【レビュー】シングルモルト余市

ウィスキーレビュー
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ニッカウヰスキー余市蒸溜所
余市蒸溜所でなければつくれないモルトウイスキーを探求し、新しく組み立てられた「シングルモルト余市」。
2015年9月1日発売。核となっているのはストレートヘッド型ボットスチルと石炭直火蒸留ならではの重厚さと香ばしさです。

レビューにも余す事なく余市ウイスキーの魅力について書かせて頂いておりますが、作り手のこだわり、熱い思い、幾重にも積み重なった試行錯誤がダイレクトに伝わってくる素晴らしいウイスキーです。
様々な創意工夫の中から生み出される、こだわり抜いた傑作ウイスキーは価格以上の価値があるのではないかと感じるところです。

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0.最新更新情報

2024年8月8日更新

メーカーホームページでも〈やむを得ず〉と掲示されておりましたが、原料やエネルギー価格の高騰は企業努力だけでは、どうしても受け切れない荒波となっているのだと我々も感じているところであります。
最新のメーカー希望小売価格が税抜きで「7,000円(2024年4月1日から)」と改定になりました。

商品名 旧価格 新価格
シングルモルト余市 4,500円(税別) 7,000円(税別)

2022年6月16日更新

2022年10月1日のニッカウヰスキー価格改定に伴い、シングルモルト余市のメーカー希望小売価格が下記の通り改定となりました。

商品名 旧価格 新価格
シングルモルト余市 4,200円(税別) 4,500円(税別)
【2022年10月1日】ニッカウイスキー値上げ
アサヒビールは2022年10月1日の出荷分から一部商品の値上げを発表。ウイスキーは10品目が値上げとなり,ジャパニーズウイスキーは「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」などが対象。「ブラックニッカ」などスタンダード価格帯の商品は対象外。

1.ボトルとラベルの写真

シングルモルト余市
Single Malt Yoichi

2.シングルモルト余市の特徴

重厚な力強さ、ピートと潮の香り。凝縮された、余市モルトの本質

ヘビーピートタイプの原酒が力強く主張し、新樽モルトとシェリー樽モルトによってしっかりとしたボディ感とウッディな樽の風味が加えられていて、ピートの香りとソルティさを感じる個性的なシングルモルトです。
グラスに鼻孔を近づけると、まずは麦芽の香り。トーストを思わせる麦が焦げたような香りは、世界でも珍しい石炭直火蒸留で加熱したもろみの匂い。またバナナやマンゴーを思わせるフルーティーな香りは、ニッカが使用する特別な酵母由来のもの。年数制限を取り払ったことから、円熟味にプラスして若い原酒の力強さも組み合わさっている。口に含むと、香りでは決して前面に出てこなかったピート、スモーク、潮の香りが力強く主張を始める。鼻孔に昇ってくるヘビーピート原酒の香りは、まさに余市ならではの重厚な味わい。軽い渋味や苦味もあるが、オーク樽からくる甘みが口いっぱいに広がって穏やかに持続し、余韻は極めてスモーキーである。

2-1.テイスティングノート

香り やわらかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実香の調和。穏やかで心地よいピート感
味わい オークの甘さとしっかりとしたピートの味わい。麦芽の香ばしさとオレンジのような果実の調和
余韻 あたたかなオークの甘さとスモーキーさがゆっくりと持続する

2-2.商品スペック

アルコール度数 45%
酒別 シングルモルトウイスキー
樽種
内容量 700ml
販売本数
希望小売価格 7,700円(税込)
発売日 2015年9月1日

3.受賞歴

2017 ISC 金賞

4.価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 シングルモルト余市
容量 700ml
希望小売価格 4,500円(税込:4,950円)※2022年10月1日改定価格
7,000円(税込:7,700円)※2024年4月1日改定価格

4-2.メルカリでの転売価格 ※2024年8月28日更新

最新のメルカリでの転売価格は、7,500円〜10,000円前後となっています。

メルカリでの転売価格は、5,000円前後となっています。(※2022/6/21時点)


