【ISC2023】インターナショナルスピリッツチャレンジ2023受賞結果発表

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ジャパニーズウイスキー多数受賞!インターナショナルスピリッツチャレンジ2023の結果を抜粋して紹介。

イギリスの酒類専門の出版社「ドリンクス・インターナショナル」が主催する「インターナショナルスピリッツチャレンジ」(以下ISC)の結果が公表されました。

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1.インターナショナルスピリッツチャレンジ(ISC)とは?

今年28回目を迎える、国際的なスピリッツ(蒸溜酒)の品評会がロンドンで行われました。
三つのジャンルに分類されており、香味を評価対象にした「テイスティングアワード」、デザインを評価対象にした「デザイン&パッケージングアワード」、蒸溜所の魅力を評価対象にした「スピリッツツーリズムアワード」があります。
「テイスティングアワード」ではウイスキー部門、ブランデー部門、ラム部門、ホワイトスピリッツ部門、リキュール部門、焼酎部門があり、世界約70カ国からエントリーされ約2,200品以上のスピリッツが出品されています。
世界的に有名なスピリッツ業界の専門家がブラインドテイスティングで審査され、優れているものから順にダブルゴールド、ゴールド、シルバー、ブロンズが決定されます。

ジャパニーズウイスキーの過去の受賞

最高賞はダブルゴールドから選ばれる「トロフィー」で、ウイスキー部門では、日本のサントリーウイスキーの「響30年」が2004、06、07、08年と、過去に4回受賞しています。
2009年10月に行われた第13回では、ニッカウヰスキーの「竹鶴21年ピュアモルト」が初めてトロフィーを受賞しました。
それ以来ニッカウヰスキー竹鶴シリーズは10年以上に渡って金賞受賞を続けています。
さらにその各部門、全ての「トロフィー」の中から、蒸留酒としてもっと優れた銘柄に「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」の称号が与えられます。
過去にこの「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」を2017年にサントリーの「響21年が手にしています。

ほかのウイスキーの国際的なアワードとしては、同じイギリスのウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」誌の発行元が開催しているワールド・ウイスキー・アワード(WWA)もあります。
ちなみに出品すると全ての銘柄が何かしらの賞を、最低でもブロンズを受賞する事ができるようになっています。
それでは、今回はウイスキー部門のダブルゴールドとゴールドを受賞したウイスキーをご紹介したいと思います。

2.ダブルゴールド受賞

1-1.サントリー 響21年

 

【レビュー】響21年
世界最高峰のブレンデッドウイスキー響21年。現在非常に入手困難となっている。きわめてフルーティーで、花を想わせる熟成香。口当たりはなめらか。21年ものならではの重厚なコシ気品のあるコク。奥ゆきのある余韻の長いアフターテイスト。2017年ISC「シュプリームチャンピオンスピリット」受賞

1-2.サントリー 響30年

年間数千本しかつくれない、貴重で希少な数量限定商品です。
筆者も飲んだ事がありません。
モルト原酒にはサントリー秘蔵の超長期熟成樽の中から最低でも酒齢30年以上のモルト原酒が入念に選ばれます。
これに酒齢30年以上の円熟グレーン原酒を吟味して丁寧にブレンドします。
贅を極めた宝石のような美酒として、30面カットのクリスタルボトルに封じてお届けします。

1-3.サントリー 山崎25年

こちらも飲んだ事がありません。
高貴な木香と複雑な甘さ、伸びのある深い余韻。
ミズナラ樽をはじめ、スパニッシュオーク樽やアメリカンオーク樽で超長期熟成を重ねた酒齢25年以上の大変希少なモルト原酒を厳選し、丁寧にブレンド。年間生産本数千数百本の限定品です。

1-4.ニッカウヰスキー 余市ウッディ&バニラ

 

【レビュー】シングルモルト余市ウッディ&バニラ
樽由来のウッディさとバニラ感がうまく融合されたボトル。ややピリピリしたアルコールの刺激が感じられるものの、新樽からくるメロンやバニラのようなフレッシュ感も感じられる。飲み始めは銘柄のとおりバニラの香りが先に立ち後からバーボンの持つエステリーな香りがほのかにやってきます。

2.ゴールド受賞

2-1.イチローズモルト DOUBLE DISTILLERY

 

【レビュー】イチローズモルト ダブルディスティラリーズ(DD)
2009年、WWA(ワールドウイスキーアワード)にて「ベストジャパニーズ・ブレンデッドモルト」受賞。羽生蒸留所と秩父蒸留所のモルト原酒をバッティング、羽生蒸留所のモルト原酒はパンチョン樽を主体に「シェリー樽」、秩父蒸留所のモルト原酒は「ミズナラ樽」を使用。

