山形の遊佐蒸溜所の最新リリース、”Edition”シリーズの第3弾となる「YUZA Third edition 2023」。希少なミズナラ樽も使用した限定品をレビュー。
1.メーカー
株式会社 金龍
開業から長らくは焼酎の製造がメイン、ウィスキー製造免許を取得したのは2018年のこと。
看板商品である焼酎「爽」は地元庄内産の米を使用したものや、長期貯蔵の焼酎をブレンドしたものなど、様々なラインナップがある。
株式会社金龍のラインナップはコチラ
設立 | 1950年4月 |
本社所在地 | 〒998-0111 山形県酒田市黒森字草刈谷地180番地の1 |
所有蒸留所 | 遊佐蒸溜所 |
2.蒸溜所
遊佐蒸溜所
株式会社金龍が2018年に山形県遊佐町に開設した、東北地方3か所目のウイスキー蒸溜所です。
新鮮で澄んだ空気と、「水の郷百選」に選ばれた、名峰鳥海山の伏流水に恵まれた遊佐町は、最高品質のウイスキー造りに適した土地。
使用するポットスチルはフォーサイス社製、発酵槽は5つ、カナダ産のベイマツを使用しています。製法や熟成方法もスコットランドの方式を採用、若いウイスキーは樽出しせず、納得のいくまで十分に熟成を重ねたウイスキーだけを、シングルモルトのみに絞って製造。大量生産ができない小さな蒸溜所だからこそ、細部までとことん手を尽くし、こだわりを詰め込んだ最高品質のウイスキーをつくります。
遊佐蒸溜所ウイスキーの
コンセプト「TLAS」遊佐蒸溜所で造るウイスキーは、
Tiny(ちっぽけな)
Lovely(かわいい)
Authentic(本物の)
Supreme(最高の)
上記の頭文字を取った「TLAS(トラス)」をコンセプトとしています。遊佐蒸溜所は、敷地面積約4,550㎡、蒸溜所面積は約620㎡と、ウイスキー蒸溜所としてはとても小規模な蒸溜所です。外観は小さく可愛らしくも見えますが、造るウイスキーは本格的かつ最高品質のものを目指します。伝統的な製法を用いつつも、日本らしい「ものづくり」に対するこだわりを持って造る、世界に一つのジャパニーズウイスキーです。
遊佐公式HPより引用
画像出展:遊佐蒸溜所公式HP
所在地 | 〒999-8302 山形県飽海郡遊佐町吉出字 カクジ田20番地 |
操業開始 | 2018年 |
遊佐蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。
3.商品名と写真
YUZA Third edition 2023
YUZA Third edition 2023
4.特徴
editionシリーズの第3弾。
希少なジャパニーズ・オークである「ミズナラ」の樽を使用し、バーボン樽やシェリー樽の原酒もヴァッティング。
遊佐蒸溜所らしいフルーティさをベースに、心地よいバニラ、ほんのりとピートのアロマが重なります。ミズナラ由来の重厚感にまろやかさがあいまった、複雑な味わいの仕上がりです。引用:遊佐蒸留所商品紹介ページ
4-1.テイスティングノート
香り |
バニラ、洋ナシ・桃、ミズナラ由来のスパイシーさ、少しのピート、複雑だがクリーン |
味わい | 柔らかな酸味と蜂蜜様の甘み、ミズナラ様のウッディネス、温かみのあるスパイシー |
余韻 | 苦みは少なく、スパイシーな甘みがゆっくりと広がる長い余韻 |
4-2.商品スペック
アルコール度数 | 55% |
酒別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
樽種 | ミズナラ樽、バーボン樽、シェリー樽 |
内容量 | 700ml |
販売本数 | 未発表 |
希望小売価格 | 16,500円(税込) |
発売日 | 2023年11月 |
5.受賞歴
現時点では受賞歴はありません。
6.価格
6-1.メーカー希望小売価格
商品名 | YUZA Third Edition 2023 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 税込:16,500円 |
6-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売は現在確認されていません。※2023/11/8時点)
6-3.ヤフーオークション落札価格
ヤフーオークションでの転売は現在確認されていません。※2023/11/8時点)
6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon
通販サイトでは、一部確認でき、定価品もありましたが、限定終了が多いようです(※2023/11/08時点)
6-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、、45ml:5,610円、30ml:3,740円、15ml:1,870円 などの少量でも提供しております。
7.まとめ
ついにThird Editionまで発売となったYUZA。以前のYUZAらしい特徴は残しつつも、『ミズナラ原酒』という新たな要素が加わり、重厚感が増したエディションです。
蒸溜技術やYUZAらしさを残しつつ、ミズナラの要素をしっかりと表現している今作、今後の遊佐蒸溜所のブレンド技術にも、注目が集まりそうです。
■「遊佐蒸溜所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。