吉井和哉氏プロデュース「YAZŪKA」第二弾「TALI」「BURN」。長濱蒸溜所より11月8日発売。特徴や価格、購入方法を解説。
2021年に発売され好評を博した長濱蒸溜所×吉井和哉氏(THE YELLOW MONKEY)によるコラボレーションウイスキーシリーズ「YAZŪKA (ヤズーカ)」。吉井和哉氏が10月1日にソロデビュー20周年を迎え、その記念として11月8日にシリーズ第二弾の発売が決定しました。前作の「FATHER」と「BEAUTIFUL」では、吉井和哉氏自らの人生とその歩みをウイスキーに投影させましたが、本作ではさらに踏み込み「原点」と「絶頂」という、アーティスト人生の両極部を渾身の想いでウイスキーに落とし込んでいるとのことで、内容にも期待が高まります。
1.購入方法について
全国の酒販店及び長濱浪漫webサイトにて各種5,000本限定発売となるようです。
10月20日(金)正午より特設サイトにて特別先行予約販売を開始するとのことですので、確実に購入したい方は是非予約してみて下さい。
販売ページはこちら。
※個別の商品ページはまだ公開されていないようで、現時点では上記リンクからは長濱浪漫ビールのオンラインショップが表示されるようになっています。10月20日正午より商品ページへアクセス可能になると思われます。
2.YAZŪKA (ヤズーカ)「TALI」「BURN」
2-1.TALI
2003年にYOSHII LOVINSON名義でのファーストシングルとして発売された「TALI」。ソロアーティストとしての覚悟、周囲からの期待、強大なプレッシャー、そして様々に交錯する想いがオルタナティブな音像の中で表現されています。「ミニマムな1人オーケストラ」を目指して作られたこの楽曲の、複雑かつ繊細に絡んだ世界観をウイスキーで表現するため、長濱蒸溜所のチーフブレンダーが試行錯誤を繰り返しながら多彩な原酒の組み合わせを行い、最終的に全てモルト原酒のみでレシピを構成しています。楽曲の持つメッセージ性を繊細なバランスで表現し、モルト原酒の持つ力強い風味が複雑で深みのある味わいを生みだすことで、吉井氏が志向した「プライベートな空間で愉しめる」ウイスキーに仕上がりました。
【テイスティングコメント】
煌びやかな琥珀色。優しいモルトの風味、爽やかなマスカットやトロピカルフルーツを想わせる、非常にフルーティーなトップノート。ワイン樽原酒由来の落ち着きある芳醇な香り。シェリー樽原酒由来の型にはまらない複層的なアロマが、オルタナティブで多彩な印象をこのウイスキーに付け加えています。口あたりはなめらかで、バニラや白い花のような優しさに、蜂蜜、ナッツ、スパイスなどのエレガントで芳醇な味わい。アフターに感じる、モルト由来のボリューミーかつリッチなテイストが、スポットライトの中で響き渡る楽曲の様に、より贅沢な時間を演出してくれます。
引用:長濱浪漫ビール吉井和哉 特設ページ
画像出典:長濱浪漫ビール吉井和哉 特設ページ
製品名 | YAZŪKA World Malt “TALI” Ride on AMAHAGAN Selected by 吉井和哉 |
酒 別 | モルトウイスキー |
原材料 | モルト(イギリス製造) |
樽 種 |
ワイン樽、シェリー樽 |
詰本数 | 限定5,000本 |
度 数 | 47% |
価 格 | 8,800円(税込) |
製造所 | 長濱蒸溜所 |
製造者 | 長濱浪漫ビール株式会社 |
2-2.BURN
