【2022年9月27日発売】シングルモルト余市・宮城峡アロマティックイースト

発売情報
発売情報
ニッカウヰスキー余市蒸溜所宮城峡蒸溜所

アサヒビール株式会社の公式HPにて“NIKKA DISCOVERYシリーズ”第2弾商品としてシングルモルト余市アロマティックイースト・シングルモルト宮城峡アロマティックイースト」の発売情報がリリースされました。

発売日は9月27日。前作のNIKKA DISCOVERYシリーズ”第1弾(余市ノンピーテッド宮城峡ピーテッド)からおよそ1年。
公式では抽選販売などについては特に言及されておりません。
それぞれ国内10,000本、海外10,000本。価格は第1弾と同様で定価22,000円とノンヴィンテージでこの価格はサントリーや他クラフト蒸溜所などと比べてもやや高い印象でしょうか。

ただ間違いなく入手困難なボトルになることは想像できます。公式では「業務用を中心とした展開」と記していることもあり、一般の方が入手するのはなかなか難しそうです。

 

今作は“発酵工程で使用する酵母の違いによって生み出される特長ある香り”に着目。「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」が持つシングルモルトならではの魅力はそのままに、酵母が生み出す新たな香りを付与することで隠れていた意外な個性を引き出した限定商品。

今回発売される2商品は、2024年に創業90周年を迎えるニッカウヰスキーが保有する多様な原酒や、原料や発酵などの製造工程によるウイスキーのつくり分けの歴史が生み出す奥深さに焦点を当てた“NIKKA DISCOVERYシリーズの”第2弾商品です。ウイスキーの多様性や奥深さ、意外性を「発見する」シリーズとして展開。業務用を中心とした展開を予定。海外でも欧州を中心とした販売を予定しているようです。

1.シングルモルト余市アロマティックイースト

発酵の過程で酵母により生み出される多種多様な香りは、多種多様な原酒の個性となる。その中でも吟醸香を思わせる華やかさを備えた原酒が、ブレンダーの創造力を刺激した。
さらに、あふれるほどのフルーティーな香りを生み出す酵母を用いた原酒にも着目し、余市らしいピート香との融和点を探る。
試行錯誤の末に、フレッシュさを伴う香りと重厚感のある香りを束ねるため活性樽で30余年熟成を重ねた希少な原酒を加え、ウイスキーとしての調和に到達した。
余市本来の骨太な個性と吟醸香を思わせる華やかさと、フルーティーさとの融合。
チャレンジングな課題への答えがようやく導き出されたのだ。


引用:シングルモルト余市・シングルモルト宮城峡アロマティックイースト|商品紹介

製品名シングルモルト余市アロマティックイースト
酒 別シングルモルトウイスキー
原材料モルト
樽 種
詰本数国内10,000本、海外10,000本
度 数48%
価 格希望小売価格:22,000円(税込)
製造所余市蒸溜所
製造者ニッカウヰスキー株式会社

2.シングルモルト宮城峡アロマティックイースト

杏のような、甘く魅惑的な香りを生む酵母。
その力を活かした原酒が、数十年の時を経て真価を発揮する。ただ、この個性はとてもセンシティブであるポイントを超えると、宮城峡本来の華やかさとのバランスが取りづらくなる。反面、そのポイントを少しでも下回れば、香りそのものが跡形もなく消えてしまうのだ。
そこで、ブレンダーはユーズド樽で熟成を重ね、穏やかな樽感を身につけた原酒で調和をとる。さらにヘビーピート原酒をわずかに加え、ほのかなピートを感じるように組み上げた。トップで華やかさと共に甘い果実香が湧き上がり、厚みあるモルトのコクの後に再びフルーティーが戻ってくる。発酵の工夫により生み出された強い個性が、宮城峡らしさと繊細なバランスをとりながら主張する。


