厚岸蒸溜所より二十四節季シリーズ最新作『小暑』が発売開始。商品のレビューと特徴や価格、購入方法を解説。
二十四節季シリーズも第16弾となりました。3か月に1度リリースされる本作を試飲させていただく度に、時の速さと蒸留所の歩みが思い出されます。
今回の暦は『小暑』
蝉が鳴き始め、「夏至」も過ぎたが陽はまだ長く、梅雨も明けて本格的に暑くなり始める時期。ここから次の節季の「大暑」と合わせての約1か月は、暑中となり、暑中見舞いの時期となります。2024年の小暑は7月6日。
第1弾 | シングルモルトウイスキー寒露 | 2020年10月28日発売 |
第2弾 | ブレンデッドウイスキー雨水 | 2021年2月28日発売 |
第3弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー芒種 | 2021年5月28日発売 |
第4弾 | ブレンデッドウイスキー処暑 | 2021年8月25日発売 |
第5弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー立冬 | 2021年11月25日発売 |
第6弾 | ブレンデッドウイスキー大寒 | 2022年2月25日発売 |
第7弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー清明 | 2022年5月30日発売 |
第8弾 | ブレンデッドウイスキー大暑 | 2022年8月26日発売 |
第9弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー大雪 | 2022年12月5日発売 |
第10弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー啓蟄 | 2023年2月27日発売 |
第11弾 | ブレンデッドウイスキー小満 | 2023年5月31日発売 |
第12弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー白露 | 2023年8月24日発売 |
第13弾 | ブレンデッドウイスキー小雪 | 2023年11月22日発売 |
第14弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー立春 | 2024年2月22日発売 |
第15弾 | ブレンデッドウイスキー穀雨 | 2024年5月25日発売 |
第16弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー小暑 | 2024年8月26日発売 |
1.商品名と写真
厚岸 シングルモルトジャパニーズウイスキー 小暑
AKKESHI Single Malt Japanese Whisky SHOUSHO
2.特徴
2-1.テイスティングノート
香り | バナナジュース、ベーコンエッグガレット、生ハムメロン |
味わい | 潮と黄金糖、ライム様の柑橘、ジンジャーブレッド、白胡椒 |
余韻 | ピートと塩味の爽やかな風味が鼻を抜け、複雑な甘みや酸味が長く残る |
2-2.商品スペック
アルコール度数 | 55% |
酒別 | シングルモルトジャパニーズウイスキー |
樽酒 | キーモルト:オール北海道産ウイスキー (北海道麦芽、厚岸蒸溜、北海道産ミズナラ樽使用原酒) |
内容量 | 700ml |
販売本数 | ー |
発売日 | 2024年8月26日 |
3.受賞歴
現時点での受賞歴はありません。
4.価格
4-1.メーカー希望小売価格
商品名 | 厚岸 シングルモルトジャパニーズウイスキー 小暑 |
容量 | 700ml |
希望小売価格 | 23,100円(税込) |
4-2.メルカリでの転売価格
メルカリでの転売価格は、35,000円〜45,000円程の価格帯で出品されています。(※2024/8/27時点、当社調べ)
4-3.ヤフーオークション落札価格 ※2024年8月22日更新
最新のヤフーオークションでの価格は、31,000円での出品が確認されました(※2024/8/27時点)
4-4.楽天、ヤフーショッピング、Amazon ※2024年8月22日更新
通販サイトでは、抱き合わせのセット販売が多くされているようです。いずれも35,000円前後 での価格で、定価よりも高い状況です。(※2024/8/27時点)
4-5.BAR新海での提供価格
当サイトが運営する「BAR新海」では、1杯、 45ml:6,270円、30ml:4,180円、15ml:2,090円で提供しております。
5.メーカー
堅展実業株式会社
設立 | 1982年 |
本社所在地 | 〒100-0011 東京都千代田区内幸町1丁目1-1 帝国ホテル東京内 |
所有蒸留所 | 厚岸蒸溜所 |
6.蒸留所
所在地 | 〒088-1124 北海道厚岸郡厚岸町宮園4丁目109-2 |
操業開始 | 2016年10月 |
2015年 蒸溜所建設を開始
2016年 10月蒸溜開始
2017年 第2熟成庫完成
2018年 2月厚岸蒸溜所として初商品リリース。第3熟成庫完成
2020年 2月初のシングルモルトウイスキー「サロルンカムイ」をリリース。
4月第4熟成庫完成。
10月二十四節季シリーズ第一弾「シングルモルト寒露」をリリース。
2021年 精麦棟の新設(稼働は2022年)
2023年 4月第5熟成庫完成。
「スコットランドの伝統的製法を受け継ぎ、かつ厚岸らしい風味のウイスキー」がコンセプト。
潮気を含んだ深い霧、清澄な空気、豊富な泥炭。北海道・厚岸の風土こそ、私たちの求める未知なるジャパニーズウイスキーの風味をつくり出してくれると信じ、2016年に蒸留を開始しました。