4-3.ヤフーオークション落札価格 ※2024年8月28日更新

最新のヤフーオークションでの落札価格は、 6,980円〜8,000円前後で取引されているようです。(※2024/8/28時点)

メーカー希望小売価格の改定後(2024年4月改定)、送料込みでも定価とさほど変わらない価格帯で入手できるようです。

ヤフーオークションでの落札価格は、最安2,900円、最高5,500円、平均4,137円 (※2022/6/21時点より過去180日間の統計情報)

4-4.B楽天、ヤフーショッピング、Amazon  ※2024年8月28日更新

最新のリサーチでは、通販サイトでも、7,480円~8,000円前後で販売されています。 (※2024/8/28時点)

日々、刻々と流動的に価格も変化していく昨今のジャパニーズウイスキー。リサーチを行なった時点では、本体価格、消費税、配送料を合わせての総額が、定価を下回ってしまう商品も見つけました。しかし、需要に供給が追いつかない状況が高まると、一気に価格高騰してしまう可能性もあります。ジャパニーズウイスキーの人気が高まるのは愛好家にとって、非常に嬉しいことではありますが、同時に品薄で入手困難になってしまうことは、とても悩ましい限りです。

通販サイトでも、5,300円~6,000円前後で販売されています。 (※2022/6/21時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、 45ml:2310円、30ml:1540円、15ml:770円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.メーカーについて

ニッカウヰスキー株式会社

設立 1934年(昭和9年)
本社所在地 〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所 余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

6.蒸留所について

余市蒸溜所

所在地 〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始 1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「ストレートヘッド型ポットスチル」と石炭直火蒸留です。それにより重厚で香ばしいヘビーピートの原酒が出来上がり、ピートの香りとソルティさを感じる個性的なシングルモルトが出来上がります。 竹鶴自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

■シングルモルトウイスキー「余市」。元祖日本ウイスキーの味わいとは。も是非ご覧ください。

個性派ウイスキー「余市」ウイスキーの父が手がけたシングルモルト
強い個性を持ったシングルモルト「余市」。 同じく人気のジャパニーズウイスキー「山崎」や「白州」とはまた違った特徴を持ち、多くのファンを集めていますが、近年人気により品薄になっています。 「余市」の歴史

■シングルモルト余市のその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】シングルモルト余市 アップルブランデーウッドフィニッ...
ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝と妻リタの結婚100周年、2020年3月24日発売。余市アップルブランデーウッドフィニッシュ。限定6,700本。アップルブランデーを28年以上熟成させていた樽で約6か月間さらに熟成。甘い芳香で豊かな香り。香ばしくも芳醇な甘さと余市のピートのコクが調和した味わい。
【レビュー】シングルモルト余市 マンサニーリャウッドフィニッシュ
シングルモルト余市を50年間熟成させたマンサニーリャ樽でさらに熟成させフルーティーな甘さとコク香ばしいピートが調和した味わいで冷却ろ過を行わずにボトリング。限定4000本のみ販売され。現在オークション等で価格高騰しているが、生産数が少ない為、高値でも見つけること自体が困難となっている

7.まとめ

かなりピートが効いているので初心者の方がストレートで飲むとキツイと感じるかもしれません。しかし、慣れてしまうとハーフロックやハイボールなどで美味しくいただけるウイスキーとなってます。もちろんストレートでもOK。
余市らしい薫香や甘さも残っているため、余市らしさを味わうことも十分にできるのも面白い個性的なウイスキーです。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

 

この記事を書いた人
新海 博之

1981年7月17日 北海道北広島市出身
大学卒業後、NTTデータカスタマサービス㈱へ新卒入社。
2010年「麻布十番BAR新海」を開業 → 2016年、名物「薬膳カレー」を開発 → 2018年「虎ノ門BAR新海」、2019年には「芝大門BAR新海」を開業 → 2020年 ウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」をスタート。
バーテンダーの私達だから出来る事として、ジャパニーズウイスキーの魅力を日々発信する。

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