【レビュー】シングルモルト余市アロマティックイースト

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ウィスキーレビュー
ニッカウヰスキー余市蒸溜所

今回発売される「シングルモルト余市アロマティックイースト」と「シングルモルト宮城峡アロマティックイースト」の2商品は、2024年に創業90周年を迎えるニッカウヰスキーが保有する多様な原酒や、原料や発酵などの製造工程によるウイスキーのつくり分けの歴史が生み出す奥深さに焦点を当てた、2021年から展開する“NIKKA DISCOVERYシリーズ”第2弾商品です。ウイスキーの多様性や奥深さ、意外性を「発見する」シリーズとして展開。

今作は“発酵工程で使用する酵母の違いによって生み出される特長ある香り”に着目。「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」が持つシングルモルトならではの魅力はそのままに、酵母が生み出す新たな香りを付与することで隠れていた意外な個性を引き出した限定商品です。

業務用を中心とした展開を予定。海外でも欧州を中心とした販売を予定。

またラベルにはそれぞれの香りをイメージした色を採用し、徐々に色調を変化させるグラデーションを施すことで香り立つイメージを表現しています。

2022年9月27日発売、税込22,000円。販売数量はそれぞれ国内10,000本、海外10,000本。

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1.メーカー

ニッカウヰスキー株式会社

設立1934年(昭和9年)
本社所在地〒107-8616 東京都港区南青山5丁目4番31号
所有蒸留所余市蒸溜所、宮城峡蒸溜所、ベンネヴィス蒸留所

2.蒸留所

余市蒸溜所

所在地〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
操業開始1936年

日本のスコットランドと称されている北海道の「余市蒸溜所」。マッサンこと竹鶴政孝により前身の大日本果汁株式会社が1934年に設立。 竹鶴政孝はスコットランドに似た冷涼で湿潤な気候、豊かな水源と凛と澄んだ空気がそろった場所こそが理想のウイスキーづくりには欠かせないと考え、様々な候補地の中から小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市を選びました。 竹鶴政孝が最初の蒸留所で目指したのは、重厚で力強いモルトウイスキーづくりでした。本場スコットランドの蒸留所で学んだウイスキーづくりの手法を、一切の妥協を許さずそのまま再現することにこだわりました。そのこだわりの象徴が「ストレートヘッド型ポットスチル」と石炭直火蒸留です。それにより重厚で香ばしいヘビーピートの原酒が出来上がり、ピートの香りとソルティさを感じる個性的なシングルモルトが出来上がります。 竹鶴自らが学んだロングモーン蒸留所の方式にならい、この蒸留方法を採用。本物のウイスキーをつくるために必要なことであれば、たとえ非効率的であっても守り抜いていく。そんなニッカウヰスキーの原点とも言える情熱と竹鶴政孝の夢への思いが今もなお受け継がれています。

余市蒸溜所公式HPはこちら

余市蒸溜所の詳細情報は、こちらの記事もご覧ください。

余市蒸溜所 | ジャパニーズウイスキーディクショナリー
Japanese Whisky Dictionary

3.商品名と写真

シングルモルト余市アロマティックイースト
Single Malt Yoichi Aromatic Yeast

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4.特徴

余市特有のピート香と酵母によるフルーティな香り

余市モルトの特徴である石炭直火蒸溜による、力強く厚みのある味わいを活かしつつ、りんごやバナナなどのフルーティーさに加え、吟醸香を思わせる洋梨のような香りがほのかに重なるシングルモルトウイスキーです。フレッシュな果実味とモルトの甘みの奥にピートのコクがしっかりと感じられ、心地よい甘い香りとマーマレードのようなビターでスイートな余韻が心地よく続きます。

発酵の過程で酵母により生み出される多種多様な香りは、多種多様な原酒の個性となる。
その中でも吟醸香を思わせる華やかさを備えた原酒が、ブレンダーの創造力を刺激した。さらに、あふれるほどのフルーティーな香りを生み出す酵母を用いた原酒にも着目し、余市らしいピート香との融和点を探る。
試行錯誤の末に、フレッシュさを伴う香りと重厚感のある香りを束ねるため活性樽で30余年熟成を重ねた希少な原酒を加え、ウイスキーとしての調和に到達した。
余市本来の骨太な個性と吟醸香を思わせる華やかさと、フルーティーさとの融合。チャレンジングな課題への答えがようやく導き出されたのだ。


