモーキーさ、華やかさ、ビターな落ち着きを兼ね備えて渾然とまとまり、円熟した味わいとなっています。
単体では爽やかなグリーンさをもったAWO新樽は、私たちに新しい表現の可能性を与えてくれると同時に、使い方次第では苔むしたグリーンさの表現も可能であるという、熟成やヴァッティングの世界における深淵の一端を垣間見るような経験をもたらしました。ヴァッティングにあたっての私たちのこだわりを感じていただきながら、ぜひご賞味ください。
- 引用:新道蒸溜所公式HP
2-1.テイスティングノート
| 香り | 笹の葉、ブドウの皮、キャラメルナッツ、ココヤシの実、燻製バター |
| 味わい | メープルをかけたバニラパンケーキ、チーズ蒸しパン、カルダモンとシナモン |
| 余韻 | どっしりとした甘みを中心に、燻製のニュアンスと温かみのスパイス感が長く続く |
2-2.商品スペック
| アルコール度数 | 50% |
| 酒別 | シングルモルトウイスキー |
| 樽種 | AWO新樽熟成ノンピート原酒(4年熟成)24%、バーボン樽熟成ピーテッド原酒を6%、(以下はすべてノンピート原酒)シーズニングシェリー樽熟成原酒(4年熟成)14%、バーボン樽12%、ミズナラ新樽6%、オロロソシェリー樽4%、コニャック樽4% |
| 内容量 | 700ml |
| 販売本数 | 不明 |
| 希望小売価格 | 13,200円(税込) |
| 発売日 | 2026年9月 |
3.受賞歴
現時点での受賞歴はありません。
4.定価とネット上での価格
4-1.メーカー希望小売価格

| 商品名 | SHINDO EXPERIMENTAL FOR CORES.03 |
| 容量 | 700ml |
| 希望小売価格 | 13,200円(税込) |
4-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、現在確認できませんでした。(※2026/9/16時点)
4-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションは、定価での落札がありました。(※2026/9/16時点)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでも、定価で購入が可能です。 (※2026/9/16時点)
4-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:3,960円、 30ml:2,640円、15ml:1,320円などの少量でも提供しております。

5.メーカー
株式会社 篠崎
| 本社所在地 | 〒838-1303 福岡県朝倉市比良松185番地 |
| 所有蒸留所 | 新道蒸溜所 朝倉蒸溜所 |
6.蒸溜所情報
新道蒸溜所(SHINDO DISTILLERY)
| 所在地 | 838-1303 福岡県朝倉市比良松626-1 |
| 操業開始 | 2021年 |
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福岡県朝倉市に拠点を構える新道蒸溜所は、甘酒「国菊」や麦焼酎をベースとしたリキュール「朝倉」などを手掛けてきた、創業220年以上の老舗蔵元・株式会社篠崎が立ち上げたウイスキー事業です。
蒸溜所は2021年8月に稼働を開始。約5,500坪という広大な敷地を有し、福岡県初のクラフトウイスキー蒸溜所としてウイスキー造りをスタートしました。
その根底にある理念が【THE QUEST FOR THE ORIGINAL】。
単に既存のウイスキーを再現するのではなく、先人たちが築いてきた製法を基礎としながら、独自の技術や発想を組み合わせ、「これからのスタンダードとなるもの」を追求する姿勢が新道蒸溜所の大きな特徴です。
新道蒸溜所を語るうえで、最も重要なのがニューメイクへのこだわり。
発酵から蒸溜までの段階で、どのような香味を持つニューメイクを造るかを非常に重視しています。
実際に新道蒸溜所は、発酵工程に独自の特殊酵母を取り入れ、通常とは異なる酵母設計によって原酒の香味を作り込んでいます。公式には、独自酵母によって「重たく甘い香り(ラクトン香)」をベースに、複数の香味成分を含む重層的な原酒を目指していると説明されています。
現在ではプレス酵母と特殊酵母を使い分け、その上で作り分けたニューメイクの時点でバッティングを行い、そこから樽詰めを行うという設計をしており、他蒸溜所には無いで特徴的な造りを行っています。
SHINDO LAB.の名の通り、実験的で研究的、新道ながらも王道。まさに新たなジャパニーズウイスキーともいえる蒸溜所です。
新道蒸溜所の詳細はこちらの記事もご覧ください。

7.まとめ
名前の通り、何ともコアなウイスキーファンに向けた一本と言いますか、単純に「美味しいウイスキー」というだけではなく、その背景にある原酒や樽、ヴァッティングまで含めて楽しみたいボトルです。
特に印象的なのは、キーとなるAWO新樽。新樽ならではのグリーンな香りを単純に前面へ押し出すのではなく、様々な樽の原酒を組み合わせることで、新道蒸溜所らしいラクトン由来の甘く厚みのある味わいを残しています。
テイスティングをしながらそれぞれの香味を探していく、探求心をくすぐられるウイスキーでもあります。
まだ熟成の若い原酒を中心としたジャパニーズウイスキーだからこそできる実験と、4年間という熟成期間を経て見えてきた新たな可能性。
その両方を一杯の中で楽しめる、まさに新道蒸溜所らしい実験的なシングルモルトです。
新道蒸溜所(SHINDO LAB.)のそのほかの製品はコチラ↓


最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.57 2026年8月号
「スコッチ蒸留所名鑑」第7弾。
[巻頭特集]
ウイスキーの原点、シングルモルト蒸留所の現在地を知る――
スコッチ蒸留所名鑑 第7弾 イアンマクロード/アンガスダンディ
ボトラーズ出身の2社が所有する6蒸留所を一挙紹介!
グレンゴイン/タムドゥー/ローズバンク/ラーガンベイ
トミントール/グレンカダム
[第2特集]
スコッチウイスキー最前線2026 第1弾
アバフェルディ/ポート・オブ・リース/グレンギリー/ケアン
[特集]
◆東京ウイスキー&スピリッツコンペティション 2026 受賞結果
◆ハイボール缶大試飲会 2026夏
◆新たなリミテッドシリーズが始動 「竹鶴ピュアモルト エッセンシャルズ 2026」
◆シーバスリーガル×日本が切り拓く新境地
◆マスター・オブ・ウイスキーの肖像
[イベントリポート]
◆Whisky&Spirits Festival 2026 in YOKOHAMA
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。







