ジャパニーズウイスキーの原酒交換によるヴァッテドモルトジャパニーズウイスキー。厚岸×津貫11月下旬にそれぞれの蒸溜所から発売決定。
厚岸蒸溜所初となる原酒交換で生まれたヴァッテドモルトウイスキーの発売情報が公開されました。
厚岸蒸溜所と津貫蒸溜所の2つの蒸溜所は、同じ2016年に蒸溜を開始し、津貫の原酒を厚岸で熟成したモルトと厚岸モルトの2つの原酒をバッティングして生まれました。
同時発売となる津貫×厚岸はこちらから↓
1.マルスウイスキー モルトデュオ 津貫×厚岸 2024
2016年、北海道と鹿児島それぞれの地でウイスキー製造を開始した厚岸蒸溜所とマルス津貫蒸溜所。互いに妥協なき原酒づくりに真摯に向き合い、自然に恵まれたふたつの蒸溜所はお互いのモルト原酒を交換し、それぞれの地で熟成を始めました。北の地に拠する厚岸蒸溜所で熟成させた「厚岸」「津貫」ふたつのモルト原酒をヴァッティングしたヴァッテッドモルトジャパニーズウイスキー。ウイスキーへかける情熱が北緯東経を越え、特別な1本が生まれました。
引用:新商品情報【厚岸ヴァッテッドモルトジャパニーズウイスキー カムイウイスキー®カパッチリカムイ】11月下旬より発売 | 堅展実業株式会社厚岸蒸溜所のプレスリリース (prtimes.jp)
2.商品スペック
カパッチリカムイとはアイヌ語で大鷲を指す言葉であり、白い羽と黒い羽のコントラストの美しい猛禽類です。北の厚岸と南の津貫の異なる原酒を合わせたこの商品に合うラベリングではないでしょうか。
製品名 | 厚岸ヴァッテッドモルトジャパニーズウイスキー カムイウイスキー®カパッチリカムイ |
酒別 | ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー |
樽酒 | 非公開 |
瓶詰本数 | 非公開 |
アルコール度数 | 47% |
希望小売価格 | 29,700円(税込) |
3.抽選購入方法
4.メーカー
堅展実業株式会社
設立 | 1982年 |
本社所在地 | 〒100-0011 東京都千代田区内幸町1丁目1-1 帝国ホテル東京内 |
所有蒸留所 | 厚岸蒸溜所 |
5.蒸留所
厚岸蒸溜所
所在地 | 〒088-1124 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2 |
操業開始 | 2016年10月 |
2015年 蒸溜所建設を開始
2016年 10月蒸溜開始
2017年 第2熟成庫完成
2018年 2月厚岸蒸溜所として初商品リリース。第3熟成庫完成
2020年 2月初のシングルモルトウイスキー「サロルンカムイ」をリリース。
4月第4熟成庫完成。
10月二十四節季シリーズ第一弾「シングルモルト寒露」をリリース。
2021年 精麦棟の新設(稼働は2022年)
2023年 4月第5熟成庫完成。
「スコットランドの伝統的製法を受け継ぎ、かつ厚岸らしい風味のウイスキー」がコンセプト。
潮気を含んだ深い霧、清澄な空気、豊富な泥炭。北海道・厚岸の風土こそ、私たちの求める未知なるジャパニーズウイスキーの風味をつくり出してくれると信じ、2016年に蒸留を開始しました。
北海道という土地、厚岸という土地の“テロワール”をウイスキーづくりに活かせるように、私たちはこの地で技術を磨き続けるとともに、土地の人々や自然とより深く向き合っていきたいと思います。北海道の大地で育まれた大麦やミズナラ、厚岸の美しい水や、ゆたかなミネラルを含んだピート。すべてを北海道からつくり、他のどこにも無いジャパニーズウイスキーを世界へ届けていくことが、私たちの願いです。
引用:Blender’s Attention ブレンダーのこだわり【厚岸蒸溜所】
「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いのもと、設備はスコットランドのフォーサイス社製のものを導入。施工はすべてフォーサイス社の職人が来日して実施。ポットスチルの形状はストレートヘッドのオニオンシェイプで、アイラ島のいくつかの蒸留所のものと似ています。加熱はラジエーター方式(間接加熱)、付属するコンデンサーはシェル&チューブ式でマッシュタンはセミロイター式です。
発酵槽(ウォッシュバック)は全てステンレス製で、あえて温度調整はできないタイプに。自然に任せながら、クラフトマンが発酵のタイミングを見極めます。
熟成庫は現在、第1~第5熟成庫まで。第1はダンネージ式、第2熟成庫(充填棟の隣)は現在出荷前の製品保管に使用。第3~第5熟成庫はラック式を採用、厚岸湾を望む丘の上にあり海の香り漂う「海霧」が厚岸町全体を包み込みモルトの熟成を深めるなど、ウイスキーの特性に良い影響を与えることが期待できます。
熟成樽はバーボン、シェリーに加え、入手困難な「ミズナラ」も使用。さらにワインやラム樽とのマッチングなど、あらゆる可能性に挑戦しています。
また、ウイスキーの原料となる大麦を厚岸内で栽培し、ピートや熟成のための木樽も含めてすべて厚岸産でおこない、将来的には「厚岸オールスター」のウイスキー造りを目指しています。新たな取組みで2021年8月、厚岸蒸溜所で蒸留した原酒を試験的に富良野で熟成させるという取組みも始まりました。富良野で熟成された原酒はどのような変化をもたらしてくれるのか。地元の厚岸のみならず「北海道」という偉大な個性を活かす、これこそまさにテロワール。ワイン通の人は良く耳にしてきたであろう「テロワール」の考えをウイスキーに取り入れ、「厚岸という個性」と「北海道という個性」を融合し、それらの土地のテロワールを活かしたウイスキー造りは魅力的であり期待値は無限大です。
厚岸町周辺の厚岸湖と別寒辺牛湿原はラムサール条約の登録湿地です。ラムサール条約とは、1971年2月2日にイランのラムサールで採択された湿地に関する条約で、水鳥をはじめとする野生動物の生息地となっている湿地を、国際的な協力のもと保全および賢明に利用することを目的としています。
当社もこの豊かな自然を守り、共存していく蒸留所を目指しています。
ウイスキーに使用する上水の取水口は、蒸留所のそばを流れる尾幌川上流のホマカイ川。その周辺は湿原地帯で、清流にしか生息しないといわれるバイカモの生息地です。夏季に咲く小さな白い花は豊かな水のシンボル。この水が厚岸のウイスキーを育みます。
引用元:厚岸蒸溜所公式HP
厚岸蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。