アサヒビールは、2023年12月19日のニュースリリースで、「国産洋酒・輸入洋酒の一部商品の価格改定」を発表。国産ウイスキーの対象商品は、「ブラックニッカ」「ハイニッカ」「竹鶴ピュアモルト」「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」「ザ・ニッカ」「ニッカ セッション」「スーパーニッカ」で、2024年4月1日出荷分より値上げとなる。余市や宮城峡の値上げは2022年10月以来1年6カ月ぶり。
1.国産ウイスキーの主な価格改定内容
今回、アサヒビールより「国産洋酒・輸入洋酒の一部商品の価格改定」というタイトルでリリース発表されましたが、アサヒビールが”国産ウイスキー”と位置付ける「竹鶴」「余市」「宮城峡」「ブラックニッカ」。中でも唯一の長期熟成「シングルモルト余市10年」の値上げ幅は大きい。
1-1.価格改定の主な内容
▼主な価格改定実施品目
商品名 | 現行価格(税別) | 新価格(税別) |
竹鶴ピュアモルト | 4,500 | 7,000 |
シングルモルト余市 | 4,500 | 7,000 |
シングルモルト余市10年 | 8,000 | 12,000 |
シングルモルト宮城峡 | 4,500 | 7,000 |
ザ・ニッカ | 6,500 | 8,500 |
スーパーニッカ | 2,800 | 3,200 |
フロムザバレル | 2,800 | 3,200 |
ニッカセッション | 3,800 | 4,200 |
ニッカ伊達 | 3,500 | 4,000 |
ブラックニッカ スペシャル | 1,350 | 1,490 |
ブラックニッカ クリア | 900 | 990 |
ブラックニッカ リッチブレンド | 1,330 | 1,460 |
ブラックニッカ ディープブレンド | 1,500 | 1,650 |
ハイニッカ | 1,200 | 1,320 |
1-2.価格改定実施日
価格改定後の新価格は、2024年4月1日出荷分より適用されます。
1-3.値上がりの理由
アサヒビールはプレスリリースの中で、国産ウイスキーの値上げに対して下記の通り説明しています。
現在、原材料や包装資材・エネルギー価格の高騰に加え、輸送にかかる物流費などのコスト上昇が継続しています。このような厳しい環境の中、高品質で安心・安全な商品を安定的に提供するため、事業活動全体でコスト削減や生産性の向上に努めてきましたが、企業努力だけで吸収することが困難な状況です。また、日本のウイスキーの評価が世界的に高まり需要が増加する中、ニッカウヰスキー余市蒸溜所・宮城峡蒸溜所に積極的な設備投資を行ってきましたが、今後も商品の安定供給と品質向上に向けて生産設備の増強が必要です。
引き続きお客さまに高品質な商品を安定的に提供するため、今回やむを得ず一部商品を対象に価格改定を実施することとしました。アサヒグループが掲げる“期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造”の実現に向けて、より一層努力していきます。
2.市場価格の動向
現状のニッカウヰスキーの国産ウイスキーの動向について触れておきたいと思います。
2-1.ネット販売
代表的なネット販売モール「楽天市場」や、「Amazon」では、現状「竹鶴」を定価で購入する事はほぼ難しい状況となっているどころか、改定後の新価格よりも高い価格で販売されています。「余市」「宮城峡」に関しては一部店舗で定価に近い価格で購入できそうです。
2-2.量販店やコンビニ等のでの小売り販売
「イオン」や「コストコ」などの大手量販店や、「セブンイレブン」などのコンビニ、小売りをメインとするリカーショップ(酒屋)では、安定的に供給されている事はほぼ無く入荷され店頭に並ぶとすぐに売り切れとなる状況が続いているようです。販売価格は、定価で販売される場合もあれば、プレミア価格として販売される場合もあるようです。
2-3.業務店(飲食店)等への販売
業務用卸からBAR業態、レストラン・居酒屋業態への販売についても、仕入れ困難な状況が続いており、月に1~2本仕入が出来るかどうか・・・という状況のようです。
3.まとめ
今回アサヒビールは国産洋酒では取り扱う商品の9割にあたる13ブランド54品が値上げの対象となりました。
前回の値上げが2022年10月ということで1年6カ月ぶりですが「また値上げするの?」というのが正直な感想でしょうか。この先も値上げペースが同様に続くようなら主要銘柄がほとんど1万円を超えてくる時代もやってくるのでしょうか。
まだまだ需要に対して供給が追いついていない印象がある国産ウイスキーですが、海外への輸出は年々増加している現状があります。この先も更なる値上げが待ってると言えるのではないでしょうか。