【レビュー】マルスウイスキー モルトデュオ 津貫 × 厚岸 2024

ウィスキーレビュー
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本坊酒造津貫蒸溜所厚岸蒸溜所

津貫蒸溜所と厚岸蒸溜所の原酒交換によるスペシャルなウイスキーをレビュー!味わいや特徴を紹介。

北海道と鹿児島、相反する気候風土を持つ2つの蒸溜所の原酒交換により、新たなウイスキーが誕生しました。こちらの記事ではマルスウイスキー津貫が発売しているモルトデュオを紹介させていただきます。

前回のモルトデュオは2021年、駒ヶ岳蒸溜所と秩父蒸溜所の原酒交換により生まれたものでした。第一弾の販売から3年、今回はどのような味わいになっているのでしょうか?

厚岸ヴァッテッドモルトジャパニーズウイスキー カムイウイスキー®カパッチリカムイ 厚岸 × 津貫のレビューはコチラから

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1.ボトルの写真と購入できるサイト

マルスウイスキーモルトデュオ 津貫 × 厚岸
MARS WHISKY MALT DUO TSUNUKI × AKKESHI
     

2.マルスウイスキー モルトデュオ 津貫 × 厚岸 2024

2016年、鹿児島と北海道それぞれの地で蒸留を開始したマルス津貫蒸溜所と厚岸蒸溜所。気候風土が全く異なる二つの蒸溜所は、2018年に互いのモルト原酒を交換し、それぞれの地で熟成を始めました。このボトルは、マルス津貫蒸溜所で熟成させた「津貫」「厚岸」二つのモルト原酒をヴァッティングしたブレンデッドモルトジャパニーズウイスキーです。同時期に遠く離れた地でポットスチルに火を灯した、津貫と厚岸の協演をどうぞお楽しみください。

 ジャパニーズウイスキーのさらなる可能性を探求し、蒸溜所の垣根を越えて美味しいウイスキーを造りたい。互いのモルト原酒を交換し、それぞれの環境で熟成させ、自社モルト原酒とヴァッティングするモルトデュオ・シリーズ。今回の発売は、「マルスウイスキー モルトデュオ 駒ヶ岳×秩父 2021」に続いて2回目になります。

引用:「 マルスウイスキー モルトデュオ 津貫×厚岸 2024 」11月下旬より発売 | 本坊酒造株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)

2-1.テイスティングノート

香り 赤い蜜リンゴ、パイナップル、ミント、メープル、ナツメグ、緑色のシトラス
味わい 焼きパイナップル、シリアル、ドライイチジク、ヘーゼルナッツ
余韻 香ばしい甘みがふわりと香り、シトラスの酸味を伴う清涼感が続く

2-2.商品スペック

アルコール度数 51%
酒別 ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー
樽種 バーボンバレル主体
内容量 700ml
販売本数 11,000本
希望小売価格 19,800円(税込)
発売日 2024年11月24日

3.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

4.定価とネット上の価格

4-1.メーカー希望小売価格

商品名 マルスウイスキー モルトデュオ 津貫 × 厚岸 2024
容量 700ml
希望小売価格 19,800円(税込)

4-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は、24,800円~26,000円前後となっています。(※2024/11/19時点)

4-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札は、現在確認されていません。出品は23,900円のものが確認できました。(※2024/11/26/時点) 

4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

楽天などの通販サイトでは、現在確認できませんでした。(※2024/11/19時点)

4-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:5,280円、30ml:3,520円、15ml:1,760円にて提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

5.メーカー

「本坊酒造株式会社」は、焼酎をメインに製造している鹿児島県の会社。ウイスキー製造免許を1949年に取得するなど、ウイスキーの歴史も長い。

会社名 本坊酒造株式会社
設立 1872年
本社所在地 〒891-0122; 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地
所有蒸留所 マルス信州蒸溜所、マルス津貫蒸溜所

6.蒸溜所

6-1.津貫蒸溜所

南さつま市加世田津貫。ここ薩摩半島南西の緑溢れる山あいの中に佇む、本土最南端のウイスキー蒸留所「マルス津貫蒸溜所」

所在地 〒899-3611 鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
操業開始 2016年

薩摩半島南西部に位置する津貫は、万之瀬川支流の加世田川に沿って長くのびている盆地にあります。東を蔵多山(475m)、西を長屋山(513m)の山々に囲まれ、地形が盆地状のため、夏は暑く、冬の寒さは、南薩摩にあっては、ことのほか厳しい地域です。
良質な水資源(蔵多山湧水)もあり”天の恵み”といっていいほどの自然環境を有し、山の傾斜地を有効に利用したみかん栽培も盛んで、”津貫みかん”として知られています。
温暖な気候と良質な水資源に恵まれる津貫は、本坊酒造発祥の地。薩摩を代表する特産物「さつま芋」を使って焼酎造りを始めてから百有余年、この土地の水と気候風土を知り抜き、酒造りの伝統を今に伝える津貫の地で、ウイスキー造りに取り組んでいます。
引用:マルス津貫蒸溜所公式HP

マルス津貫蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

メーカー(蒸留所) 津貫蒸溜所 | ジャパニーズウイスキー...
「津貫蒸溜所」の記事一覧です。

6-2.厚岸蒸溜所

厚岸蒸溜所

所在地 〒088-1124 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2
操業開始 2016年10月

2015年 蒸溜所建設を開始
2016年 10月蒸溜開始
2017年 第2熟成庫完成
2018年 2月厚岸蒸溜所として初商品リリース。第3熟成庫完成
2020年 2月初のシングルモルトウイスキー「サロルンカムイ」をリリース。
            4月第4熟成庫完成。
     10月二十四節季シリーズ第一弾「シングルモルト寒露」をリリース。
2021年 精麦棟の新設(稼働は2022年)
2023年 4月第5熟成庫完成。

