2022年ウイスキー製造開始、2025年販売を目指す、鹿児島県霧島市の黄金酒造が所有する「横川蒸留所ウイスキー工場(以下、横川蒸留所)」は、増設資金、および製造するウイスキーのクオリティ向上の為の社員研修費用を募るために、クラウドファンディングを実施。リターン品として黄金酒造の焼酎セット、ニューボーンの交換権利などのほか、200名で1組の1口カスクオーナー、オクタヴ樽、バレル樽のカスクオーナー権利を入手できます。
横川蒸留所公式HPでも、商品紹介にてカスクオーナーの案内があります。
1.樽の種類と金額
ノンピートタイプの原酒から、50Lと200Lの2種から選択できます。樽種は現在公開されていませんが、シェリー樽もしくはワイン樽かと思われます。
1-1.1口オーナー
容量 | 700ml |
価格 | クラウドファンディングのみ 10,000円 |
エンジェルズシェア | 年間5%~(見込み) |
樽詰め | 2022年4月予定 |
瓶詰め | 2025年秋頃予定 |
備考 | ・1樽を200名でオーナーになっていただきます。 ・お申込み1口につき700ml瓶1本をカスクストレングスにてボトリングします。 ・蒸留日、瓶詰め日、アルコール度数、シリアルナンバーなどの表記がされた特別なラベルでのお届けになります。 |
1-2.オクタヴ樽
容量 | 50L |
価格 | クラウドファンディング 300,000円、600,000円 公式予約 300,000円 |
エンジェルズシェア | 年間5%~(見込み) |
樽詰め | 2022年秋頃予定 |
瓶詰め | 樽詰め日から3~4年後 |
瓶詰め費用 (公式HPより) | 消費税 30,000円 ~ボトル1本500mlとして~ 瓶詰め作業費 400円 酒税 300円 1本あたりの配送料 100円 |
1-3.バレル樽
容量 | クラウドファンディング 200L 公式予約 180~250L |
価格 | クラウドファンディング 1,500,000円、3,000,000円 公式予約 900,000円~1,250,000円 |
エンジェルズシェア | 年間5%~(見込み) |
樽詰め | 2022年秋頃予定 |
瓶詰め | 樽詰め日から3~4年後 |
瓶詰め費用 (公式HPより) | 消費税 900,000円~1,250,000円 ~ボトル1本500mlとして~ 瓶詰め作業費 400円 酒税 300円 1本あたりの配送料 100円 |
エンジェルズシェアとは?
ウイスキーの熟成に置いて必ず発生するのが、寒暖差や湿度の変化などによって、熟成中に樽の中のウイスキーの水分やアルコール分が蒸発して、内容量が年々減っていきます。これをエンジェルズシェア(天使のわけまえ)と呼び、熟成には欠かせない要素です。
スコットランドでは年間2%と言われていますが、鹿児島では最低でも年間5%を超える見込みとのことです。
2.樽詰め、瓶詰め、配送
上記にも記載しましたが、熟成に用いる樽種については明記されておりません。
しかし、横川蒸留所では欧州大手ワイナリーと提携予定の為、シェリーやワイン樽での熟成になるのではないかと思われます。
また、樽詰めの時期の指定も不可となっております。
1口オーナーでは、特別ラベルでのお届けとの記載がありましたが、その他のカスクオーナーについての記載はありませんでした。
瓶詰め時の立会いに関しての情報はまだ公開されておりませんが、工場見学は行っているそうです。
3.その他リターン品
クラウドファンディングのリターン品は、カスクオーナーの他にも、黄金酒造の製品やニューボーンなどがありますので、その一部をご紹介します。
金額 | 内容 |
1,000円 | ・感謝のメール ・工場見学にお越しの際限定、焼酎に見ボトル交換券 |
3,000円 | ・麦焼酎「麦の呼吸」720ml ・芋焼酎「芋の呼吸」720ml のセット |
5,000円 | ・ウイスキーニューボーン300ml交換権利 |
10,000円 | ・仕込み始めた原酒を3年間熟成させたウイスキー700mlの交換権利 |
50,000円 | ・ウイスキーニューボーン1,800ml交換権利 ・特性ミニ樽1,500mlサイズ ご自宅などで熟成を楽しめるセット。 |
など。ほかにもユニークなリターン品があります。
クラウドファンディングの詳細、支援は以下からご覧ください。
(支援にはREADYFORのログインが必要になります。)
■横川蒸留所の詳細は、こちらもご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号
【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー
【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス
【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。
【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。
【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。