【レビュー】マルスモルト ル・パピヨン ダブルカスク『ミヤマシジミ』

ウィスキーレビュー
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本坊酒造駒ヶ岳蒸溜所

マルスモルト ル・パピヨン ダブルカスク『ミヤマシジミ』、特徴や価格、購入方法を解説。

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1.マルスモルト ル・パピヨンシリーズについて

「マルスモルト ル・パピヨン」シリーズは、ウイスキーの熟成環境を形成する日本の四季折々の気候風土、その自然環境の素晴らしさを、日本に生息する蝶をモチーフに表現したシリーズです。
今作はパピヨンシリーズ第15弾となり、2015年にマルス信州蒸溜所で蒸留されたシェリー樽熟成モルト原酒2樽を使用。

こちらのシリーズすべてがシングルカスクもしくはダブルカスクでボトリングされているので毎回限定本数はとても少なく、希少性の高いジャパニーズウイスキーのひとつです。

商品詳細と過去シリーズはコチラ

2.マルス信州蒸溜所について

鹿児島の地で日本の蒸留酒「焼酎」造りに邁進していた本坊酒造が、ウイスキー製造免許を取得したのが1949年。それ以来、「いつか日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りたい」と夢を抱き続けていました。
鹿児島でのウイスキー製造から数年経た後、1960年に山梨にワインとウイスキー製造のための工場「マルス山梨ワイナリー」を設立。そして、本格的にウイスキー造りに取り組むために、さらなる理想の地を探し求めました。

澄んだ空気の寒冷地であり、しかも適度な湿度と良質な水に恵まれていることなど、ウイスキー造りのための自然条件は大変厳しいものがあります。
こうした条件を満たす土地を探し求め、1985年ウイスキー造りに最適な環境を求めて長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地にマルス信州蒸溜所を開設。
1992年にウイスキー需要低迷により蒸留を休止。その後、世界的にジャパニーズウイスキーが評価されはじめる中、ウイスキー需要が回復傾向にあった2009年に蒸留再開を決意し2011年2月より再スタート。
2020年9月、35年ぶりの全面リニューアル。投資額は約12億円。

2019年5月から、老朽化した設備の改修とウイスキー増産を見据えた樽貯蔵庫施設の整備やウイスキー造りの見学を目的にしたウイスキー蒸留棟(樽貯蔵庫を含む)と、オリジナルウイスキーやグッズ販売などを目的にビジター棟を新設、既存の設備及び施設を改修。
新設したウイスキー蒸留棟は1,996㎡(延床面積、約2,500樽収容予定の樽貯蔵庫含む)、ビジター棟は746㎡。
引用:本坊酒造公式HP

■製造能力:原料麦芽1.1t/日
■原酒製造量:約700L/日、約185KL/年(2020年度予定)
■主要な設備:麦芽粉砕機1基、マッシュタンロイテル(糖化槽)6KL×1基、ステンレス発酵タンク6KL×3基、ダグラスファー木槽発酵タンク(移設)6KL×3基、初溜釜(移設)

3.商品名と写真

マルスモルト ル・パピヨン ダブルカスク『ミヤマシジミ』

MARS MALT Le Papillon Double Cask P.argyrognomon

4.特徴

本州中部の限られた地域に生息する、シジミチョウ科の蝶「ミヤマシジミ」がテーマの本商品は、青紫色で深山のブルージュエリーにもたとえられる姿をイメージして、シェリー樽で熟成した2樽をヴァッティング。
マルス信州蒸溜所で2016年に蒸留したモルト原酒をナチュラルカスクストレングス、ノンチルフィルターで瓶詰したダブルカスク・シングルモルトウイスキーの逸品です。

「2022年8月、マルス信州蒸溜所が立地する長野県宮田村で絶滅危惧種の蝶「ミヤマシジミ」の生息が確認され、その後の調査で全国的にも最大規模の繁殖地であることが判明しました。本州中部を中心に生息する小型の可憐なシジミチョウで、青紫色の翅で林間を飛翔する姿は深山のブルージュエリーにたとえられます。」このウイスキーは森の中を舞う「ミヤマシジミ」をイメージし、シェリー樽熟成のモルト原酒2樽を選びヴァッティングした、ダブルカスク・シングルモルトウイスキーです。

引用:本坊酒造 公式通販 / マルスモルト ル・パピヨン ダブルカスク <ミヤマシジミ> 

4-1.テイスティングノート

香りマーマレード、レーズン、プディング、甘いスパイス
味わいダークチョコ、プラム、レーズン、シナモン
余韻甘みと酸味が鼻を抜け、スパイシーな余韻が続く

4-2.商品スペック

アルコール度数61%
酒別シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種シェリーカスク(樽番号:3368・3441)
内容量700ml
販売本数818本
希望小売価格14,300円(税込)
発売日2023年11月

 

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名マルスモルト ル・パピヨン ダブルカスク『ミヤマシジミ』
容量700ml
希望小売価格税込:14,300円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売は公式の抽選販売前ですが、64,000円前後となっています。※2023/11/7時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの転売は現在確認されていません。※2023/11/7時点)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、現在確認されていません(※2023/11/07時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,290円 30ml:2,860円、15ml:1,430円  などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

今回のパピヨンシリーズはダブルカスクでのボトリングとなっていてパピヨンシリーズにおいては生産本数も少し多めといえます。

しかし全体でみるとボトリング数の少なさから、パピヨンシリーズは転売価格もかなり高騰していて、過去の商品も現在10万円以上で取引(メルカリ・ヤフオク)されているものが多いです。

前々回は梅酒カスク、前回はサクラヘッドカスク、今回はシェリーカスクバッティング。

今後も続いていくシリーズですので、次回作にも注目です。

■本坊酒造・パピヨンシリーズに関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】マルスモルト ル パピヨン アイノミドリシジミ
ル パピヨン アイノミドリシジミ は、本坊酒造より2022年9月2日発売。13,200円(税込)。ノンピーテッドでクセも無く、梅酒樽熟成の味わいが存分に愉しめるウイスキー。甘み・酸味・渋みどれも感じ取れる味わいに仕上がっています。
【レビュー】マルスモルト ル パピヨン モンキアゲハ
「マルスモルト ル・パピヨン」は、ウイスキーの熟成環境を形成する日本の四季折々の気候風土、その自然環境の素晴らしさを、日本に生息する蝶をモチーフに表現したシリーズです。今作は第11弾となり、シリーズ初のマルス津貫蒸留所で蒸留されたモルト原酒を使用。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

【レビュー】マルスモルト ル パピヨン ダブルカスク ヒメシロチ...
パピヨンダブルカスクヒメシロチョウは、本坊酒造より2023年3月28日発売、12,100円(税込)。マルス信州蒸溜所で2015年12月に蒸留。鏡板に桜材を使った樽とバーボン樽で熟成した2樽をヴァッティング2022年2月にボトリング。
この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
自身の知識の少なかった日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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