引用:「シングルモルト余市/シングルモルト宮城峡 アロマティックイースト」9月27日 数量限定発売|ニュースリリース|アサヒビール

ディスカバリーシリーズ以前の限定品は2017年モスカルウッドフィニッシュ、2018年マンサニーリャウッドフィニッシュ、2020年アップルブランデーウッドフィニッシュのように「ウッドフィニッシュで使用した樽種の違い」で個性を変えてきました。
ディスカバリーシリーズはフィニッシュは行わず、第二弾の今作においては「酵母の違い」によってシングルモルト宮城峡の魅力を活かしつつ、隠れていた意外な個性を引き出したウイスキーです。

4-1.テイスティングノート

香りバナナやオレンジのようなフレッシュフルーツ、スモーキー
味わいビターチョコレート、黒糖、燻製ベーコン
余韻モルトのコクと甘くほろ苦い余韻が続く

4-2.商品スペック

アルコール度数48%
酒別シングルモルトジャパニーズウイスキー
樽種
内容量700ml
販売本数国内:10,000本 海外:10,000本
希望小売価格税込22,000円
発売日2022年9月27日

5.受賞歴

現時点では受賞歴はありません。

6.価格

6-1.メーカー希望小売価格

商品名シングルモルト余市アロマティックイースト
容量700ml
希望小売価格税込:22,000円

6-2.メルカリでの転売価格

メルカリでの転売価格は「シングルモルト余市アロマティックイースト」と「シングルモルト宮城峡アロマティックイースト」の2本セットで48,000円~60,000円前後となっています。(※2022/10/3時点)

6-3.ヤフーオークション落札価格

ヤフーオークションでの落札価格は「シングルモルト余市アロマティックイースト」と「シングルモルト宮城峡アロマティックイースト」の2本セットで最安48,500円、最高65,000円、平均53,027円(※2022/10/3時点より過去180日間の統計情報)

6-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon

通販サイトでも、30,000円~55,000円前後で販売されています。(※2022/10/3時点)

6-5.BAR新海での提供価格

当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、45ml:6,930円 30ml:4,620円 15ml:2,310円で提供しております。

「BAR新海」のご案内
Japanese Whisky Dictionaryが運営する「BAR新海」は、東京都港区に3店舗。当サイトで紹介しているジャパニーズウィスキーをはじめ、国産のジンやビールなども取扱い。オリジナルカクテル、フレッシュフルーツカクテルなども人気。食事も豊富で1件目からも利用可能。

7.まとめ

余市アロマティックイーストに関しては、構成原酒の一部に30年以上熟成された原酒を使用しているのも魅力のひとつです。

香りはアロマティックイーストと言わんばかりの甘さが先に立ってその後にじわじわとピート香が出てきます。余市のピートと酵母が織りなす芳醇な香味が相まって、今までの力強い余市の印象からうってかわって優しくもお洒落な印象になりました。

是非、余市ノンヴィンテージとの飲み比べをして違いを味わってみてください。

今後のニッカウヰスキーの動きとしては2024年の創業90周年に向け、2023年にはディスカバリーシリーズ第3弾が予定されているようです。次回はどのようなDISCOVERYを見せてくれるのか楽しみですね。

■「シングルモルト余市」に関するその他の記事も是非ご覧ください。

【レビュー】シングルモルト余市ノンピーテッド
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【レビュー】シングルモルト余市 アップルブランデーウッドフィニッ...
ニッカウヰスキーの創業者竹鶴政孝と妻リタの結婚100周年、2020年3月24日発売。余市アップルブランデーウッドフィニッシュ。限定6,700本。アップルブランデーを28年以上熟成させていた樽で約6か月間さらに熟成。甘い芳香で豊かな香り。香ばしくも芳醇な甘さと余市のピートのコクが調和した味わい。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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