【レビュー】マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク 『ルーミスシジミ』

ウィスキーレビュー
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本坊酒造津貫蒸溜所

本坊酒造よりパピヨンシリーズ。マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク『ルーミスシジミ』、特徴や価格、購入方法を解説。

蝶の絵をモチーフにしたラベルで、ウイスキー愛好家なら知っている方も多いかと思います。「マルスモルト ル パピヨン」シリーズ。これまでたくさんの種類がリリースされ、把握するのも難しくなってきています。

今回は、パピヨンシリーズ第17弾、マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク「ルーミスシジミ」(2024年7月発売)がリリースされました。

マルスウイスキーの中では、比較的高価格帯のウイスキーになりますが、使用している樽の種類や熟成環境、熟成年数、そして希少性からすると、むしろコストパフォーマンスが高いと感じられます。
本記事では、過去のシリーズも含め、今回の「ルーミスシジミ」の魅力を存分にお伝え出来ればと思います。

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1.ボトルとラベルの写真

マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク『ルーミスシジミ』
MARS MALT Le Papillon Triple Cask A.ganesa 

   

マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク ルーミスシジミ 700ml 55% 限定578本 箱付 未開栓 本坊酒造 シングルモルト ウイスキー
ノーブランド品

2.ル・パピヨン ルーミスシジミの特徴

今作はパピヨンシリーズ第17弾となり、2017年と2018年にマルス津貫蒸溜所で蒸溜された原酒をバーボン樽にて熟成。カスク番号から、津貫の樽を2つ、駒ヶ岳の樽を1つを使用していると思われます。

「マルスモルト ル・パピヨン」は、ウイスキーの熟成環境を形成する日本の四季折々の気候風土、その自然環境の素晴らしさを、日本に生息する蝶をモチーフに表現したシリーズです。
小型で稀少な蝶「ルーミスシジミ」がテーマの本商品は、薄暗い照葉樹林の中で輝くエキゾチックなブルーの翅をイメージして、マルス津貫蒸溜所で蒸留し、バーボンバレルで熟成させた3樽をヴァッティングした、トリプルカスク・シングルモルトウイスキーの逸品です。

<ルーミスシジミ>「日本を代表する屈指の珍蝶・・ルーミスシジミ。発見者であるアメリカ人ルーミス氏に由来する名前で、少年時代から憧れの蝶だった。初めての出会いは、高校二年の8月末。南房総の照葉樹林帯の昼なお暗い枯れ沢を探索した。谷底は歩き辛く、サウナ風呂状態で流れる汗が目に染みて視界が度々霞む。ふと足元を見ると数頭のヤマビルがズボンを這いあがってくる。おぞましさに耐えながら、ようやく憧れの蝶に出会えた瞬間は忘れがたい。薄暗い照葉樹林の中で輝くエキゾチックなブルーの翅をイメージして、マルス津貫蒸溜所で蒸留し、バーボンバレルで熟成したモルト原酒3樽を選びヴァッティングした、トリプルカスク・シングル モルトウイスキー。」ラベル写真・文「荻野秀一」氏。

引用:マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク ルーミスシジミ | ジャパニーズウイスキー | 本坊酒造 公式サイト (hombo.co.jp)

2-1.テイスティングノート

香り サツマイモ・甘栗などのどっしりとした甘い香り、南の柑橘類、奥にハッカ
味わい 干し芋、ラムネのような酸味、少しの潮気とミント
余韻 酸味と香ばしさを感じるが、素朴な甘みが特に長く残る

2-2.商品スペック

アルコール度数 55%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 バーボンバレル
内容量 700ml
販売本数 578本
希望小売価格 15,400円(税込)
発売日 2024年7月

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク『ルーミスシジミ』
容量 700ml
希望小売価格 税込:15,400円

4₋2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売は、33,000円程となっています。※2024/7/25時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでは、35,000円で出品がありました。※2024/7/25時点)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトででは、現在出品されていません。※2024/7/25時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,620円 30ml:3,080円、15ml:1,540円  などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.マルスモルト ル・パピヨンシリーズについて

「マルスモルト ル・パピヨン」シリーズは、ウイスキーの熟成環境を形成する日本の四季折々の気候風土、その自然環境の素晴らしさを、日本に生息する蝶をモチーフに表現したシリーズです。