2-2.昌廣 Pure Malt Whisky 12 Years Old Oloroso Sherry Cask

画像出典:SINGROUP

泡盛を作る酒蔵として有名で、まさひろOKINAWA GINでも知られるまさひろ酒造のウイスキー。
12年物との事だが12年前に蒸留していたかは不明であり受賞しているにもかかわらず公式サイトには受賞を知らせる記載が一切ない。

2-3.山桜 Blended Malt Japanese Whisky 安積 Sherrywood Reserve

【レビュー】山桜ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー シェリ...
かねてから弊社が貯蔵熟成していた国産原酒と安積蒸留所の原酒を厳選しブレンド。シェリーカスクにて更に約18ヶ月熟成したブレンデッドモルトジャパニーズウイスキー重厚感とシェリー由来の美しい甘さがバランス良く感じられ余韻も長め。

2-4.大名乃 忍 Blended Whisky

画像出典:SINGROUP

巷では謎ウイスキーと言われている一本。

2-5.イチローズモルト&グレーン Blended Japanese Whisky2023

【レビュー】イチローズ モルト&グレーン ブレンデッド ジャパニ...
秩父蒸溜所、羽生蒸溜所、川崎蒸溜所の原酒をバランスよくブレンド。複雑な味わいと原酒の熟成感を楽しめる逸品です。

上記リンク記事は2022年物の一本

2-6.キリン Single Blended Japanese Whisky 富士 FUJI

【レビュー】シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士
シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー富士。仕込から熟成までを全て富士山のふもとで行う、富士御殿場蒸溜所ならではの多彩なモルトとグレーンをブレンドした、世界でも稀有な商品です。

2-7.京都 Whisky (Nishijin-ori西陣織) KURO-OBI 黒帯

京都みやこ蒸溜所が作るウイスキー。
羽織なのか空手の黒帯なのか情報が多いですがラベルの色がそうで、ほかに赤帯、紫帯があります。

2-8.松井 Blended Whisky The 山陰

Blended Japanese Whisky「San-in」

画像出典:松井酒造

松井酒造から発売さえているブレンデッドウイスキー。
安価で手に入りやすい。

2-9.サントリー  響 BLENDER’S CHOICE

【レビュー】響ブレンダーズチョイス
響17年の後継品として2018年9月に発売。 平均熟成15年、1部30年を超える長期熟成原酒を使用していると言われていて、一部の原酒にワイン樽が使用されております。 ワイン樽で熟成されたウィスキーは熟成年数が短くてもまろやかで甘さのある味を作り出し、バランスのとれた味わいとなります。

 

2-10.サントリー 響 JAPANESE HARMONY Master’s Select

海外限定のマスターズセレクトは通常のJAPANESE HARMONYに、山崎シェリーカスク原酒をブレンドしたという一品。
海外市場は大きく決して無視できるものではないですが、ネットでプレ値でなら入手できますが、ぜひ日本でも正式に発売されてほしいですね。

2-11.OKINAWA ISLAND BLUE 43%

泡盛の久米仙酒造が作るライスウイスキー。

2-12.キリン Single Grain Whiskey  富士 FUJI

【レビュー】シングルグレーンウイスキー富士
世界的に評価の高い富士御殿場蒸留所のグレーンウィスキー原酒のみを使用しており、香味タイプの異なる3種類のグレーン原酒を組み合わせ、それぞれの香味特長を生かした味わいになっている。フルーティーな果実香、オレンジやグレープが感じられる香味が特長のウィスキー。

 

2-13.ニッカ The Grain Whisky

【レビュー】ニッカ ザ・グレーン
「ニッカ ザ・グレーン」は、2023年3月28日発売、13,200円(税込)。2021年から展開する“NIKKA DISCOVERYシリーズ”の第3弾商品としてリリース。ニッカウヰスキーが保有する“グレーンウイスキーの多様性”に着目し開発されたウイスキー。

 

2-14.白州 SINGLE MALT WHISKY 25 YEARS OLD

WWAことワールドウイスキーアワードでも「ワールドベストシングルモルトウイスキー」の称号が送られ“世界一おいしいシングルモルトウイスキー”と言われたのは2020年。もうもはや殿堂入りでも良い気が・・・。
一生に一度は飲んでみたいウイスキーです。

