【レビュー】マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク『ベニヒカゲ』

ウィスキーレビュー
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本坊酒造駒ヶ岳蒸溜所

本坊酒造より新しいパピヨンシリーズが入荷。マルスモルト・ ル・パピヨン トリプルカスク『ベニヒカゲ』、特徴や価格、購入方法を解説。

蝶の写真の美しいラベルで、ウイスキー愛好家なら知っている方も多いかと思います。
「マルスモルト ル パピヨン」シリーズ。これまでたくさんの種類がリリースされています。

本シリーズは、年に2回、抽選販売により入手のチャンスが訪れる仕組みとなっています。

今回リリースされるトリプルカスクは、717本限定。駒ヶ岳原酒のみを使用し、赤ワインカスクで追熟された原酒3樽から厳選されたウイスキーとなっています。

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1.ボトルとラベルの写真

マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク『ベニヒカゲ』
MARS MALT Le Papillon Triple Cask E.neriene

2.マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク『ベニヒカゲ』の特徴

今作はパピヨンシリーズ第20弾となり、2018年にマルス駒ヶ岳蒸溜所で蒸留した原酒を、熟成し、赤ワインカスクにてフィニッシュした3樽をブレンドした製品。

「マルスモルト ル・パピヨン」は、ウイスキーの熟成環境を形成する日本の四季折々の気候風土、その自然環境の素晴らしさを、日本に生息する蝶をモチーフに表現したシリーズです。
本州では主に標高1,500m以上の草原に生息し長野県では天然記念物に指定されている「ベニヒカゲ」がモチーフ。マルス駒ヶ岳蒸溜所で蒸留し、ワインカスクで熟成したモルト原酒をヴァッティングしたトリプルカスク・シングルモルトウイスキーの逸品です。

<ベニヒカゲ> 長野県の天然記念物に指定されている「高山蝶」のベニヒカゲ。故郷は遠いユーラシア大陸の北方域。大陸と地続きだった最終氷期、日本列島にやって来た。同じ故郷を持つ「夏の高原の花の代名詞」とも云われるヤナギラン。両雄とも信州の標高1500mくらいからのお花畑で姿が見られる。この素敵な同窓達の悠久の時を超えたツーショットが撮りたくて、何度も信州の亜高山帯を訪れた。2018年8月15日、浅間山系の池の平湿原、遊歩道脇に咲くヤナギランを見つけた。・・待つこと約一時間、狙い通りにベニヒカゲがやってきた。2018年マルス駒ヶ岳蒸溜所で蒸留した原酒の中から「悠久の時」を連想させるワインカスクフィニッシュウイスキー。
写真・文 荻野秀一

引用:本坊酒造公式HP

2-1.テイスティングノート

香り カシス、レモングラス、ハーバル、シュトーレン
味わい 軽い口当たりのタンニン、フランボワーズ、はちみつ、
余韻 すっきりとした飲み口で後に引かず、華やかな香りが長く残る

2-2.商品スペック

 
アルコール度数 50%
酒別 シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種 赤ワインカスクフィニッシュ
内容量 700ml
販売本数 717本
希望小売価格 15,400円(税込)
発売日 2025年6月

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 マルスモルト ル・パピヨン トリプルカスク『ベニヒカゲ』
容量 700ml
希望小売価格 税込:15,400円

4₋2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売は、40,000円で取引がありました。※2025/11/4時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでは、35,800円~で出品が確認できました。。※2025/11/4時点)

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトででは、現在出品されていません。※2025/11/4時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:4,620円 30ml:3,080円、15ml:1,540円  などの少量でも提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.マルスモルト ル・パピヨンシリーズについて

「マルスモルト ル・パピヨン」シリーズは、ウイスキーの熟成環境を形成する日本の四季折々の気候風土、その自然環境の素晴らしさを、日本に生息する蝶をモチーフに表現したシリーズです。

No 商品名 カスク ボトリング数 価格(税込)
第1弾 オオルリシジミ アメリカンホワイトオーク 599本 10,450円
第2弾 アオスジアゲハ バーボン樽 215本 9,900円
第3弾 ミヤマシロチョウ アメリカンホワイトオーク 585本 9,900円
第4弾 ツマベニチョウ バーボン樽 182本 12,100円
第5弾 ミヤマカラスアゲハ
※【WWA 金賞】
アメリカンホワイトオーク 560本 11,000円
第6弾 イシガケチョウ  シェリー樽 464本 11,000円
第7弾 ギフチョウ アメリカンホワイトオーク 576本 13,200円
第8弾 ヤクシマルリシジミ バーボン樽 469本 12,100円
第9弾 クモマツマキチョウ シェリーバット 643本 12,100円
第10弾 クジャクチョウ
※【WWACategory Winner
シェリーバット 635本 12,100円
第11弾 モンキアゲハ バーボンバレル 433本 11,000円
第12弾 マルスモルト ル・パピヨン 小松孝英 エディション アメリカンホワイトオーク 365本 297,000円
第13弾 アイノミドリシジミ 梅酒樽 567本 13,200円
第14弾 ヒメシロチョウ バーボンサクラヘッドカスク 567本 12,100円
第15弾 ミヤマシジミ シェリーカスク 818本 14,300円 
第16弾 ナガサキアゲハ シェリーカスク 621本 15,400円
第17弾 ルーミスシジミ バーボンバレル 578本 15,400円
第18弾 ミヤマモンキチョウ バーボンバレル 806本 15,400円
第19弾 ナミアゲハ ポートワイン&マルサラワイン 651本 15,400円
第20弾 ベニヒカゲ 赤ワインカスク 717本 15400円