北海道という土地、厚岸という土地の“テロワール”をウイスキーづくりに活かせるように、私たちはこの地で技術を磨き続けるとともに、土地の人々や自然とより深く向き合っていきたいと思います。北海道の大地で育まれた大麦やミズナラ、厚岸の美しい水や、ゆたかなミネラルを含んだピート。すべてを北海道からつくり、他のどこにも無いジャパニーズウイスキーを世界へ届けていくことが、私たちの願いです。
引用:Blender’s Attention ブレンダーのこだわり【厚岸蒸溜所】
「スコットランドの伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という強い想いのもと、設備はスコットランドのフォーサイス社製のものを導入。施工はすべてフォーサイス社の職人が来日して実施。ポットスチルの形状はストレートヘッドのオニオンシェイプで、アイラ島のいくつかの蒸留所のものと似ています。加熱はラジエーター方式(間接加熱)、付属するコンデンサーはシェル&チューブ式でマッシュタンはセミロイター式です。
発酵槽(ウォッシュバック)は全てステンレス製で、あえて温度調整はできないタイプに。自然に任せながら、クラフトマンが発酵のタイミングを見極めます。
熟成庫は現在、第1~第5熟成庫まで。第1はダンネージ式、第2熟成庫(充填棟の隣)は現在出荷前の製品保管に使用。第3~第5熟成庫はラック式を採用、厚岸湾を望む丘の上にあり海の香り漂う「海霧」が厚岸町全体を包み込みモルトの熟成を深めるなど、ウイスキーの特性に良い影響を与えることが期待できます。
熟成樽はバーボン、シェリーに加え、入手困難な「ミズナラ」も使用。さらにワインやラム樽とのマッチングなど、あらゆる可能性に挑戦しています。
また、ウイスキーの原料となる大麦を厚岸内で栽培し、ピートや熟成のための木樽も含めてすべて厚岸産でおこない、将来的には「厚岸オールスター」のウイスキー造りを目指しています。新たな取組みで2021年8月、厚岸蒸溜所で蒸留した原酒を試験的に富良野で熟成させるという取組みも始まりました。富良野で熟成された原酒はどのような変化をもたらしてくれるのか。地元の厚岸のみならず「北海道」という偉大な個性を活かす、これこそまさにテロワール。ワイン通の人は良く耳にしてきたであろう「テロワール」の考えをウイスキーに取り入れ、「厚岸という個性」と「北海道という個性」を融合し、それらの土地のテロワールを活かしたウイスキー造りは魅力的であり期待値は無限大です。
厚岸町周辺の厚岸湖と別寒辺牛湿原はラムサール条約の登録湿地です。ラムサール条約とは、1971年2月2日にイランのラムサールで採択された湿地に関する条約で、水鳥をはじめとする野生動物の生息地となっている湿地を、国際的な協力のもと保全および賢明に利用することを目的としています。
当社もこの豊かな自然を守り、共存していく蒸留所を目指しています。
ウイスキーに使用する上水の取水口は、蒸留所のそばを流れる尾幌川上流のホマカイ川。その周辺は湿原地帯で、清流にしか生息しないといわれるバイカモの生息地です。夏季に咲く小さな白い花は豊かな水のシンボル。この水が厚岸のウイスキーを育みます。
引用元:厚岸蒸溜所公式HP
厚岸蒸溜所の情報はこちら↓もご覧ください。
7.まとめ
今回は公式テイスティングノートから、バナナジュースのコメントがありましたが、初めに香りをかいだ際にはまさにその通りでした。厚岸の特徴的なピートフレーバーは残しつつも、シリーズ内でも、フルーティーさと塩味が際立つシングルモルトではないかと思います。
蒸溜所公式Facebookを見る限り、次回はおそらくブレンデッドウイスキー『霜降(そうこう)』でのリリースとなり、その後はシングルモルトが続いて販売される予定の様です。
その後は小寒、立夏、立秋と続き、シリーズ最後には二至二分スペシャルボトル
「春分」、「夏至」、「秋分」、「冬至」の4製品が厚岸二十四節季シリーズの締めくくりとなり、原材料や製造方法に特別の趣向を凝らした厚岸ウイスキーとなるそうです。
最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍
世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。
(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.46 2024年10月号
【巻頭特集】
「新アイリッシュ・ルネッサンス[第1弾]」
【第2特集】
「ガロア的 東京のバー、パブ巡り」
【連載】
「ジャパニーズクラフトの開拓者たち」
前号からスタートしたこの連載。第2回では厚岸蒸溜所の樋田恵一氏を編集長がインタビューします。
(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー
世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。
(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)
日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。
(4).新世代蒸留所からの挑戦状
2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。
(5).ウイスキーライジング
2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。
(6).ウイスキーと風の味
1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。