【レビュー】THE AKKESHIST 厚岸二十四節気スピンオフ クロードウイスキーPB

ウィスキーレビュー
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厚岸蒸溜所

THE AKKESHIST 厚岸二十四節気スピンオフ クロードウイスキーPB。堅展実業株式会社、厚岸蒸溜所より新発売。特徴や価格を解説。

厚岸蒸溜所から新商品、岐阜県に店舗を構えるクラフトウイスキー専門店「CLAUDE WHISKY」のプライベートボトルとしてリリース。厚岸のPB(プライベートボトル)としては前代未聞の二十四節気スピンオフ版でのリリースとなります。

「AKKESHIST(アッケシスト)」それは厚岸ウイスキーの熱狂的ファンを指し、ウイスキーのみならず、厚岸町の自然や食べ物、テロワールの魅力に引き込まれ虜になってしまった人たちの総称です。

今回のキーモルトはオール北海道ウイスキー(北海道産麦芽、厚岸蒸留、北海道産ミズナラ樽熟成原酒)で、立崎チーフブレンダーによる綿密な風味設計がなされ、複数の樽をヴァッティングされたプレミアムボトル。総ボトリング数は200本。

「CLAUDE WHISKY」は本物のクラフトウイスキーを届けたいという想いを胸に2017年10月に日本初のジャパニーズクラフトウイスキー専門店としてオープン。店主の井上祐伺氏が厳選し原酒の出自が不明なものや、敢えて明かさずジャパニーズウイスキーを装い消費者の誤認を誘うようなメーカーの製品は扱わない。など「本物」のみを取り扱うその拘りは類を見ません。
そのような熱い思いと拘りを持った店主、井上祐伺氏が思う「ジャパニーズウイスキーの世界観」。非常に興味深い内容になっておりますので一読されてみてはいかがでしょうか。

ジャパニーズウイスキーへの思い
当店オーナー井上祐伺(いのうえゆうじ)のジャパニーズウイスキーに対する思いや、ジャパニーズウイスキーの定義、取り扱い基準についてご案内しています。
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1.堅展実業株式会社とは?

THE AKKESHIST 厚岸二十四節気スピンオフ クロードウイスキーPBを製造している会社は「堅展実業株式会社」は「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いから、2016年に厚岸蒸溜所の稼働を開始しました。

会社名堅展実業株式会社
設立1982年
本社所在地〒100-0011 東京都千代田区内幸町1丁目1-1 帝国ホテル東京内
所有蒸留所厚岸蒸溜所

2.厚岸蒸溜所とは?

THE AKKESHIST 厚岸二十四節気スピンオフ クロードウイスキーPBを製造している蒸溜所は、北海道の厚岸町に位置する「厚岸蒸溜所」。

蒸留所名厚岸蒸溜所
所在地〒088-1124 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2
操業開始2016年10月

2015年 蒸溜所建設を開始
2016年 10月蒸溜開始
2017年 第2熟成庫完成
2018年 2月厚岸蒸溜所として初商品リリース。第3熟成庫完成
2020年 2月初のシングルモルトウイスキーをリリース。
            4月第4熟成庫完成。
     10月二十四節季シリーズ第一弾リリース。
2021年 「北海道HACCP」認証を取得。
2021年 精麦棟の新設(稼働は2022年)
2022年 自社モルティングの試験運用開始。
2023年 第5熟成庫完成。

潮気を含んだ深い霧、清澄な空気、豊富な泥炭。北海道・厚岸の風土こそ、私たちの求める未知なるジャパニーズウイスキーの風味をつくり出してくれると信じ、2016年に蒸留を開始しました。
アイラ島のウイスキー造りと同様、泥炭(ピート)層を通った水を仕込み水に用い、冷涼で湿潤、そして海風が当たる場所「厚岸」で日々熟成が進んでいます。
厚岸周辺はウイスキーの風味づけに欠かせないピートが豊富に埋蔵されており、海・山・湿原などの変化に富んだ地形によって、ピートを採取する場所ごとに異なるフレーバーが期待できます。

「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いのもと、設備はスコットランドのフォーサイス社製のものを導入。施工はすべてフォーサイス社の職人が来日して実施。ポットスチルの形状はストレートヘッドのオニオンシェイプで、アイラ島のいくつかの蒸留所のものと似ています。加熱はラジエーター方式、付属するコンデンサーはシェル&チューブ式でマッシュタンはセミロイター式です。
発酵槽(ウォッシュバック)はステンレスで、あえて温度調整はできないタイプに。自然に任せながら、クラフトマンが発酵のタイミングを見極めます。

2つのダンネージ式の熟成庫に加え、2018年2月厚岸湾のすぐ側に革新的なラック式の第3熟成庫が完成。2020年4月には厚岸湾を望む丘の上にラック式の第4熟成庫が完成。空気中を漂う海の香りがウイスキーの特性に良い影響を与えることが期待できます。2023年には第4熟成庫横にラック式の第5熟成庫が完成。

