【レビュー】シングルグレーンウイスキー富士

ウィスキーレビュー
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キリン富士御殿場蒸溜所

2020年4月、キリンから新たなフラッグシップブランド「富士」が飲食店向けに販売。コロナ禍において自宅で過ごす時間が増えている中、ウイスキーをより幅広いお客様にゆっくりと味わっていただく事を目的として、2021年2月26日より販売チャネルを拡大し全国の量販店で販売開始。2020年10月からはフランスでもパリを中心に1,500店のキャビステ(フランス特有の対面式の酒専門店)にて発売開始しています。

『富士』という新商品の発表に合わせてロゴも新しくなりました。
「もっと自由にウイスキーを愉しんでほしい」という想いから、「フジ(Fuji)」、「フリーダム(Freedom)」、「ファイネスト(Finest)」という3つの「F」の意味を込めたロゴになっています。
ラベルは白に落ち着いたに淡い“富士”の文字を配置し、英字の商品名(FUJI)を重ねることで奥行きを感じさせ、過度な装飾を除くことで、日本らしい引き算の美を追求しました。瓶底には富士山をかたどり、日本らしさを表現しています。

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1.メーカー

キリンディスティラリー株式会社

設立 1972年8月
本社所在地 〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
所有蒸留所 富士御殿場蒸溜所

2.蒸留所

富士御殿場蒸溜所

所在地 〒412-0003 静岡県御殿場市柴怒田970番地
操業開始 1973年11月

1972年8月 キリンビール株式会社(日本)、JEシーグラム社(米、当時)、シーバースブラザーズ社(英)3社合弁によりキリン・シー      グラム株式会社設立
1973年11月 富士御殿場蒸溜所完成、製造開始
1974年2月 国産ウイスキー「ロバートブラウン」発売
2002年7月 社名を「キリンディスティラリー株式会社」と変更(キリンビール株式会社の100%出資会社化)
2005年9月 国産ウイスキー「キリンウイスキー富士山麓 樽熟50°」「キリンウイスキー富士山麓シングルモルト18年」発売
2016年3月 「キリンウイスキー 富士山麓 ブレンデッド 18年」発売、「キリンウイスキー富士山麓 樽熟原酒50°」発売
2018年8月 「富士山麓 Signature Blend (シグニチャーブレンド)」発売
2020年4月 「キリンシングルグレーンウイスキー富士」発売

富士山のふもとに位置する「キリンディスティラリー(株)富士御殿場蒸溜所」はモルトウイスキーとグレーンウイスキーの仕込みからボトリングまで一貫して行う、世界でも珍しいウイスキー蒸留所です。
豊富な富士の伏流水、冷涼な気候、一年を通して幾度となく発生する霧、恵まれた自然環境の中で、ウイスキーをはじめ、ミネラルウォーターや缶チューハイなど、キリングループの多種多様な製品を製造しています。

2019年2月、将来のさらなるウイスキーの販売数量増加に備えて生産設備を増強、約80億円を投資。
多様なモルトウイスキー原酒を製造するため、小型の発酵タンク4基と蒸留器2系列4基を新設し原酒製造能力を約2倍に、樽熟成庫のリニューアル・大型化等により、樽の保管能力を約2割増強。将来にわたり高品質なウイスキーを安定して供給できる生産体制を目指す。稼働開始時期は2021年6月の予定。

引用元:キリンディスティラリー株式会社公式HP

富士御殿場蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

メーカー(蒸留所) キリン富士御殿場蒸溜所 | ジャパニー...
「キリン富士御殿場蒸溜所」の記事一覧です。

3.商品名と写真

キリン シングルグレーンウイスキー富士
Kirin Single Grain Whisky FUJI

4.特徴

味わいの異なる3種のグレーン原酒をキーグレーンとしたシングルグレーンウイスキー
世界的に評価の高い富士御殿場蒸溜所のグレーンウイスキー原酒のみを使用しており、香味タイプの異なる3種類のグレーン原酒を組み合わせ、それぞれの香味特長を生かした味わいになっている。フルーティーな果実香、オレンジやグレープが感じられる香味が特長のウイスキーです。キリンが培ってきた技術やノウハウと、豊かな森と水に恵まれた富士の大自然の組み合わせから生まれたシングルグレーンウイスキーです。

香味タイプ別に大きく分けて3タイプの原酒をつくり別けています。
1つめは連続式蒸留機マルチカラムによる穏やかな香味のライトタイプのグレーン原酒。
2つめはケトル蒸留器というモルト用ポットスチル蒸溜器と同様のバッチ式蒸留でつくる、芳醇で豊かな香味のミディアムタイプのグレーン原酒。
3つめはバーボン製造用に開発されたダブラー蒸留器による華やかで重厚なスタイルのヘビータイプのグレーン原酒です。
それぞれが豊かな個性やブレンドにおける重要な役割を持っており、味わいの鍵を握るキーグレーンとなっております。

