【2022年10月1日】ニッカウイスキー値上げ

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ニッカウヰスキー余市蒸溜所宮城峡蒸溜所

アサヒビールは2022年10月1日の出荷分から一部商品の値上げを発表。
対象商品はビール・RTD(酎ハイなど)・ノンアルコール飲料・ウイスキーで合計162品目。あの「スーパードライ」も値上げの対象です。
162品目の内、ウイスキーは10品目が値上げとなるようです。
ジャパニーズウイスキーは「シングルモルト余市」「シングルモルト宮城峡」などが対象。「ブラックニッカ」などスタンダード価格帯の商品は対象外とのことです。

 

値上げされるウイスキー10品目のうち、メーカーに確認が取れた7品目は以下掲載。

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1.ウイスキーの対象商品と改定額

現在、公式HPなどでは具体的な対象商品が記載されていないですが、問い合わせをして確認の取れた商品が以下となります。

商品名容量希望小売価格(税別)価格改定率
竹鶴ピュアモルト700ml4,000円4,500円13%
シングルモルト余市700ml4,200円4,500円7%
シングルモルト宮城峡700ml4,200円4,500円7%
ザ・ニッカ700ml6,000円6,500円8%
スーパーニッカ700ml2,500円2,800円12%

スーパーニッカ

500ml1,830円2,050円12%
フロム ザ バレル500ml2,400円2,800円17%

*価格はあくまで参考価格となり、販売店の自主的な価格設定を拘束するものではありません。

2.推論

原油価格の高騰や原材料費・梱包費・物流費などのコスト上昇によるもので、アサヒビールは「高品質で安全・安心な商品を安定的に提供」する為、企業努力だけではそれらのコストを吸収することが困難な状況であり、今後も見据えた生産体制の強化に向けやむを得ず値上げを実施することになったと発表。

 

2022年10月1日の改定価格までの期間やその後、どのようなことが起こるのか推論してみました。

2-1.一時的な品薄

10月1日を迎えるまでの間、上記対象のウイスキーの買い占めは予想されます。とくに「竹鶴ピュアモルト」や「フロム ザ バレル」は人気が高いウイスキーであり、値上げ率も高いことから間違いなく争奪戦となると予想されます。
今現在でも店頭で見かけることはほとんどありませんが、より出会う可能性は低くなってしまうと思います。

2-2.他の企業の値上げ

昨年から各メーカーの値上げが相次いで発表されております。

今後においても値上げするメーカーが更に増えてくることが予想されます。

メーカー値上げ時期主な銘柄
厚岸蒸溜所2021年11月2021年11月発売「シングルモルト立冬」以降の商品。
サントリー2022年4月山崎白州・響・
秩父蒸溜所2022年4月

リーフシリーズ(MWR・WWR・DD・ワールドブレンデッドリミテッドエディション)

【2022年4月1日】サントリーウイスキー値上げ
2022年4月1日にサントリースピリッツは、施設の増設等を理由に一部商品の値上げを発表。対象商品の一覧や値上げ前、値上げ後の価格を記載。また、値上げすることで今後起こりうるメリット、デメリットについて考察し、まとめてみました。
【2022年4月1日より】イチローズモルト リーフシリーズ値上げ
2022年4月1日から、イチローズモルトの一部が値上げされることになりました。政策コストの増加などが原因に挙げられます。

3.まとめ

竹鶴ピュアモルトは新ラベルに変更時も1,000円の値上げがあり、今回更に500円の値上げ。

ニッカはもともと高額な商品がラインナップになかったこともあり、サントリー値上げの時ほど金額的な驚きが少ない印象はありますが、7~17%の値上げとなります。

値上げの裏には「将来の安定的供給」という目的もありますので、数年後か10年後あたりには今より良い状況になっていることを願うばかりです。

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最後に:ジャパニーズウイスキーのおすすめ書籍

世界的なトレンドを巻き起こしている「ジャパニーズウイスキー」の事をもっと知りたい、もっと勉強したいという方は、是非こちらの書籍をおすすめいたします。

(1).Whisky Galore(ウイスキーガロア)Vol.42 2024年2月号

【巻頭特集】ウイスキーの聖地 アイラ島の“現在”を読み解く
アイラ島のウイスキーは、昔から「アイラモルト」という独自のカテゴリーを与えられてきた。現在9ヵ所の蒸留所があり、さらに2つの新蒸留所計画が発表されている、この小さな島を改めて紹介。
また、現在入手可能なウイスキー8種を土屋編集長が飲み比べる。
●掲載蒸留所
ボウモア、アードベッグ、ラガヴーリン、ラフロイグ、カリラ、ブナハーブン、ブルックラディ、キルホーマン、アードナッホー

