【レビュー】イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション2024

ウィスキーレビュー
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秩父蒸溜所(イチローズモルト)

イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション2024。ベンチャーウイスキー、秩父蒸溜所より発売。特徴や価格を解説。

「リミテッドエディション2024」は限定500本製造され、価格は1本税込で242,000円。飲食店を中心に出荷されている様子です。

イチローズモルト」は埼玉県秩父市にある「ベンチャーウイスキー」からリリースされているウイスキー。「イチローズモルト」は店頭に並べば即日売り切れてしまうほどの人気で入手困難なウイスキーですが、定番品といえるリーフシリーズミズナラウッドリザーブワインウッドリザーブダブルディスティラリーズ)が絶大な人気でウイスキーファンを虜にしています。

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1.株式会社ベンチャーウイスキーとは?

イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション2024を製造している会社は「株式会社ベンチャーウイスキー」。

会社名株式会社ベンチャーウイスキー
設立2004年
本社所在地〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
所有蒸留所秩父蒸溜所、秩父第二蒸溜所

2.秩父蒸溜所、羽生蒸溜所、川崎蒸溜所とは?

秩父蒸溜所羽生蒸溜所のモルト原酒、かつて存在していた川崎蒸溜所のグレーン原酒のみがブレンドされています。

イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション2024を製造している蒸溜所は、埼玉県秩父市に位置する「秩父蒸溜所」。

蒸溜所名秩父蒸溜所
所在地〒368-0067 埼玉県秩父市みどりが丘49
操業開始2007年

秩父の風土に根ざしたシングルモルトウイスキー造りが行われています。

創業者の肥土伊知郎氏はジャパニーズウイスキーであることに誇りを持ち、小さなミル、マッシュタン、ミズナラ製の発酵槽、スコットランド・フォーサイス社製のポットスチルで手づくりに拘りモルトウイスキーを生産しています。

秩父蒸溜所周辺は自然豊かで空気がきれいで質の良い水、夏は高温多湿で朝晩が氷点下にいたる寒さの厳しい環境です。その厳しい気候が織りなす寒暖差がウイスキーの熟成に多大な影響を与え、短い熟成期間にも関わらずフルーティでバランスの取れたウイスキーに仕上がります。

2004年9月創業。
2007年に秩父蒸溜所が完成。
2008年2月、ウイスキー作りの免許が交付され秩父蒸溜所でウイスキー作りを開始。
2019年10月、第2蒸留所の稼働開始。

1973年設立のサントリー白州蒸溜所キリン富士御殿場蒸溜所の次に設立された蒸留所。まさにウイスキー低迷期の終焉とも言えるこの時期に実に日本国内35年ぶりの蒸留所設立となる。
年間のウイスキー生産量はスコットランド・グレンリベット蒸留所のわずか2日分。

2019年秋から稼働している第2蒸留所の生産量は第1蒸留所のなんと5倍。一度に仕込む麦芽は2t。ポットスチルは5倍の量を蒸留できるよう形は同じストレート型だがかなり大きなポットスチルになっている。フォーサイス社製でガス直火蒸留機を使用。

秩父蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

秩父蒸溜所(イチローズモルト) | ジャパニーズウイスキーディ...
Japanese Whisky Dictionary

羽生蒸溜所

所在地埼玉県羽生市西4-1-11
操業開始1946年~2004年10月(稼働は2000年まで)

1946年東亜酒造が現在の埼玉県秩父市に当たる地で肥土(あくと)酒造本家として創業。
日本酒の製造を開始。
1941年現在の埼玉県羽生市に当たる地に拠点を移し会社設立。
1946年ウイスキー製造免許を取得。
1948年ウイスキー「ゴールデンホース」の製造開始
2000年羽生蒸溜所の稼働停止(ウイスキー原酒の製造停止)

2000年を最後に蒸留を停止し、熟成中の樽はベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏に引き継がれた。羽生蒸溜所の原酒は、引き継がれた肥土氏によって『イチローズモルト』というブランド名を与えられ、限定品ながらも辛うじて入手できる閉鎖蒸留所原酒のひとつとなった。

川崎蒸溜所

所在地神奈川県川崎市川崎区鈴木町3-1
操業開始1935年~2003年

1934年 昭和酒造株式会社設立
1935年 川崎工場操業開始
1942年 昭和農産化工株式会社に改称
1947年 川崎工場でウイスキーの製造開始「サンラック・ウイスキー(Sun Luck Whisky)」販売
当時はまだ原酒製造は行っていなかったため原酒を購入してブレンドしたものを販売していた。

1949年 三楽酒造株式会社と改称
1958年 ウイスキー生産増強を図りモルトウイスキーの原酒の製造を開始
1962年 オーシャン株式会社と合併し三楽オーシャン株式会社となる
1969年 川崎工場でグレーンウイスキーの原酒の製造を開始
1980年 川崎工場にグレーンウイスキーの貯蔵庫建設
1985年 三楽株式会社に社名変更
1990年 メルシャン株式会社に社名変更
2003年 川崎工場の生産機能が終了。工場閉鎖となる
2007年 キリンホールディングスの事業会社となり、キリングループとなる