「BURN」はTHE YELLOW MONKEYの絶頂期を象徴し、吉井氏が持つ男性的かつ妖艶な魅力を存分に表現している楽曲です。この曲が持つ燃えるような情熱をウイスキーでより増幅させるために、“チャーリング”という技法に着目しました。“チャーリング”とは、樽の内側を炎で燃焼させる製法で、樽材の木質成分の溶出を促進させる効果があります。今回後熟に使用する樽には、長濱蒸溜所のスタッフ自らが”チャーリング”を行いました。燻製のようなスモーキーフレーバー、ナッツやバニラのような甘美なアロマ、蜂蜜を想わせるふくらみはBURN(燃焼)によってもたらされたものであり、そこへスモーキータイプの原酒による煙の演出を加える事で、炎が燃え盛る様をボトルに封じ込めたかのような、情熱的な味わいをお愉しみいただけます。
【テイスティングコメント】
鮮やかなアンバーカラー。トップノートではバニラや焦がしたキャラメル。ブラッドオレンジのパウンドケーキを想わせる甘やかで香ばしいアロマ、シェリー樽原酒由来のナッツやクルミのアクセント。余韻に感じる、焚火を彷彿とさせるスモーキーなエッセンスが全体をさらに引き立てています。アタックでは樽由来のウッディネスと力強さ、燻製や硝煙のようなスモーキーテイスト。それが、バニラや蜂蜜の甘やかなテイストと融合することで、より芳醇でリッチな印象に。アフターでは赤い果実と、楽曲さながらのゲインの効いたスモーキーフレーバーとが合わさることで、どこか哀愁ある印象を全体に与えています。
画像出典:長濱浪漫ビール吉井和哉 特設ページ
製品名 | YAZŪKA World Blended “BURN” Ride on AMAHAGAN Selected by 吉井和哉 |
酒 別 | ブレンデッドウイスキー |
原材料 | モルト(イギリス製造)、グレーン |
樽 種 |
シェリー樽 |
詰本数 | 限定5,000本 |
度 数 | 47% |
価 格 | 8,800円(税込) |
製造所 | 長濱蒸溜所 |
製造者 | 長濱浪漫ビール株式会社 |
3.長濱蒸溜所について
長濱蒸溜所
所在地 | 〒526-0056 滋賀県長浜市朝日町14-1 |
操業開始 | 2016年(平成28年)11月1日 |
滋賀県びわ湖北部にある日本最小クラスの長濱蒸溜所は、クラフトビールの醸造所とレストランを併設しています。大手ウイスキーメーカーを含めてもレストランを併設している蒸留所は少なく、クラフトウイスキー蒸留所となればごく稀な存在です。
設置された個性的なポットスチルの形状はウイスキーづくりのまさに原点を感じさせます。
長濱蒸溜所は元々は江戸時代から米蔵だったところを改修し、1996年からビールづくりが始まりました。その後、2016年にウイスキーづくりのための設備を導入。建物の中は吹き抜けになっていて、1階に糖化槽と蒸留器を設置、2階に粉砕機と発酵槽が設置してあります。
ポットスチルは初留2基、再留1基で、加熱方式は間接蒸気のひょうたんのような形をしたアランビックタイプのポットスチルで、ブランデーの蒸留に使われることが多いポットスチルを使用しています。このアランピックタイプのポットスチルは日本のクラフト蒸留所の中では現在長濱蒸溜所だけが使用しています。特徴としては、酒質がクリアで柔らかく雑味の少ないものが出来るメリットがあります。
創業から今に至るまでの間で試行錯誤が繰り返されました。大きな変更点は麦芽の粉砕比率を変更したり、発酵時間を当初60時間だったところを今では72時間に変更。また、蒸留器を2基から3基に増設。創業時は初留釜が1000リットル、再留釜が500リットルでしたが、再留釜も入れ替えて、3基全て1000リットルに統一。あとはスコットランドの蒸留所に倣って、再留器の洗浄をほとんどしていない。など、創業後およそ4年間で様々な変化をしてきました。
長濱蒸溜所の詳細情報、その他蒸溜所の情報はこちらの記事をご覧ください。
4.過去に発売された「YAZŪKA」シリーズ
当サイトでは過去に発売された「YAZŪKA (ヤズーカ)」シリーズのレビュー記事もございます。
こちらも是非ご参照ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。