シングルモルト駒ヶ岳2024エディション。本坊酒造マルスウイスキーより新発売。特徴や価格、購入方法を解説。
2024年3月1日より、マルス信州蒸留所は、マルス駒ヶ岳蒸溜所に名称変更されました。
実は、私も前からそうした方が良いのになとずっと思っていたのですが、その思いが伝わったのか(笑)は、わかりませんが、「シングルモルトウイスキーブランド「駒ヶ岳」との統一性を図る目的」での名称変更との事でした。
「駒ヶ岳蒸溜所」、とってもしっくりくる名称です。
という事で、名称変更後の「シングルモルト駒ヶ岳」が2024年8月末にリリースされましたので、早速紹介して参ります。
今回は、生産本数非公開となっておりますが、昨年同等5万本前後は流通していると想像しています。価格は毎年少しずつ高くなってきており、今回も案の定ちょい上げとなります。その分、品質は年々向上していると感じますので、味わう価値は十分にあると思います。
1.ボトルとラベルの写真
シングルモルト駒ヶ岳2024エディション
Single Malt Komagatake 2024 Edition
2.シングルモルト駒ヶ岳2024エディションの特徴
「シングルモルト駒ヶ岳」は、良質な水と豊かな自然に囲まれた中央アルプス山系駒ヶ岳の麓に位置するマルス駒ヶ岳蒸溜所で造られています。
「2024エディション」は、バーボンバレルで熟成した原酒をベースに個性豊かなシェリーカスク、ワインカスク原酒をはじめとした様々な原酒をヴァッティングした2024年限定瓶詰のシングルモルトウイスキーです。
2-1.テイスティングノート
香り | アップルティー、青りんご、バニラ、蜂蜜 |
味わい | 熟した柿、酸味のある果実、しっとりした焼き菓子 |
余韻 | 芳醇で香ばしい甘さと、爽やかでフレッシュな余韻 |
2-2.商品スペック
アルコール度数 | 50% |
酒別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
樽種 | バーボンバレル、シェリー、ワイン カスク 他 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | – |
希望小売価格 | 9,020円(税込) |
発売日 | 2024年8月下旬 |
3.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
4.定価とネット上の価格
4-1.メーカー希望小売価格
商品名 | シングルモルト駒ヶ岳2024エディション |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 9,020円(税込) |
4-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、2024/8/31時点ではまだ1品しか出品が無く、10,000円となっています。(※2024/8/31時点)
9月以降、出品数が増えていくと思われますので、引き続き情報更新していきます。
4-3.ヤフーオークション落札価格
現在ヤフーオークションでの出品は無いようです。(※2024/8/31時点)
少し時期をおいてから情報収集したいと思います。
4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
楽天市場などの通販サイトでは、定価の9,020円で販売されています。 (※2024/8/31時点)
シングルモルト駒ヶ岳は、例年と同等の生産本数であれば5万本以上流通しているはずである為、現在のところ定価での入手が可能です。
4-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:2970円、30ml:1980円、15ml:990円で提供しております。
5.本坊酒造株式会社とは?
シングルモルト駒ヶ岳2023エディションを製造している「本坊酒造株式会社」は、焼酎をメインに製造している鹿児島県の会社。ウイスキー製造免許を1949年に取得するなど、ウイスキーの歴史も長い。
会社名 | 本坊酒造株式会社 |
設立 | 1872年 |
本社所在地 | 〒891-0122; 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地 |
所有蒸留所 | マルス信州蒸溜所、マルス津貫蒸溜所 |
6.駒ヶ岳蒸溜所とは?
シングルモルト駒ヶ岳2023エディションを製造している蒸溜所は、長野県の宮田村に位置する「駒ヶ岳蒸溜所」
蒸留所名 | 駒ヶ岳蒸溜所 |
所在地 | 〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村4752-31 |
操業開始 | 1985年 |
鹿児島の地で日本の蒸留酒「焼酎」造りに邁進していた本坊酒造が、ウイスキー製造免許を取得したのが1949年。それ以来、「いつか日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りたい」と夢を抱き続けていました。
鹿児島でのウイスキー製造から数年経た後、1960年に山梨にワインとウイスキー製造のための工場「マルス山梨ワイナリー」を設立。そして、本格的にウイスキー造りに取り組むために、さらなる理想の地を探し求めました。
澄んだ空気の寒冷地であり、しかも適度な湿度と良質な水に恵まれていることなど、ウイスキー造りのための自然条件は大変厳しいものがあります。
こうした条件を満たす土地を探し求め、1985年ウイスキー造りに最適な環境を求めて長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地にマルス信州蒸溜所を開設致しました。
1992年にウイスキー需要低迷により蒸留を休止。その後、世界的にジャパニーズウイスキーが評価されはじめる中、ウイスキー需要が回復傾向にあった2009年に蒸留再開を決意し2011年2月より再スタート。
2020年9月、35年ぶりの全面リニューアル。投資額は約12億円。
2019年5月から、老朽化した設備の改修とウイスキー増産を見据えた樽貯蔵庫施設の整備やウイスキー造りの見学を目的にしたウイスキー蒸留棟(樽貯蔵庫を含む)と、オリジナルウイスキーやグッズ販売などを目的にビジター棟を新設。
既存の設備及び施設を改修し、新設したウイスキー蒸留棟は1,996㎡(延床面積、約2,500樽収容予定の樽貯蔵庫含む)、ビジター棟は746㎡。
2024年3月1日より、シングルモルトウイスキーブランド「駒ヶ岳」との統一性を図る事を目的に、蒸溜所名を「マルス信州蒸留所」から「マルス駒ヶ岳蒸溜所」へ変更。
引用:本坊酒造公式HP
■製造能力:原料麦芽1.1t/日
■原酒製造量:約700L/日、約185KL/年(2020年度予定)
■主要な設備:麦芽粉砕機1基、マッシュタンロイテル(糖化槽)6KL×1基、ステンレス発酵タンク6KL×3基、ダグラスファー木槽発酵タンク(移設)6KL×3基、初溜釜(移設)
駒ヶ岳蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。
■「シングルモルト駒ヶ岳」に関するその他の記事も是非ご覧ください。
7.まとめ
昨年の「シングルモルト駒ヶ岳2023エディション」では、バーボン樽主体にシェリー樽、ポートワイン樽が使用されていましたが、今年はバーボン樽、シェリー樽、そしてワイン樽と、構成が少し変わっています。
恐らく、酒齢は3~5年くらいであろうと思いますが、使用する樽の構成が変わるだけで、香りも味も結構変わってきます。是非飲み比べてこの違いを愉しんで頂けたらと思います。
本坊酒造は、駒ヶ岳蒸溜所以外にも、鹿児島県に津貫蒸溜所も運営しています。津貫蒸溜所では、「年々原酒の質が高くなってきている。」と製造責任者から聞いた事があります。
毎年リリースされる「シングルモルト駒ヶ岳」をテイスティングすると、駒ヶ岳蒸溜所も年々進化していると感じます。ウイスキー製造という毎日のルーティーンの中でも、もっと美味しくするための努力を積み重ねてきた結果である事は間違いありません。
私達消費者でありバーテンダーとしては、美味しいウイスキーを製造してくれる作り手の方々へのリスペクトは決して欠かせてはなりません。今日も作り手の皆さんに感謝しつつ、乾杯!
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。