4-1.テイスティングノート

香り ほんのり甘く豊かな樽熟香(洋梨のタルトや焼き菓子、マロングラッセ、上質なブランデー等を想わせる甘く芳ばしい香り)。白ブドウやオレンジピールを想わせる華やかなフルーツ香が立ち上る中に、微かにシナモンや甘草を想わせる芳香も垣間見えます
味わい 口当たりは柔らかく、洋梨やリンゴのコンポート、オレンジ・マーマレード、ラズベリージャム、ビターチョコレートなどの風味が複層的に感じられ、ほのかにライ麦パンやシナモンを想わせるスパイシーさも現れます
余韻

優しくほんのりとした甘さと共に、香木をほのかに感じさせる心地よいウッディ―さやスパイシーさが余韻として心地よく続きます

引用:キリンシングルグレーンウイスキー富士公式HP

4-2.商品スペック

アルコール度数 46%
酒別 グレーン
樽種
内容量 700ml
販売本数
希望小売価格 6,600円(税込)→【2024年9月1日 納品分より価格改定】7,755円(税込)
発売日 2020年4月21日

5.受賞歴

2020年 ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ) ジャパニーズウイスキーカテゴリー「ゴールド」受賞

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格 ※2024年9月1日メーカー納品分より価格改定

商品名 キリン シングルグレーンウイスキー富士
容量 700ml
希望小売価格 6,000円(税込:6,600円)→【2024/9/1納品分より】7,050円(税込:7,755円)

6-2.メルカリでの転売価格 ※2024年9月12日更新

メルカリでの転売価格は、単体での出品は少なく、おおよそ、5,500円〜6,500円前後の価格帯が中心となり入手が可能となっています。ラベルのデザインは、2023年7月製造分から、「白」から「少し赤みがかった色」に変更されました。(※2024/9/12時点)

メルカリでの転売価格は、4,000円~5,000円前後となっています。(※2021/3/3時点)




6-3.ヤフーオークション落札価格 ※2024年9月12日更新

ヤフーオークションにて現在出品中の本体落札価格は、3,500円〜4,500円前後となっているようです。(※2024/9/12時点)

ヤフーオークションでの現在出品中の価格は、最安3,850円、最高5,800円、平均4,508円 (※2021/3/3時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon ※2024年9月12日更新

通販サイトでも、4,725円〜5,300円前後で販売されています。 (※2021/3/22時点)

通販サイトでも、5,000円~6,000円前後で販売されています。 (※2021/3/3時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,320円で提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

本来グレーン原酒は穏やかでウイスキー全体の味を整えていく「サイレントスピリッツ」と呼ばれています。
しかし、このシングルグレーンウイスキー富士は、思っていた以上に個性があってしっかりとした味わいになっています。
ストレートだと香りは甘さが強く、熟した濃厚な果実香が特長です。味わいはややスパイシーさが前面にきますが、ビターチョコレートの甘さやトーストのような香ばしさも感じ取れます。
加水するとより華やかになりフルーティさ全開に、青りんごや洋梨の爽やかさとオレンジピールなどの酸味とのバランスの良い香りに変化。味わいもはちみつのようなまろやかさに変化し、焼き菓子のような甘さと香ばしさを感じ取れます。
ロックだとフルーティな甘さは若干閉じてしまいますが、ビターな感じは残りつつも樽香も感じ取れて美味しいです。

オススメはストレートですが、メーカーが推奨している飲み方はワイングラスに30ml入れて、小さい氷を1片入れるとさわやかなフルーツ香とともに、やわらかな味わいが感じられ、その後、複層的な香りに変化してより愉しめる。とコメントされています。

いままでグレーンウイスキーにあまり興味がなかった人や、ウイスキー初心者の方には是非飲んでいただきたいウイスキーです。
グレーンウイスキーでもこんなにも個性があるのかと驚くことになるかもしれません。

■キリンに関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】富士山麓 シグニチャーブレンド
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【レビュー】富士山麓 樽熟原酒50°
うまみ溶け込むアルコール度数50°一般的にウイスキーはアルコール度数60度以上で樽詰めされ、熟成、ブレンドされた後、びん詰め時に製品のアルコール度数まで加水されます。この時にアルコール度数が急激に下がることで溶け込んでいた香味成分が溶けきれなくなり析出してしまいます。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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