2-15.白州 SINGLE MALT JAPANESE WHISKY PEATED MALT 18 YEARS OLD

画像出典:海外公式サイト

本当に存在するのかとさえ思ってしまう、白州ピーテッド18年が受賞。

2-16.白州 SINGLE MALT WHISKY 18 YEARS OLD

ピーテッドとダブル受賞です。

【レビュー】シングルモルト白州18年
長期熟成モルトならではの深い味と香り。複雑なコクと甘み、豊かな樽香が見事に調和。 かすかなスモーキーさを含んだ余韻も心地よい。酒齢18年以上の長期熟成モルトが、 深い香りとほのかなスモーキーさを醸し出します。複雑なコクと甘み、馥郁とした樽香が見事に調和。スモーキーで心地よい余韻。

 

2-17.山崎 SINGLE MALT  MIZUNARA  CASK 18 YEARS OLD

2017年に発売された「山崎18年ミズナラ2017 EDITION」では、国内向けに1,500本、海外向け3,500本の非常に数が少ない限定品でした。
幻の一本からゴールドの受賞となりました。

2-18.山崎 SINGLE MALT WHISKY 12 YEARS OLD

 

【レビュー】シングルモルト 山崎12年
日本のウイスキー発祥の地、山崎蒸溜所の竣工60年目の1984年に発売。熟成12年を超えた「パンチョン樽」「シェリー樽」「ミズナラ樽」の原酒を使用。2003年の初受賞から、ISC金賞、SWSC最優秀金賞を何度も受賞するなど、世界中が認めるジャパニーズウィスキーの代表格。

2-19.山崎 SINGLE MALT WHISKY 18 YEARS OLD

【レビュー】シングルモルト山崎18年
シェリー樽熟成由来の甘いドライフルーツや香ばしいチョコレートの香りが印象的。ミズナラ樽の長期間熟成原酒も潜む熟成感と奥行きのある味わい。酒齢18年以上のシェリー樽熟成原酒を中心にじっくりと後熟したフルボディタイプ。圧倒的な熟成感を堪能できる逸品!

2-20.キリン Single Malt Japanese Whisky 富士 FUJI

【レビュー】シングルモルトジャパニーズウイスキー富士
シングルモルトジャパニーズウイスキー富士は、キリン富士御殿場蒸留所より2023年5月16日発売。6,600円(税込)。「クリーン&エステリー」なスタイルの軽やかで華やかなモルト原酒と、フルーティでクリーミーな味わいのモルト原酒。バーボンバレルを主体に、ビール熟成樽やフレンチオークのワイン熟成樽も使用。

 

2-21.キリン Single Malt Japanese Whisky 富士 FUJI 50th Anniversary Edition

富士御殿場蒸溜所設立50周年を記念して限定発売された一本。
1970年、80年、90年、00年、10年とそれぞれの年代から選りすぐりの原酒を使用しているのが特徴。

2-22.宮城峡 Single Malt Aromatic Yeast

 

 

【レビュー】シングルモルト宮城峡アロマティックイースト
宮城峡アロマティックイーストは、ニッカセッションより2022年9月27日発売、税込22,000円。宮城峡の特徴でもあるエレガントで華やか。熟したアプリコットのような香りや濃厚な果実の甘さとモルトのコク、樽香が心地よく続きます。

2-23宮城峡 Single Malt Fruity & Rich

蒸溜所でのみ買える500ML入りの&シリーズ。
様々な○○&○○シリーズが存在するのは発酵工程におけるニッカ特有の酵母を使用した作り分けに由来する。

2-24.Single Malt KANOSUKE

 

【レビュー】シングルモルト嘉之助
シングルモルト嘉之助は、嘉之助蒸溜所の定番フラッグシップ商品として2023年1月18日発売。9,900円(税込)。ノンピート麦芽を使用し、アメリカンホワイトオークのリチャーカスクで熟成した原酒をキーに、複数の樽をヴァッティング。

2-25.Single Malt 駒ヶ岳 2022 Edition

 

【レビュー】シングルモルト駒ヶ岳2022エディション
駒ヶ岳2022エディションは、本坊酒造より2022年9月16日発売。8,800円(税込)。マルス信州蒸溜所にてバーボンバレルで熟成させた原酒を主体に、シェリーカスク熟成原酒とポートカスク熟成原酒でアクセントをつけたシングルモルトウイスキー。

2-26.Single Malt Whisky 江井ヶ嶋 SEXTET

SEXTET(六重奏)を意味し、6つの樽を使用している。

2-27.厚岸 Single Malt Japanese Whisky 清明

 