現在は埼玉県にあるベンチャーウイスキーの秩父蒸溜所で当時の川崎工場の原酒を保管。2009年に三楽オーシャン時代の川崎工場で蒸留した原酒を使ったウイスキーで、シングルグレーン川崎の「1982カワサキ」「1981カワサキ」「1976カワサキ」を発売していた。
今現在でどれほどの原酒が残っているのかは不明。

3.ボトルの写真と購入できるサイト

イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション2024
Ichiro’s Malt&Grain Blended Japanese Whisky Limited Edition 2024

限定500本の1本イチローズモルト モルト&グレーン ジャパニーズ ブレンデッド ウイスキー リミテッド エディション2020 700ml 1本
ノーブランド品

4.イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション2024の特徴

2008年に製造を開始した秩父蒸溜所では、現在7つの貯蔵庫でウイスキーの熟成をおこなっています。それらの中からブレンドで力を発揮するものをキーモルトとして、本品は秩父で熟成された個性豊かな国産の原酒のみをバランスよくブレンドしました。
黒糖のような重みのある甘さに溶け込む爽やかな酸味、熟成庫の記憶を孕んだ樽香は、余韻となって口の中でいつまでも心地よく続きます。原酒そのままの個性を楽しんでいただくために、ノンチルフィルター、ナチュラルカラーでボトリングしました。日本が生んだモルトとグレーン、時間が育んだブレンデッドジャパニーズウイスキーを是非存分にお愉しみください。

引用;商品背面ラベルより

2008年設立の秩父蒸溜所と、前身の旧羽生蒸溜所で造られたモルトウイスキー、さらに川崎蒸溜所で約40年前にとうもろこしなどを原料に造られたグレーンウイスキーと、それぞれ個性の強い原酒を使用。熟成に使用した樽もバーボン樽やシェリー樽など複数を使い分けたブレンデッドジャパニーズウイスキーです。

4-1.テイスティングノート

香りメイプルシロップ、ドライフルーツ、ハーブのような爽やかさ
味わいなめらかな舌触り、シリアルの香ばしさ、黒蜜やバニラの濃厚な甘さとピートフレーバー
余韻清涼感ある樽香、オイリーさとモルティな甘さが複雑に重なり合い、長い余韻が続く

4-2.商品スペック

アルコール度数48%
酒別ブレンデッドジャパニーズウイスキー
樽種バーボン樽、シェリー樽ほか
内容量700ml
販売本数限定500本
希望小売価格242,000円(税込)
発売日2024年3月

5.受賞歴

現時点では、受賞歴はありません。

6.定価とネット上の価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名イチローズモルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション2024
容量700ml
希望小売価格242,000円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

現時点でメルカリでの出品は無いようです。(※2024/3/29時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

現時点でヤフーオークションでの出品は無いようです。(※2024/3/29時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、過去のジャパニーズブレンデッドリミテッドエディションの出品が確認できました。2022年のブレンデッドジャパニーズリミテッドエディションで、Amazonで400,000円で販売されています。 (※2024/3/29時点)

限定500本の1本イチローズモルト モルト&グレーン ジャパニーズ ブレンデッド ウイスキー リミテッド エディション2020 700ml 1本
ノーブランド品

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:69,300円30ml:46,200円、15ml:23,100円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

限定500本と超レアなウイスキーですが、BAR新海では各店でご用意しております。2021年、2022年、2023年の商品もご用意しています。

羽生蒸溜所のモルト原酒、川崎蒸溜所のグレーン原酒のブレンドもいつまで続けられるのかわかりません。
超貴重なウイスキーです。是非この機会にこの貴重なジャパニーズウイスキーをお楽しみください。

「イチローズモルト」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】イチローズモルト秩父レッドワインカスク2023
イチローズモルト秩父レッドワインカスク2023は、秩父蒸溜所より2023年9月1日発売。16,500円(税込)。赤ワインカスク特有のタンニン感に、フルーティかつ、しっかりとしたスパイシーさも感じられ長い余韻に包まれます。
【レビュー】イチローズモルト 秩父10年 ザ・ファーストテン
イチローズモルト 秩父10年 ザ・ファーストテン 、初の年数表記のウイスキーがリリース。バーボン系の樽の風味とイチローズモルトの原酒の風味をしっかりと感じます。2020年11月発売。19,800円(税込)
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.44 2024年6月号

【巻頭特集】
ジャパニーズウイスキー、次の100年。【第2弾】
日本のグレーンウイスキー蒸留所
日本独自のグレーンウイスキー造りの可能性を検証。大手3社を含め、18の蒸留所のグレーンウイスキー造りについて紹介します。また、富士御殿場蒸溜所でブレンダーを務める竹重元気氏と土屋守編集長の特別対談もお届けします。

【第2特集】
沖縄 泡盛・ウイスキー紀行 & 宮古島 スピリッツ・泡盛紀行
沖縄本島および宮古島を巡り、個性的な蒸留酒造りを紹介します。

【編集長インタビュー】
サントリーが見据えるジンの未来予想図 その展望と戦略
ポール・ジョン 海辺の気候風土をまとったインド産シングルモルト

【企画】
マスター・オブ・ウイスキーの肖像
史上最多の合格者4名一挙インタビュー。それぞれの素顔に迫ります。

日本のクラフト蒸留所最前線 阿波乃蒸溜所
徳島県阿波市の吉野川沿いに誕生した、四国初のクラフトウイスキー蒸留所を取材。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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ジャパニーズウイスキーディクショナリー
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