3月1日にサントリーの海外ウイスキーが値上げとなったのは記憶に新しいところですが、いよいよサントリー「角瓶」をはじめ国産ウイスキー4ブランドが7月1日出荷分より値上げとなる事が発表されました。
1.実施日
2023年7月1日(土)出荷分から価格改定を実施
2.背景
サントリーは今回の価格改定の背景として下記のポイントを示しています。
- 原材料、資材、輸送費等のコストアップ
- さらなる安定供給に向けた貯蔵庫の増設
近年、ウイスキー市場が国内外で拡大を続ける中、当社は高品質な商品を安定的に提供するため、生産性の向上や物流合理化、生産設備増強に向けた積極的な設備投資など、さまざまな企業努力を行ってきました。
しかし、近年の原材料、資材、輸送費等のコストアップ影響を企業努力だけで吸収することは極めて厳しい状況となっています。加えて、さらなる安定提供に向けた取り組みとして、新たに貯蔵庫を増設します。このため、今回価格改定を実施します。
3.対象ブランド
今回の価格改定の対象となるブランドは、下記の4ブランド
- 角瓶
- オールド
- スペシャルリザーブ
- ローヤル
4.主な商品と価格
4-1.サントリーウイスキー 角瓶 700ml/瓶
〇希望小売価格
旧価格 | 1,590円(税別) |
新価格 | 1,910円(税別) |
価格改定率 | 20% |
4-2.サントリー オールド 700ml/瓶
〇希望小売価格
旧価格 | 1,880円 (税別) |
新価格 | 2,250円(税別) |
価格改定率 | 20% |
4-3.サントリー スペシャルリザーブ 700ml/瓶
〇希望小売価格
旧価格 | 2,580円(税別) |
新価格 | 3,000円(税別) |
価格改定率 | 16% |
4-4.サントリー ローヤル 700ml/瓶
〇希望小売価格
旧価格 | 3,360円(税別) |
新価格 | 3,900円(税別) |
価格改定率 | 16% |
5.影響と今後の予測
昨年2022年4月に、山崎、白州、響は、角瓶などの4ブランドに先立って価格改定が行われました。その時も、「生産設備の増強など安定供給に向けた取り組みを強化するため」と発表されていました。
5-1.家計と飲食業界への影響
今回の主力4ブランドに関しても、いつかこの日が来るであろうことは予測していましたが、遂に来たというところでしょうか。角瓶やサントリーオールドなどは、サントリーウイスキーの中でも最も日常的に飲まれているウイスキーであり、居酒屋業態や、チェーン店などの飲食店で最も多く取り扱われるウイスキーだと思います。今回の値上げは家計に与える影響だけでなく飲食業界全体にも大きな影響を与えるのではないでしょか。
皆さんが日頃飲食店で飲まれている「角ハイボール」も7月以降は順次値上げされていくのではないかと思います。
そして、角瓶の値上げによって予測されるのは、コンビニやスーパーで販売されている「角ハイボール缶」の価格改定です。いつ頃になるかはわかりませんが、サントリーのハイボール缶の値上げも覚悟しておく必要がありそうです。
5-2.世界における日本のウイスキー価格
また、昨今のウイスキー市場の動向を見ていると、原材料の高騰、資材の高騰、輸送コストの高騰という製造原価の高騰に加え、世界中でウイスキー需要が高まり、日本のウイスキーも海外への輸出高は上がり続けています。
世界的なウイスキーブームの中、日本におけるウイスキーの価格は海外と比較すると、まだまだ安いのが現状です。
5-3.値上げ基調が予測される
世界中でウイスキー需要が高まっている為、日本国内でもウイスキーの値上げ基調はしばらく続きそうで、引き続き段階的な価格改定が実施される可能性は高いと予測されます。
今回、最大手のサントリーが値上げに踏み切ったことにより、他メーカーにおいても価格改定がしやすい状況になったと思います。
ウイスキーを愛飲する消費者としては残念な面はありますが、日本のウイスキーの価格が価値の向上と共に成長していく事は喜ばしい事であり、今後も動向を注視していきたいと思います。