【第2特集】北アイルランドのウイスキー
世界の五大ウイスキーのなかで、いまもっとも伸びているのがアイリッシュ。ブームを牽引する北アイルランドの最新情報をリポート。
●紹介ウイスキー
ブッシュミルズ、エクリンヴィル、グレンズ・オブ・アントリム、ヒンチ、キルオーウェン、マコーネルズ、ショートクロス、タイタニック・ディスティラーズ、トゥー・スタックス

【蒸留所リポート】
2023年に100周年を迎えたジャパニーズウイスキー。その第一歩が踏み出され、昨年リニューアルしたばかりのサントリー山崎蒸溜所を取材。そのほか月光川蒸留所や、個性的なツアーを行っている八郷蒸溜所&安積蒸溜所も紹介。

【インタビュー】
ワイルドターキーのマスターディスティラーであるエディー・ラッセル氏と、その息子ブルース・ラッセル氏を編集長がインタビュー。またフィンランドで自国ライ麦にこだわったウイスキーを造るキュロ蒸留所のミイカ氏にも話を聞いた。

【特集】
ウイスキーフェスティバル2023 in TOKYO、ウイスキーコニサークラブ新潟蒸留所ツアー、下田ウイスキーフェスリポート。

(2).ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー

世界的にも有名なウイスキー評論家で、ウイスキー文化研究所代表 土屋守先生の著書「ビジネスに効く教養としてのジャパニーズウイスキー」です。
ウイスキーの基礎知識、日本へのウイスキーの伝来、ジャパニーズウイスキーの誕生、広告戦略とジャパニーズウイスキーの盛隆、そして、現在のクラフト蒸留所の勃興まで。日本のウイスキーの事が非常にわかりやすくまとめられた一冊。

(3).ウイスキーと私(竹鶴政孝)

日本でのウイスキー醸造に人生を捧げた、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝。ただひたすらにウイスキーを愛した男が自らを語った自伝の改訂復刻版。若き日、単身スコットランドに留学し、幾多の苦難を乗り越えてジャパニーズ・ウイスキーを完成させるまでの日々や、伴侶となるリタのことなどが鮮やかに描かれる。

(4).新世代蒸留所からの挑戦状

2019年発売。世界に空前のウイスキーブームが到来しているいま、クラフト蒸留所の経営者たちは何を考え、どんな想いでウイスキー造りに挑んだのか。日本でクラフト蒸留所が誕生するきっかけを作った、イチローズ・モルトで有名なベンチャーウイスキーの肥土伊知郎氏をはじめとする、13人のクラフト蒸留所の経営者たちが世界に挑む姿を綴った1冊。

(5).ウイスキーライジング

2016年にアメリカで出版された『Whisky Risng』の日本語版であり、内容も大幅にアップデート。ジャパニーズ・ウイスキーの歴史が詳細に記述されているだけでなく、近年、創設がつづくクラフト蒸溜所を含む、日本の全蒸溜所に関するデータも掲載。そのほかにも、今まで発売された伝説的なボトルの解説や、ジャパニーズ・ウイスキーが飲めるバーなども掲載されています。

(6).ウイスキーと風の味

1969年にニッカウヰスキーに入社した、三代目マスターブレンダーの佐藤茂夫氏の著書。
『ピュアモルト』『ブラックニッカクリア』『フロム・ザ・バレル』の生みの親でもあり、なかでも『シングルモルト余市1987』はウイスキーの国際的コンペティションWWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。
竹鶴政孝、竹鶴威の意志を引き継いだブレンダー界のレジェンドが語る今昔。

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この記事を書いた人
深瀬 悠二

北海道札幌市出身。
2005年、大手スポーツ用品販売チェーンに就職→2019年1月、BAR新海に就職しウイスキーの魅力に引き込まれ虜となる。初めて飲んだウイスキーはアードベッグ10年。ほぼ毎日ウイスキーを飲む中で更なる知識習得を目指し、ウイスキー検定2級とJC級(ジャパニーズクラフトウイスキー)を取得。
造り手の想いをしっかりと表現し、飲み手の方々に正しい情報を伝えたい。ウイスキーの魅力をたくさんの方に伝えたいという思いでウェブメディア「Japanese Whisky Dictionary」の編集を担当。

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ジャパニーズウイスキーディクショナリー
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