2021年1月に発表されたDRINKS INTERNATIONAL ANNUAL BRANDS REPORT 2021の「WORLD WHISKY部門」で、ニッカが1位、サントリーが2位、その他、山桜、イチローズモルト、マルス、軽井沢がランクインしました。
ドリンクスインターナショナルアニュアルレポートとは?
ドリンクスインターナショナルアニュアルレポートとは、世界のトップレベルのBARのヘッドバーテンダー、バーマネージャーへの調査を行い、ベストセラー(最も売れているもの)とトップトレンド(流行っているもの)を3つリストアップしてもらい、集計しランキングにしたものです。
ランキングのカテゴリは、ジン、ウォッカ、ラム、ウイスキー、テキーラ、メスカル、コニャック、ブランデー、ピスコなどの各蒸留酒(スピリッツ)、リキュール、ビターズ、シェリー酒、ベルモット、ビール、シャンパン、ノンアルコールスピリッツ、トニックウォーター、カクテルなど多岐に渡ります。
最近では、ジン部門で「季の美」「六ジン」がランクイン。ウォッカ部門で「白ウォッカ」がランクインするなど、ウイスキー以外の日本の蒸留酒ブランドも世界で認められるようになってきました。
今回はその中から、日本のウイスキーがカテゴライズされている「WORLD WHISKY(ワールドウイスキー)」をピックアップしました。
日本では、”世界五大ウイスキー”と呼び、①スコッチ、②アイリッシュ、③アメリカン、④カナディアン、⑤日本の5つの生産地を世界5大ウイスキーと呼んでます。
ドリンクスインターナショナルでは、①アメリカン、②スコッチ、③アイリッシュ、④ワールドウイスキーの4つに分類され、日本、台湾、インド、カナダ、オーストラリアなどは④ワールドウイスキーにカテゴライズされています。
今年のアニュアルレポートでも、日本は「ワールドウイスキー部門」において多くのメーカーがトップ10入りし、世界におけるジャパニーズウイスキーの圧倒的な人気を証明しました。
6年連続、ニッカウヰスキーが1位
ベストセリング、トップレンディング共に「ニッカウヰスキー」が堂々の6年連続1位を獲得。
調査回答の45%がナンバーワンのトップセリング。74%がバックバーのトップ3のブランドだと回答。圧倒的な地位を獲得しています。
現代的なデザイン、競争力のある価格、品質の高さ、そして消費者の中でジャパニーズウイスキーへの関心の高まりが圧倒的1位となった要因とされています。
特に海外では、ニッカの「フロムザバレル」が人気のようです。
2番手は2年連続でサントリー
ベストセリング、トップトレンディング共に2位にランキングされたのがサントリーですが、実はトップのニッカの1/3の得票数だったとようです。
日本国内では、サントリーの方がニッカよりも知名度があり、人気も売上も高いと思いますが、海外ではそうではないようです。
季(トキ)、知多、響、白州、山崎のブランドが有名ではありますが、トップのニッカに追いつくにはまだまだ距離が遠すぎるようです。
イチローズモルトが初のランクイン
ジャパニーズウイスキーの「ロックスター」の肥土伊知郎氏の製品であるイチローズモルトは、世界のバーエリートの間でモルトとグレインのブレンドが継続的に増加しているため、ブランドレポートのベストセラーリストにデビューしました。(原文のまま)
シングルモルトとしてはまだ生産量が少ないが、モルト&グレーンが世界中に流通しイチローズモルトとしてのブランドが高い評価を得てきていると考えられます。
その他ランクインした日本のウイスキー
上記のニッカウヰスキー、サントリー、イチローズモルト以外にランキングしたのが、笹の川酒造の「山桜」、閉鎖したメルシャン軽井沢蒸留所で貯蔵されていた原酒から作られた「軽井沢」、本坊酒造の「マルスウイスキー」
まとめ
アメリカン、スコッチ、アイリッシュ以外のワールドウイスキーの中では、日本のウイスキーが圧倒的な地位を築いていると言えます。
日本以外でも台湾の「カバラン」、インドの「アムルット」、オーストラリアの「スターワード」など、日本でも人気のブランドは存在していますが、まだまだジャパニーズウイスキーの世界的な人気は続くと予想されます。
2016年前後から続々と増えてきた日本のクラフトウイスキー蒸留所からも今後世界中が注目するウイスキーが発売されます。
日本のウイスキーが更に世界中で認められ、多くの人に飲まれるようになり、このアニュアルレポートでの新たに「ジャパニーズウイスキー部門」が新設される日も決して遠くはないかもしれません。