熟成樽はバーボン、シェリーに加え、入手困難な「ミズナラ」も使用。さらにワインやラム樽とのマッチングなど、あらゆる可能性に挑戦しています。
また、ウイスキーの原料となる大麦を厚岸内で栽培し、ピートや熟成のための木樽も含めてすべて厚岸産でおこない、将来的には「厚岸オールスター」のウイスキー造りを目指しています。新たな取組みで2021年8月、厚岸蒸溜所で蒸留した原酒を試験的に富良野で熟成させるという取組みも始まりました。富良野で熟成された原酒はどのような変化をもたらしてくれるのか。地元の厚岸のみならず「北海道」という偉大な個性を活かす、これこそまさにテロワール。ワイン通の人は良く耳にしてきたであろう「テロワール」の考えをウイスキーに取り入れ、「厚岸という個性」と「北海道という個性」を融合し、それらの土地のテロワールを活かしたウイスキー造りは魅力的であり期待値は無限大です。

厚岸町周辺の厚岸湖別寒辺牛湿原はラムサール条約の登録湿地です。ラムサール条約とは、1971年2月2日にイランのラムサールで採択された湿地に関する条約で、水鳥をはじめとする野生動物の生息地となっている湿地を、国際的な協力のもと保全および賢明に利用することを目的としています。
当社もこの豊かな自然を守り、共存していく蒸留所を目指しています。
ウイスキーに使用する上水の取水口は、蒸留所のそばを流れる尾幌川上流のホマカイ川。その周辺は湿原地帯で、清流にしか生息しないといわれるバイカモの生息地です。夏季に咲く小さな白い花は豊かな水のシンボル。この水が厚岸のウイスキーを育みます。

引用元:厚岸蒸溜所公式HP

厚岸蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

厚岸蒸溜所の記事一覧 | ジャパニーズウイスキーディクショナリ...
Japanese Whisky Dictionary

3.ボトルの写真と購入できるサイト

THE AKKESHIST 厚岸二十四節気スピンオフ クロードウイスキーPB
THE AKKESHIST Akkeshi 24 Solar Terms Spin-off Claude Whisky PB

4.THE AKKESHIST 厚岸二十四節気スピンオフ クロードウイスキーPBの特徴

「AKKESHIST(アッケシスト)」とは、厚岸町の山海の幸やテロワールの魅力に引き込まれた厚岸ウイスキーの熱狂的ファンのことで、今回のリリースは日頃から厚岸蒸溜所を応援して下さるそのアッケシストの皆様への感謝の気持ちにより実現した商品となります。

<チーフブレンダー立崎氏 作成イメージ>
柊の葉脈・・・細い管ではありますがしっかりと繋がる様はアッケシスト一人一人と厚岸蒸溜所のスタッフ一人一人と繋がりを想起させます。

キーモルト:オール北海道ウイスキー(北海道産麦芽、厚岸蒸留、北海道産ミズナラ樽熟成原酒)
ミディアムピーテッド

クリエイティブディレクターの尾谷憲一氏による、二十四節季の春の季節を総括したデザインが採用。
ラベルのみならず化粧箱もオリジナル制作され、二十四節季シリーズ14作目の「立春」と近しいデザインでありながら遊び心あるデザインとなっています。

4-1.テイスティングノート

立崎チーフブレンダーによるテイスティングノート

香りオレンジ色の柑橘、カリントウ、缶詰のフルーツポンチ、たなびくようなシガーの香り
味わいオレンジとレモンの飴、スパイシーな生姜湯
余韻柑橘様の甘さ、塩飴、奥に切り立ての青肉メロン

4-2.商品スペック

アルコール度数53%
酒別シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種北海道産ミズナラ樽ほか数種
内容量700ml
販売本数限定200本
希望小売価格23,100円(税込)
発売日2024年3月下旬

5.受賞歴

現時点では、受賞歴はありません。

6.定価とネット上の価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名THE AKKESHIST 厚岸二十四節気スピンオフ クロードウイスキーPB
容量700ml
希望小売価格23,100円(税込)

6-2.メルカリでの転売価格

現時点でメルカリでの出品は無いようです。(※2024/4/2時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

現時点でヤフーオークションでの出品は無いようです。(※2024/4/2時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

現時点で各通販サイトでの出品は無いようです。(※2024/4/2時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:6,270円30ml:4,180円、15ml:2,090円などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

本製品は限定200本と超貴重なウイスキーです。
アッケシストの皆さんは必見ですが、香り味わいは非常にエレガントで華やか、上品な甘さの奥に微かに感じるピートがとても心地よいウイスキーで、今までの厚岸ウイスキーとは一線を画す出来栄えに仕上がっています。ウイスキー愛好家の方に是非飲んで頂きたい1本です。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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