【レビュー】竹鶴21年ピュアモルト

ウィスキーレビュー
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ニッカウヰスキー余市蒸溜所宮城峡蒸溜所

日本のウイスキーの父、竹鶴政孝の名前を冠したピュアモルトウイスキー。日本が世界に誇るまさに至高のピュアモルトウイスキー。

竹鶴21年ピュアモルト』は、ウイスキーの世界的な品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」において、2007年、2009年、2010年、2011年に「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルト(ピュアモルト)ウイスキー」を受賞し、世界最高のピュアモルトウイスキーとして認定されてきました。
この受賞を記念し、ラベルにWWA受賞商品のみに贈られるロゴマークをデザインした『ニッカ 竹鶴21年ピュアモルト WWA2010受賞記念ラベル』を2010年6月3日(木)に『ニッカ 竹鶴21年ピュアモルト WWA2011受賞記念ラベル』を2011年9月6日にそれぞれ数量限定で発売した経緯があります。(中味は既存商品と同じ)

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1.メーカー

ニッカウヰスキー株式会社

設立1934年(昭和9年)
本社所在地〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

2.蒸留所

余市蒸溜所

所在地〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「石炭直火蒸留」です。 自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

余市蒸溜所公式HPはこちら

余市蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

余市蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

宮城峡蒸溜所

所在地〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地
操業開始1969年

北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年。 「異なる蒸留所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱く竹鶴政孝にとって、第二の蒸留所はどうしても必要でした。 竹鶴が選んだ地は仙台・宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸留所建設を決定したと言われています。 宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸留機」。 導入当時、すでに旧式とされていた蒸留機です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留機を選びました。宮城峡蒸溜所では、今なお竹鶴の情熱を受け継ぐ人々がウイスキーのおいしさを求め、さまざまな試みを続けています。

画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY

宮城峡蒸留の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

宮城峡蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

竹鶴21年ピュアモルト
Taketsuru 21 year Pure Malt

4.特徴

長期熟成が成し遂げた余市のモルトの厚みと宮城峡のフルーティさのマリアージュ
21年以上熟成したモルト原酒のみをブレンドしたピュアモルトならではの濃密な香りと持続するリッチで深い余韻が特長のウイスキーです。丸い口当たりの後、徐々にどっしりとした深みと香りが訪れます。長期熟成原酒だからこその落ち着きと余市らしいモルトの厚み、宮城峡のリンゴの様なやわらかなフルーティーさ。
よく熟成したピーチやトロピカルフルーツのような果実香。豊かで濃厚な香りとリッチで華やかな樽香。
やわらかさの中に複雑さやコクが感じられる。コクのある余顔が大きく広がった後、濃く複雑な味わいに変化する。

4-1.テイスティングノート

香り熟したリンゴやアプリコット、まろやかなバニラ香、蜂蜜、アーモンド、モルト感よりもフルーティさが強くほのかにシェリー感
味わいビターチョコレート、アプリコットジャム、シロップのかかった熟したリンゴ、シェリーの甘みと若干のタンニン
余韻バニラ香を伴う心地よさとウッディな樽香が混ざり合う複雑な余韻

4-2.商品スペック

アルコール度数43%
酒別ピュアモルトウイスキー
樽種
内容量700ml
販売本数2020年3月終売
希望小売価格16,500円(税込)
発売日2001年3月

5.受賞歴

2006年 ISC金賞
2007年 WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2008年 ISC金賞
2009年 ISC世界最高賞「トロフィー」受賞(国産ウイスキーとして初の受賞)
     WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2010年 ISC金賞
     WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2011年 WWA「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」受賞
2012年 ISC金賞
2014年 ISC金賞
2015年 ISC金賞
2019年 ISCダブルゴールド受賞

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名竹鶴21年ピュアモルト
容量700ml
希望小売価格15,000円(税込:16,500円)

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、47,000円~56,000円前後となっています。(※2021/2/3時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は、最安40,450円、最高177,000円、平均57,473円 (※2021/2/3時点より過去120日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、65,000円前後で販売されています。 (※2021/2/3時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、 1杯、45ml:3,960円、30ml:2,640円、15ml:1,320円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

まずはストレートで飲んでモルトのコクとリンゴを中心としたフルーティな旨みを感じてほしいウイスキー。加水してもロックで飲んでもバニラ香が口いっぱいに広がり樽香も味わえる。21年熟成ならではのコクと奥行きのある味わい、複雑な余韻を愉しんでほしいウイスキーです。現在は終売となったウイスキーですが、まだ在庫があるBARは多いと思いますので見かけた際は是非とも味わっておきたいウイスキーですね。

2020年3月をもって竹鶴17年・竹鶴21年・竹鶴25年終売となり、竹鶴ピュアモルト(年数表記なし)はリニューアル。いわゆる「竹鶴」を名乗るウイスキーはこの「竹鶴ピュアモルト 新ラベル」のみとなってしまいました。 これによりニッカが現行で販売するウイスキーからヴィンテージ(年数表記あり)ウイスキーは姿を消してしまいました。その竹鶴ピュアモルト 新ラベルも年間22,000ケース販売とのことですが、なかなか目にすることはできない状況が続いています。 2021年1月に発表されたDRINKS INTERNATIONAL ANNUAL BRANDS REPORT 2021の「WORLD WHISKY部門」で6年連続NO.1のニッカ

ニッカが圧倒的1位。サントリーが2位。DRINKS INTERN...
2021年1月に発表されたDRINKS INTERNATIONAL ANNUAL BRANDS REPORT 2021の「WORLD WHISKY部門」で、ニッカが1位、サントリーが2位、その他、山桜、イチローズモルト、マルス、軽井沢がランクイン。

昨年9月に新ブランド「セッションSESSION」を発売。それに続く動きはあるのか、今年に入ってまだ大きな動きを見せてないニッカですが、そろそろ毎年恒例の余市・宮城峡の限定品の情報が出てくる時期なのか。サントリーに負けず劣らずな動きを期待してしまいます。

■竹鶴に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】竹鶴17年ピュアモルト
2001年に発売されたニッカ竹鶴17年ピュアモルト。余市、宮城峡、二つの蒸留所のキーモルトをブレンド。竹鶴17年を含め竹鶴と名を冠したウイスキーの受賞回数は35回。名実ともに最高のウイスキー。残念ながら原酒不足により竹鶴の年代物は2020年3月末で販売終了となっている。
【レビュー】竹鶴ピュアモルト 新ラベル
2020年3月竹鶴17年・竹鶴21年・竹鶴25年が終売。竹鶴ピュアモルト(年数表記なし)はリニューアル。余市モルトの原酒使用比率を高め、香りやコクの余韻が付け足されました。北の海に鍛えられたモルトと、緑の峡谷で育まれたモルトを磨きあげ、組みあわせてできたのが新竹鶴ピュアモルトです。
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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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