「スコットランドの伝統的製法を受け継ぎ、かつ厚岸らしい風味のウイスキー」がコンセプト。

潮気を含んだ深い霧、清澄な空気、豊富な泥炭。北海道・厚岸の風土こそ、私たちの求める未知なるジャパニーズウイスキーの風味をつくり出してくれると信じ、2016年に蒸留を開始しました。
北海道という土地、厚岸という土地の“テロワール”をウイスキーづくりに活かせるように、私たちはこの地で技術を磨き続けるとともに、土地の人々や自然とより深く向き合っていきたいと思います。北海道の大地で育まれた大麦やミズナラ、厚岸の美しい水や、ゆたかなミネラルを含んだピート。すべてを北海道からつくり、他のどこにも無いジャパニーズウイスキーを世界へ届けていくことが、私たちの願いです。
引用:Blender’s Attention ブレンダーのこだわり【厚岸蒸溜所】

「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いのもと、設備はスコットランドのフォーサイス社製のものを導入。施工はすべてフォーサイス社の職人が来日して実施。ポットスチルの形状はストレートヘッドのオニオンシェイプで、アイラ島のいくつかの蒸留所のものと似ています。加熱はラジエーター方式(間接加熱)、付属するコンデンサーはシェル&チューブ式でマッシュタンはセミロイター式です。
発酵槽(ウォッシュバック)は全てステンレス製で、あえて温度調整はできないタイプに。自然に任せながら、クラフトマンが発酵のタイミングを見極めます。

熟成庫は現在、第1~第5熟成庫まで。第1はダンネージ式、第2熟成庫(充填棟の隣)は現在出荷前の製品保管に使用。第3~第5熟成庫はラック式を採用、厚岸湾を望む丘の上にあり海の香り漂う「海霧」が厚岸町全体を包み込みモルトの熟成を深めるなど、ウイスキーの特性に良い影響を与えることが期待できます。

熟成樽はバーボン、シェリーに加え、入手困難な「ミズナラ」も使用。さらにワインやラム樽とのマッチングなど、あらゆる可能性に挑戦しています。
また、ウイスキーの原料となる大麦を厚岸内で栽培し、ピートや熟成のための木樽も含めてすべて厚岸産でおこない、将来的には「厚岸オールスター」のウイスキー造りを目指しています。新たな取組みで2021年8月、厚岸蒸溜所で蒸留した原酒を試験的に富良野で熟成させるという取組みも始まりました。富良野で熟成された原酒はどのような変化をもたらしてくれるのか。地元の厚岸のみならず「北海道」という偉大な個性を活かす、これこそまさにテロワール。ワイン通の人は良く耳にしてきたであろう「テロワール」の考えをウイスキーに取り入れ、「厚岸という個性」と「北海道という個性」を融合し、それらの土地のテロワールを活かしたウイスキー造りは魅力的であり期待値は無限大です。

厚岸町周辺の厚岸湖別寒辺牛湿原はラムサール条約の登録湿地です。ラムサール条約とは、1971年2月2日にイランのラムサールで採択された湿地に関する条約で、水鳥をはじめとする野生動物の生息地となっている湿地を、国際的な協力のもと保全および賢明に利用することを目的としています。
当社もこの豊かな自然を守り、共存していく蒸留所を目指しています。
ウイスキーに使用する上水の取水口は、蒸留所のそばを流れる尾幌川上流のホマカイ川。その周辺は湿原地帯で、清流にしか生息しないといわれるバイカモの生息地です。夏季に咲く小さな白い花は豊かな水のシンボル。この水が厚岸のウイスキーを育みます。

引用元:厚岸蒸溜所公式HP

厚岸蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。

厚岸蒸溜所の記事一覧
アイラモルトのようなスモーキーでピーティーなウイスキー造りを目指して北海道厚岸町で2016年より操業開始。堅展実業株式会社が運営する厚岸蒸溜所。

7.まとめ

原酒交換により生まれた今回のウイスキー。どこか津貫らしいどっしりとした甘み以外にも柔らかな複雑さが重なった印象です。一言でいえばフルーティーなのですが、様々な要素が感じられる部分が厚岸由来の部分なのかもしれません。

日本では原酒交換は、盛んにおこなわれているわけではありませんが、有名な蒸溜所同士の原酒交換はやはり夢がありますね。

■「津貫蒸溜所」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

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【レビュー】シングルモルト津貫2024 エディション
昨年11月の7周年記念ボトル発売後、新年1本目となる「シングルモルト津貫2024エディション」をリリース。希望小売価格:9,020円(税込)、限定48,200本。特徴や価格、購入サイトを紹介。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.47 2024年12月号

【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第2弾]」
【第2特集】
「日本のクラフト蒸留所最前線」
今号では北海道の厚岸と苫小牧、そしてクラフト蒸留所に麦芽を供給する中標津のクラフトモルティング社についても紹介します。さらに三島のウォータードラゴンと、ZEMONⅡが稼働する飛騨高山蒸溜所も再訪。
【連続ロングインタビュー】
第3回 ガイアフロー静岡蒸溜所 中村大航氏
【特別リポート】
遊佐蒸溜所の挑戦
第二期リニューアルが完了したサントリー白州蒸溜所

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
Ryuhei Oishi

北海道出身 bar新海虎ノ門店のバーテンダー。
都内のレストランで従事し、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。
自身の知識の少なかった日本のウイスキーに興味を持ち、bar新海に就職。蒸留所へ行き、造り手の方々に話を聞き、その情熱・情報をバーテンダーとして伝搬するべく、JWDに参加。

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