【レビュー】厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー清明(せいめ...
厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー清明(せいめい) は、キーモルトにオール北海道産ミズナラ。程良いコクとビターな甘さの後に潮っぽいピートがふわっと上がってきます。これぞ厚岸と言える味わい。2022年5月30日発売。19,800円(税込)

2-28.山崎 SINGLE MALT WHISKY

ノンエイジからの受賞。

 

【レビュー】シングルモルト山崎NV(ノンヴィンテージ)
サントリー山崎蒸留所より、1984年3月14日に誕生した「シングルモルト山崎」。現在の山崎は2012年5月29日にラインナップ。フルーツのような甘くやわらかい香りと、なめらかな口当たりで数種類の樽由来の複雑なフレーバーが特徴。

2-29.山崎 SINGLE MALT WHISKY LIMITED EDITION 2022

ミズナラ樽を贅沢に使用した、1000本限定のリミテッドエディション。

2-30.余市 Single Malt

こちらもノンエイジからの受賞。

 

【レビュー】シングルモルト余市
2015年9月1日発売。シングルモルト余市。2017 ISC金賞。ストレートヘッド型ポットスチルと石炭直火蒸留ならではの重厚さと香ばしさ。ヘビーピートタイプの原酒が力強く主張し、新樽モルトとシェリー樽モルトのしっかりとしたボディ感とウッディな樽の風味、ピート香とソルティさを感じる個性的なシングルモルト。

2-31.余市 Single Malt Grande

海外免税店向け商品。

空港免税店向け【2022年4月12日発売】シングルモルト余市グラ...
余市・宮城峡のそれぞれのブランド個性をさらに際立たせたボトル。余市で言えば「ピート」、宮城峡で言えば「エレガント」な部分。

2-32.余市 Single Malt Peaty & Salty

【レビュー】シングルモルト余市ピーティ&ソルティ(蒸留所限定)
迫ってくる潮の匂いと強烈なピートの香りストレートで飲むとピート塩がふわっと広がり、名前の通り!バランスも良くてなかなか美味しい。ロックで飲むと鼻に突き通されるようにヨードや正露丸のようなピートの香りが強烈に襲いかかってきます。その強さはラフロイグ10をも超える勢いです。

2-33.三郎丸Ⅱ The high priestess Cask strength

 

【レビュー】シングルモルト三郎丸Ⅱ THE HIGH PRIES...
シングルモルト三郎丸Ⅱ THE HIGH PRIESTESS カスクストレングスは、三郎丸蒸溜所より2022年11月24日発売。18,150円(税込)。ZEMON蒸留初のシングルモルト。酒質が洗練され若い熟成年数のヘヴィリーピーテッドでありながらも、優美さを併せ持つシングルモルト。

2-34.余市 Single Malt 10 Years Old

約7年ぶりとなるエイジング表記の余市
年間9000本を出荷しているようなので、いつかは酒屋さんで見つける事が出来るかも知れません。

3.まとめ

如何でしたでしょうか。
ゴールド、ダブルゴールド計38本をご紹介させて頂きました。
サントリー、ニッカ、キリンあたりはほとんどの商品が受賞していましたね。
全てのエントリー商品になにかしらの賞を贈るのは素晴らしい事だと思いますが、誤解を招きやすい事も懸念しています。
あやしいフェイクジャパニーズが受賞し、真っ当な蒸溜所と同列になってしまい、さらに世界各国でも誤解が生じるでしょう。
この受賞商品の中には、香港が本社にあり日本人が一人もいない会社が、どこで作られたものかもさっぱりわからない物にジャパニーズウイスキーと銘打って販売されているものもありました。
世界中で行われている品評会の審査員側に、「ジャパニーズウイスキーの定義」が認知されれば、もしかしたら未然に参加を防げるのかもしれません。
正しく世界にジャパニーズウイスキーの素晴らしさが広まる事を願っています。

この記事を書いた人
万代 竜一

福岡県福岡市出身
福岡にある中洲のBARで14年間修行後、俳優業での活動の拡大も兼ねて2018年上京。俳優佐藤二朗氏作の舞台にて東京初舞台を踏む。特技はギターとビール好きが高じてビール銘柄をブラインドで当てられる事。
最初はウイスキーを飲み慣れておらず苦手だったものの、深く知るにつれて作っている人達の想いが強い事に感銘を受けて、作り手の方達を知ってもらえる一助になれば、と思いJWDに参加。現在はウイスキーが大好き。

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