こちらのシリーズすべてがシングルカスクもしくはダブルカスクなどの少量でボトリングされているので、毎回限定本数はとても少なく、希少性の高いジャパニーズウイスキーのひとつです。

商品詳細と過去シリーズはコチラ

6.メーカー

会社名 本坊酒造株式会社
設立 1872年
本社所在地 〒891-0122; 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地
所有蒸留所 マルス駒ヶ岳蒸溜所

マルス駒ヶ岳蒸溜所

蒸溜所は、長野県の宮田村に位置する「マルス信州蒸溜所」。
2024年3月から名称を【駒ヶ岳蒸溜所】へと変更しております。

所在地 〒399-4301 長野県上伊那郡宮田村4752-31
操業開始 1985年

鹿児島の地で日本の蒸留酒「焼酎」造りに邁進していた本坊酒造が、ウイスキー製造免許を取得したのが1949年。それ以来、「いつか日本の風土を活かした本物のウイスキーを造りたい」と夢を抱き続けていました。
鹿児島でのウイスキー製造から数年経た後、1960年に山梨にワインとウイスキー製造のための工場「マルス山梨ワイナリー」を設立。そして、本格的にウイスキー造りに取り組むために、さらなる理想の地を探し求めました。

澄んだ空気の寒冷地であり、しかも適度な湿度と良質な水に恵まれていることなど、ウイスキー造りのための自然条件は大変厳しいものがあります。
こうした条件を満たす土地を探し求め、1985年ウイスキー造りに最適な環境を求めて長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地にマルス信州蒸溜所を開設致しました。
1992年にウイスキー需要低迷により蒸留を休止。その後、世界的にジャパニーズウイスキーが評価されはじめる中、ウイスキー需要が回復傾向にあった2009年に蒸留再開を決意し2011年2月より再スタート。
2020年9月、35年ぶりの全面リニューアル。投資額は約12億円。

2019年5月から、老朽化した設備の改修とウイスキー増産を見据えた樽貯蔵庫施設の整備やウイスキー造りの見学を目的にしたウイスキー蒸留棟(樽貯蔵庫を含む)と、オリジナルウイスキーやグッズ販売などを目的にビジター棟を新設、既存の設備及び施設を改修。
新設したウイスキー蒸留棟は1,996㎡(延床面積、約2,500樽収容予定の樽貯蔵庫含む)、ビジター棟は746㎡。
引用:本坊酒造公式HP

■製造能力:原料麦芽1.1t/日
■原酒製造量:約700L/日、約185KL/年(2020年度予定)
■主要な設備:麦芽粉砕機1基、マッシュタンロイテル(糖化槽)6KL×1基、ステンレス発酵タンク6KL×3基、ダグラスファー木槽発酵タンク(移設)6KL×3基、初溜釜(移設)

マルス駒ヶ岳蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください

駒ヶ岳蒸溜所
「駒ヶ岳蒸溜所」の記事一覧です。

7.まとめ

グラスに注ぐと、まずふわりと立ち上がるのは海外の菓子を思わせる甘やかな香り。
ドライフルーツやベリー系のアロマが重なり、ワインカスクの影響を感じさせながらも、全体の印象は実に軽やかです。
6年以上の熟成を経ていながら、アルコール度数50%とは思えない滑らかさ。

加水をすると、その華やかさはさらに開きます。ベリーの赤い果実香が一層前に出て、やわらかな甘さと心地よい酸味が広がります。トリプルカスクの複雑さを持ちながらも、全体的にエレガントにまとまった1本です。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.52 2025年10月号

【巻頭特集】
日本のクラフト蒸留所最前線2025
計画段階も含めるとついに130ヵ所近くになった国内クラフト蒸留所から、今回は7ヵ所をピックアップ。
ベンチャーウイスキーの苫小牧グレーンウイスキー蒸留所のほか、ガロア初公開となる蒸留所も紹介。
●掲載蒸留所
玉野アセンド蒸留所/高藏蒸留所/伊勢蒸留所/泉州蒸溜所/久住蒸溜所/サワマチ蒸溜所/馬追蒸溜所/苫小牧蒸溜所

サントリーの伝統が息づく「工房」へ

The Tasting 話題の30本
飲んで謎解き!? 土屋守の今、飲むべきボトル

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
土地それぞれの風土から様々な味わいが作り出される日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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