「ニッカ伊達」は宮城峡蒸溜所で蒸留したモルト原酒とグレーン原酒、グレーン原酒の一部にスコットランドのベンネヴィス蒸留所の原酒を使用。ニッカこだわりのカフェモルト、カフェグレーンの特徴を生かした「宮城県限定」のブレンデッドウイスキーです。
ニッカ伊達は、地域共生型の営業活動の一環として「仙台・宮城【伊達な旅】キャンペーン」を盛り上げていくため2008年と2009年に500mlで数量限定(2009年度は36,000本限定)で発売されました。この時のラベルは黒い下地に白字で「伊達」という文字が記され、その下に大きな金色の三日月が描かれていて、その三日月のデザインは「伊達政宗」の兜がモチーフになっているらしいです。
その後2012年から発売されたものは700mlに変更し、通年商品としてリリース。さらに味の改良も実施。写真の真ん中のボトルがこの時期のボトルですが、今現在店頭に並んでいるボトルは写真右のボトルになります。いつからラベル変更になったのかは定かではありませんが、2019年終わり頃から変更になっていたという説もあります。
1.メーカー
ニッカウヰスキー株式会社
2.蒸留所
宮城峡蒸溜所
所在地 | 〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地 |
操業開始 | 1969年 |
北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年。 「異なる蒸留所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱く竹鶴政孝にとって、第二の蒸留所はどうしても必要でした。 竹鶴が選んだ地は仙台・宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸留所建設を決定したと言われています。 宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸留機」。 導入当時、すでに旧式とされていた蒸留機です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留機を選びました。宮城峡蒸溜所では、今なお竹鶴の情熱を受け継ぐ人々がウイスキーのおいしさを求め、さまざまな試みを続けています。
画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY
宮城峡蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。
3.商品名と写真
ニッカ伊達
Nikka Date
4.特徴
力強く豊かな味わい。 優しくやわらかな余韻。
心地良い樽熟成香とやわらかくフローラルの香りと優しいモルティーな香り、濃厚なバニラのような甘さとミルクチョコレートの甘味、なめらかでクリーミーな味わいで、甘さの後から顔を出すピートのほどよい苦味と複雑な味わいが全体を引き締めます。
4-1.テイスティングノート
香り | ウッディな香りと樽熟成感、モルティな甘さ。チョコレートのようなビター感とフラワリー、フルーティーなエステルが調和 |
味わい | 蜂蜜様の甘さとバニラの甘さが調和、なめらかでクリーミーな味わい。ピートの苦味が全体を引き締める |
余韻 | きれいなエステルと甘くビターな余韻がスムース |
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 43% |
酒別 | ブレンデッドウイスキー |
樽種 | ー |
内容量 | 700ml |
販売本数 | ー |
希望小売価格 | 税込3,850円 |
発売日 | 2008年9月・2009年9月15日(旧伊達、数量限定でリリース) 2012年7月2日~(現行伊達、通常品としてリリース) |
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | ニッカ伊達 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 税込:3,850円 |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、4,000円~5,400円前後となっています。(※2021/7/23時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの落札価格は、最安3,500円、最高6,400円、平均5,079円(※2021/7/23時点より過去120日間の統計情報)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでも、5,000円~7,000円前後で販売されています。 (※2021/7/23時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:1,650円30ml:1,100円、15ml:550円などの少量でも提供しております。
7.まとめ
2008年に発売された伊達は裏面ラベルの原料欄に「モルト」としか表記されていませんでした。しかし表のラベルには「BLENDED WHISKY」と記載されていました。おそらく宮城峡蒸溜所のモルトウイスキーとカフェ式連続式蒸留機で蒸留したカフェモルトをブレンドしていたからと言われています。
2012年から発売された現行の伊達に関しては原料欄には「モルト、グレーン」と表記されていて、宮城峡モルトとカフェモルト・カフェグレーン・ベンネヴィス蒸留所グレーンで構成されているようです。
今では通販サイトでも比較的手に入りやすウイスキー(若干プレ値ですが、、、)なので、宮城峡蒸溜所の歴史を感じながら味わいたいなら、まさにこのボトルとなるでしょう。都内でも宮城県の物産展などあれば、定価で売っていることもあるようです。
■宮城峡に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号
【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー
【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス
【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。
【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。
【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。