No 商品名 カスク ボトリング数 価格(税込)
第1弾 オオルリシジミ アメリカンホワイトオーク 599本 10,450円
第2弾 アオスジアゲハ バーボン樽 215本 9,900円
第3弾 ミヤマシロチョウ アメリカンホワイトオーク 585本 9,900円
第4弾 ツマベニチョウ バーボン樽 182本 12,100円
第5弾 ミヤマカラスアゲハ
※【WWA 金賞】
アメリカンホワイトオーク 560本 11,000円
第6弾 イシガケチョウ  シェリー樽 464本 11,000円
第7弾 ギフチョウ アメリカンホワイトオーク 576本 13,200円
第8弾 ヤクシマルリシジミ バーボン樽 469本 12,100円
第9弾 クモマツマキチョウ シェリーバット 643本 12,100円
第10弾 クジャクチョウ
※【WWACategory Winner
シェリーバット 635本 12,100円
第11弾 モンキアゲハ バーボンバレル 433本 11,000円
第12弾 マルスモルト ル・パピヨン 小松孝英 エディション アメリカンホワイトオーク 365本 297,000円
第13弾 アイノミドリシジミ 梅酒樽 567本 13,200円
第14弾 ヒメシロチョウ バーボンサクラヘッドカスク 567本 12,100円
第15弾 ミヤマシジミ シェリーカスク 818本 14,300円 
第16弾 ナガサキアゲハ シェリーカスク 621本 15,400円
第17弾 ルーミスシジミ バーボンバレル 578本 15,400円

こちらのシリーズすべてがシングルカスクもしくはダブルカスクなどの少量でボトリングされているので、毎回限定本数はとても少なく、希少性の高いジャパニーズウイスキーのひとつです。

商品詳細と過去シリーズはコチラ

6.マルス津貫蒸溜所について

マルス津貫蒸溜所

所在地 〒899-3611 鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
操業開始 2016年

南さつま市加世田津貫。ここ薩摩半島南西の緑溢れる山あいの中に佇む、本土最南端のウイスキー蒸留所「マルス津貫蒸溜所」

薩摩半島南西部に位置する津貫は、万之瀬川支流の加世田川に沿って長くのびている盆地にあります。東を蔵多山(475m)、西を長屋山(513m)の山々に囲まれ、地形が盆地状のため、夏は暑く、冬の寒さは、南薩摩にあっては、ことのほか厳しい地域です。
良質な水資源(蔵多山湧水)もあり”天の恵み”といっていいほどの自然環境を有し、山の傾斜地を有効に利用したみかん栽培も盛んで、”津貫みかん”として知られています。
温暖な気候と良質な水資源に恵まれる津貫は、本坊酒造発祥の地。薩摩を代表する特産物「さつま芋」を使って焼酎造りを始めてから百有余年、この土地の水と気候風土を知り抜き、酒造りの伝統を今に伝える津貫の地で、ウイスキー造りに取り組んでいます。
引用:マルス津貫蒸溜所公式HP

■本坊酒造・パピヨンシリーズに関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】マルスモルト ル パピヨン アイノミドリシジミ
ル パピヨン アイノミドリシジミ は、本坊酒造より2022年9月2日発売。13,200円(税込)。ノンピーテッドでクセも無く、梅酒樽熟成の味わいが存分に愉しめるウイスキー。甘み・酸味・渋みどれも感じ取れる味わいに仕上がっています。
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「マルスモルト ル・パピヨン」は、ウイスキーの熟成環境を形成する日本の四季折々の気候風土、その自然環境の素晴らしさを、日本に生息する蝶をモチーフに表現したシリーズです。今作は第11弾となり、シリーズ初のマルス津貫蒸留所で蒸留されたモルト原酒を使用。
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パピヨンダブルカスクヒメシロチョウは、本坊酒造より2023年3月28日発売、12,100円(税込)。マルス信州蒸溜所で2015年12月に蒸留。鏡板に桜材を使った樽とバーボン樽で熟成した2樽をヴァッティング2022年2月にボトリング。

7.まとめ

今回のパピヨンシリーズは津貫バーボンバレル、シリーズ初のトリプルカスクとなりました。6年~7年ほどの原酒が使用されており、津貫蒸溜原酒も気候の暖かさも相まって、かなり熟成が進んでいることが感じられる一本です。
初めに一覧を掲載していますが、ボトリング数の少なさから、パピヨンシリーズは転売価格もかなり高騰していて、過去の商品も現在10万円以上で取引(メルカリ・ヤフオク)されているものもあるようです。

今後も続いていくシリーズですので、次回作にも注目です。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
自身の知識の少なかった日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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