引用:シングルモルト余市・シングルモルト宮城峡アロマティックイースト|商品紹介

製品名シングルモルト宮城峡アロマティックイースト
酒 別シングルモルトウイスキー
原材料モルト
樽 種
詰本数国内10,000本、海外10,000本
度 数47%
価 格希望小売価格:22,000円(税込)
製造所宮城峡蒸溜所
製造者ニッカウヰスキー株式会社

3.余市蒸溜所について

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「ストレートヘッド型ポットスチル」と石炭直火蒸留です。それにより重厚で香ばしいヘビーピートの原酒が出来上がり、ピートの香りとソルティさを感じる個性的なシングルモルトが出来上がります。 竹鶴自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

余市蒸溜所公式HPはこちら

4.宮城峡蒸溜所について

北海道・余市で第一の蒸留所をスタートさせてから約30年。 「異なる蒸留所で生まれた複数の原酒をブレンドすることで、ウイスキーはより味わい深く豊かになる」という信念を抱く竹鶴政孝にとって、第二の蒸留所はどうしても必要でした。 竹鶴が選んだ地は仙台・宮城峡。広瀬川と新川というふたつの清流に恵まれた緑豊かな峡谷。竹鶴は初めてこの地を訪れた時、新川の清流で持っていたブラックニッカを割って飲み、味わいを確認。その場で蒸留所建設を決定したと言われています。 宮城峡蒸溜所が誇るのが「カフェ式連続式蒸留機」。 導入当時、すでに旧式とされていた蒸留機です。旧式だからこそ雑味となる成分が残りやすいのですが、技術によってそれを原料本来の香りや甘みに変えることができるため、竹鶴はあえてこの旧式蒸留機を選びました。宮城峡蒸溜所では、今なお竹鶴の情熱を受け継ぐ人々がウイスキーのおいしさを求め、さまざまな試みを続けています。

画像出展:宮城峡蒸溜所|NIKKA WHISKY

5.NIKKA DISCOVERYシリーズのラインナップ

5-1 シングルモルト余市ノンピーテッド

力強く厚みのある味わいの『シングルモルト余市』を、あえてノンピーテッドモルト原酒だけを使用してつくりました。余市モルトの特徴である石炭直火蒸溜による力強さはそのままに、ピートの奥に隠れていた余市モルトのやわらかな果実味、なめらかでコクのある甘さが姿を現します。ベリーや洋ナシ、りんごを思わせる甘酸っぱさと、しっかりとしたモルトのコクが調和した味わいを実現しました。華やかでフルーティーな香りとキャラメルのような滑らかでコクのある余韻が心地よく続きます。

 

 

 

 

【レビュー】シングルモルト余市ノンピーテッド
2024年に創業90周年を迎えるニッカウヰスキーが保有する多様な原酒や、原料や発酵などの製造工程によるウィスキーのつくり分けの歴史が生み出す奥深さに焦点を当てた“NIKKA DISCOVERYシリーズ”第1弾商品です。ウィスキーの多様性や奥深さ、意外性を「発見する」シリーズ。

5-2 シングルモルト宮城峡ピーテッド

華やかで軽やかな味わいの『シングルモルト宮城峡』を、あえてピーテッドモルト原酒だけを使用してつくりました。宮城峡モルトの特徴であるエレガントな華やかさはそのままに、ピートと調和した宮城峡モルトの芳醇な甘み、しっかりとしたボディ感が姿を現します。レーズンやドライチェリーの甘さ、軽快だがしっかりとしたピート感を味わえます。

 

 

 

 

 

 

 

【レビュー】シングルモルト宮城峡ピーテッド
“NIKKA DISCOVERYシリーズ”第1弾の今作はフィニッシュは行わず、「原材料の違い」によって、シングルモルト宮城峡の魅力を活かしつつ、隠れていた意外な個性を引き出したウィスキーです。ラベルはピートをイメージしたアースカラーと上質な白を採用。ボトルは透明瓶を使用。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

深瀬 悠二をフォローする
スポンサーリンク
ジャパニーズウイスキーディクショナリー
タイトルとURLをコピーしました